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イラストができるまで。|制作記録 - グループ展「Say Hello 2025」

こんにちは。
イラストレーターのMOOLU(ムール)です。

今回は「イラストができるまで。」と題して、1月に行われたMOUNT tokyoでのグループ展「Say Hello 2025」に出品した作品やZINEの、着想〜完成までの記録を書きたいと思います。

備忘録的な意味合いが大きいのですが、こうやって出来上がったんだなぁみたいなところを楽しんでもらえたら幸いです。

はじめに

東京の駒沢にあるMOUNT tokyoさまにお声がけいただき、2025年1月に行われたグループ展に参加させていただきました。
MOUNTさんといえば、壁一面ZINEの有名なギャラリー!ということで前々からSNSを拝見しており、連絡をいただいた時は嬉しくて飛び上がる思いでした。

お越しくださった方やお話しさせていただいた方、気にかけてくださった方、ご一緒できた作家の皆さま、そしてMOUNT tokyo さま。
素敵な機会をありがとうございました。
とってもいい時間を過ごせました。

展示会場のMOUNT tokyoさま(友だちが撮ってくれた写真!きれい)

展示風景

さっそくですが、実際の展示風景はこのような感じになりました。
イラスト4枚(ジークレープリント)と、同作品を収録したZINE、ポストカードを販売しました。

本日よりネットショップで販売を開始しました!
よかったら覗いてみてください。ショップも出来たてほやほやです。
https://moolu.base.shop/

MOUNT tokyoさまでの展示風景

着想~できあがり

ひとめぼれした言葉

今回、どうしても題材にしたい言葉がありました。
「DREAMBOAT」という言葉で、意味は「魅力的なパートナー」だそう。
直訳すると夢の船。

この言葉は大好きなアーティストの曲名から知りました。
なんてロマンチックなんだ…?!夢の中に連れて行ってくれる人っていうこと…?!と感銘を受け、今回の制作の指針に据えることにしました。

この曲は素敵なので全員聴いて欲しいです…。この曲と言わず全曲最高ですが…。先日の来日公演にも行きましたが、まさに夢のようでした…。

Hiatus Kaiyote - 'Dreamboat' (Official Audio)

無人駅にて

指針は決まったけど、どう形にしていいかわからない。
かなり迷いました。

作品を作る順序って皆さんそれぞれあると思います。
テーマありきで形を作る人、手を動かして後から意味がついてくる人など。
自分は後者であることが多かったので、ある意味今回はハードな特訓でした。

「夢みたいなふたり」を書きたいという気持ちは明確にあったんですが、難しく考えてしまってうまく画面に起こせない。
2週間くらいぷらぷら散歩しながら考える日々でした。


「素直に夢の中にいるふたりを描けばいいんだ」とストンと腹落ちしたのは、SNSである方のウエディングイラストを見た時でした。
おふたりの好きなものが背景に詰まったイラスト。
これが正解だ、と思いました。

ちょうどそのときは友人とのご飯に向かう途中で、なぜか全く違う電車に乗ってしまい、その上無人駅で降りてしまい、全然来ない上りの電車を待ちながらぼうっと座っている時だったのを覚えています。

結局その日は大遅刻して、友人たちに謝りました。

ラフ60本ノック

展示作品に加えてZINEを作ることを決めていたので15~20作品ほど用意する必要があり、仕事以外の時間は常にラフを描いていました。

60枚くらいの簡単なラフを15枚くらいに絞り込み、その中から展示する4枚を決めた記憶があります。

経験が浅いので、とにかく量、量、量ということで、ラフの際にはアイディアを出し切ることを心がけています。それでも全然周りの方には及ばない。もっとペース上げて出せるようにならないとね…。

作品の解説

前段が長くなりましたが、できあがった作品の解説です。

WARM NIGHT

一番最初に形が決まったイラストです。
オーロラが描きたいと以前から考えていて、それを形に起こしました。

今回のテーマなら、本物のオーロラよりも日常の中の夢みたいな風景がいいなぁと思い、レースのカーテンに例えて幻想的な景色に見立てました。

背景に夜空を描くことで、部屋の外と中が入り混じったような空気感が出せたかなと思い、気に入っています。
冬の夜に似合うたっぷりの湯気が描けたのも嬉しかった。

HUG ME

とにかく白いダウンが描きたかったという単純な理由です。
ダウン同士のハグはさぞかしあったかいだろうと思い、この構図にしました。

かなりシンプルな構成なので、配色で重みを出せるように気をつけました。
いい感じにビビッドになったと思っています。

また、ペアルックにしたことによって、不思議な雰囲気が出せたような気がしています。

SEEING YOUR BREATH

うっすら雪が降る日に、買い物に行く自分の姿がちらっとガラスに映ったのを見て、この構図いいなと思い描いたイラストです。
つめたい空気の中で、お互いの体温が感じられる温かいシーンにしたかった。うまく落とし込めていたら嬉しいです。

