今週の音楽(2023/09/17〜09/23)
・今年の春にリリースされてからずっと聴き続けているのが、元シャムキャッツの夏目知幸のソロ・プロジェクト、Summer Eyeによるアルバム『大吉』。“夏目”で“Summer Eye”というユニット名をつけてしまうそのセンスが「まんま」アルバム全編に踏襲されていて実に素晴らしい。彼の持つポップさと脱力さと刹那さが、中南米の大衆音楽×ハウスやテクノといったダンスミュージックと合わさって生まれるグルーヴが気持ちよき。多分、今年のマイベスト10に入ります。
・マルコム・マクラーレン絡みの中でも個人的に愛重し続けているのが、BOW WOW WOW。ジャングル・ビートで80年代ニューウェイヴ・シーンを瞬間的に駆け抜けた英国ロンドンのグループ。今年発表の、原曲のピッチを早くしたこのsped up ver自体を聴いた感想は「ふーん」以外の何者でもなく、オリジナルverの方が全然好きです。
・東京時代の友人が自分の住む街に、She Talks Silenceの山口美波さんの経営するブティック・Viva Strange BoutiqueのTシャツを手土産に数年ぶりに訪れてくれたので、この日は彼女の音源がBGM。
・自身が立ち上げた主催イベントの名前を冠したPlasticzoomsの新曲。彼らの鳴らす陽性に満ち溢れたダークネス・ポップに、いつもながら痺れております。
・先週から引き続き、Vivien Goldmanの作品をよくセレクトするこの頃。約40年ぶりのソロ作品のタイトルが“NEXT IS NOW”って粋すぎてカッケーなって思います。ダブやトリップホップを踏襲した太いベースラインに乗る、現在70歳代の彼女の声が実にチャーミングで、聴き逃しを許してくれません。
・聴けるのをずっと楽しみにしていたクライフの6年ぶりとなる単独公式音源がようやくリリース。耳にスッと入り込んでくる美メロを包み込む90年代以降のUKシューゲイズ直系の轟音と、ユウスケさんの蒼い甘さを内包した声の組み合わせ。最高に最高です。
・これまた聴けるのを楽しみにしていたティーンエイジ・ファンクラブの約2年ぶりとなる新作アルバム。近年の彼らのアルバムの音は少し優しすぎるというか上品すぎるかな、と思う節が個人的にはあったのだけれど(それはそれで好きなのですが)、今作ではサウンド全般的に程よい厚みを取り戻しつつある気がして、これはかなり愛聴しそうな作品の予感。