85「詩」その先に
真っ直ぐに延びた道のその先に
富士山が浮かんでいる
ありきたりの住宅街
荷造り紐のような電線が
見慣れた生活で梱包された家々を
結んでいる
昨日と変わりない時間に起き
昨日と変わりない朝食を整え
変わりない一日が始まる
昨日と変わりなく
真っ直ぐに延びた道を足早に歩き
仕事に向かう
来る日も来る日も
変わりない時間が過ぎてゆく
真っ直ぐに延びた道のその先には
変わりなく富士山が浮かんでいる
うんざりするほど
来る日来る日も
同じことを繰り返し
その先には
雲よりも高く
富士山の頂がある