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179「詩」その方向へ

一筋の光が射す方向を見ていた
その方向に歩いていくにはたくさんのモノを
捨てなけらばならないのが分かっていた

世の中にある物差しを真っ先に捨てた

雨露しのげる屋根と
空腹を満たすだけの食物
寒さをしのげる清潔な衣服
それさえあれば他に欲しいモノなどなかった

身を屈め
重く汚い仕事をし
その日の糧を得る
見下されても
気づかないふりをして
笑顔で応える

地位や財産やそんなものは
どうでも良かった

一筋の光が射す方向に歩き続ける
その思いだけで ここまで歩いてこられた
終点がどこにあるのか そんなことは
どうでも良かった
夜が明け光が見えなくなるまで
とぼとぼとわたしは
同じ方向に歩き続ける





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