135「詩」星空のキリエ
降り頻る星の夜空から
一滴の星の雫が
掌に落ちる
掌が一瞬青白い輝きに包まれる
憐れんでいるのだ
私の悲しい心を憐れみ
ここで輝いてくれているのだ
立ち止まった人の横を
足早に走り去ってしまったこと
どうしょうもなかった
けれど本当に
何か出来ることはなかったか
自分を責める
何かほかに
出来る事はなかったか
来る日も来る日も
自分を責める
それでも歩いていく
責められた自分の重さを背負って
それでも歩く
こんな毎日に意味はあるのか
疑問になる
疑問はさらに背中の荷物を増していく
星の雫を受け止めた掌を
そっと開いてみる
青白い輝きは
すでにない
消えてしまったのか
掌を裏返すと
輝きが何か暖かなやわらかなものに
姿を変えて
暖かく
肌の奥へと伝わっていくのが分かる
見上げると
朝を迎える準備を始めた夜空が
降り頻る星の隙間から
いくぶん赤みを帯びた一筋の雲を
描き出している
それでも今日が始まるのだ
キリエ エレイソン
主よ 憐れみたまえ
憐れみは
肌の奥深いところ
とても大切な心の部分に伝わっていく