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62「詩」アンスリウム

一輪のアンスリウムが欲しかった
この場所にはアンスリウム以外の花は生けたくなかった
花屋を回った
季節が違うのだ
どこにも売ってない
ネットを検索した
見つからない
くる人くる人たずねた
くる日もくる日も探した
ようやく見つかったのは
鉢植えのアンスリウムだった
一鉢一万五千円
高価だ
たった一本だけあればいいだけなのに

一万五千円支払った
この場所にはアンスリウムが必要なのだ
それは譲れない事なのだ
たった一輪
探し回った時間など無かったように
風に揺れひっそりと
アンスリウムがすくっと
その場所に生けられた

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