この作品は配色が上手にできました。
朝でも昼でも夜でもない時間みたいな水色。月が出ているので夜かな。
一番好きです。

REFRECTED IN THE SPOON

スプーンに映り込むふたり。
日常のなんてことないシーンを楽しんでいるイラストです。
ふふっと笑える雰囲気を目指しました。
展示にて、笑いながら可愛いと言ってくださる方が多くて嬉しかったです。

これは実際にスプーンに自分の顔を映しながら描きました。側から見たら滑稽だと思う。

あと、ZINEにはこのふたりの違うシーンのイラストも載せています。

印刷~額装

初めてのジークレープリント

印刷はグラフィックさんにお願いしました。
初めてのジークレープリントです。
通常のインクジェットとは違い発色がとてもいいと聞いていたのでワクワクしていましたが、本当にRGB発色そのもので驚きました。
むしろ、紙の質感が加わったことで、画面で見ていたイラストが1.5倍くらい良くなったような気がして嬉しかったなぁ。

額装したらもっとかわいい

額縁はマルニ額縁画材店さんで購入しました。
まあ種類が多い!かなり選択肢が豊富だったので、それぞれのイラストに合わせた額を購入することにしました。
WEB上でシミュレーションできるサービスがあり、それを駆使して一つ一つ最適な額を購入。
悩むのもとても楽しかったです。
いざ届いて額装すると、イラストたちがちょっとよそ行きの洋服を着ているようで頼もしく見えました。


この2つの作業は確か同時進行で、展示の1ヶ月前くらいだったかな。
年末年始休暇・北海道住まい・冬  ということで配達遅延の心配が大きく、早め早めに動きました。
おかげでかなり余裕があり、年末の帰省前には額装まで全部終わらせられた記憶があります。めちゃめちゃ早かった。

在廊

東京に来てよかったと噛み締めた

展示期間は1月半ばから2週間。
最終の土日に在廊させていただくことになり、いざ東京へ。
グループ展と個展を同時開催しており、自分を除き計8名の作家の方にお会いできました。
お話しするのが本当に楽しかったです。
イラストレーターの方ってみんな素敵なお人柄なんだな…と思いました。
普段同業の方と接する機会がほぼなかったんですが、同じ言語(言語?)を話す方々に出会えたような気持ちで、自分にとっては衝撃的な出来事でした。ここにいたんだ!!!っていう。
いつも人見知りしがちな自分が、まったく人見知りしなかったことに後々気づきました。それくらい楽しかったんだね。

見に来てくださった方とお話しするのも本当に楽しかった。
見てくださり、またお話しさせていただきありがとうございました!
こういうご縁は大切にしていきたいです。
またパワーアップした姿を見ていただけるように頑張りたい。

そして今回お声をかけてくれたMOUNT tokyoさま、とってもいい経験をさせていただきありがとうございました!
東京に行った時は立ち寄らせていただきたいです。

おどろいたこと

冬の絵、寒い絵ばかり描いていることに気づきました。
完全に無意識でしたが、在廊時いろんな方に言っていただいて驚きました。
えっ意識してるんじゃなかったの?という感じですが…。
これを知ることができただけでも、本当に大収穫でした…。

ほんと、一人で描いてると、なんにも気づかないもんですね。
人と話すのって大事。
迷走していた方向性がびしっと固まった思いです。

おわりに

展示は一区切りしましたが、今年はイベントを控えていたり、出たいと計画中だったりします。
そのほかは、イラストでの仕事に本格的に舵を切りたいと考えているので、そのための活動が主になる見込みです。

ぜひ!MOOLUのイラスト使ってみたいなという方がいましたら、どしどしお声がけくださいませ。

あとは粛々と準備中の個人的なプロジェクトを、3月頃に公開予定です。
これもnoteに記録を残したいな。

引き続き、Instagramやnoteにて投稿を続けますので、見守っていただけると嬉しいです。

Instagramはこちら。

なんだか巻物くらい長くなってしまった気がしますが、お読みいただきありがとうございました!



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