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MONDO GROSSO / BIG WORLD (2022)

自分が歳を重ねたからなのか、それとも東京から伊豆に移り住んだ環境のせいなのか。

いわゆる四つ打ちものだったり、クラブ・ミュージック寄りのサウンドを日常的に聴く機会はかなり減ってしまった。

今回、MONDO GROSSO新作のインフォを目にしたときも「別に今、聴かなくていいかなあ」と思っていたのだけれど、「そういえば前作のときも同じようなことを思って、実際に聴いてみたら思っていた以上に良かったんだよな」と思い直して聴いてみたら、今作もやはり聴きごたえある作品だった。大沢伸一さん、さすがです。

中納良恵(EGO-WRAPPIN ) や田島貴男、坂本龍一などの中堅・ベテラン勢から、どんぐりずやCHAI、suis(ヨルシカ)といったフレッシュなアーティストとの“フューチャリング”の豪華さと隙の無さには舌を巻くしかない。

けれど、これだけの面子が連なっていながら、聴いていて、変なお腹いっぱい感がまったくない。それは、クラブ・ミュージックの多くにありがちなトラックの冗漫さが皆無なことも、その一因だろう。全12曲で43分。歌詞やそのサウンドで綴られる世界観のエモさは濃厚で大きいものなのに、何度も聴けてしまうこの感じ。ニクいです。

聴きどころは一曲一曲それぞれにあるのだけれど、アルバム通して聴いたときには、やはりアルバム中盤に配置された「STRANGER feat.齋藤飛鳥(乃木坂46)」が大きなフックとなるかも。

ハウスやR&Bを基調としたダンストラックが続くなか、いきなりかき鳴らされるギターノイズへの展開は、たとえその流れが分かっていたとしても、実に格好いい。トラック自体はわかりやすいくらいの“ザ・シューゲイザーサウンド”で新しいかと言われれば否だけれど、一音一音の音色のキレや、その各音の配置などによる聴かせ方が上手い。そして、齋藤飛鳥嬢のアンニュイかつ透明感ある歌声とこの曲との相性もとても絶妙。この曲のMVでは、彼女と映像の美しさも相まって、更にこの曲をネクストレベルの作品に引き上げていると、そう思う。

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