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368【学校社会と実社会の架け橋】
学校社会と実社会は、一見すると別の世界のように見えるが、実際には密接に関連している。学校社会派、理論を中心とした学びの場であり、批判的思考力や問題を「なぜ」と問い直す姿勢が重視される。一方、実社会では、課題に対して「いかに」解決するかが問われ、実践的な能力が尊ばれる。
学校社会は理論主義であり、実社会は実践主義である。学校社会では「批判力」や「なぜ」、「分かる人」が評価されるが、実社会では「批判力」より「提案力」、「なぜ」より「いかに」、「分かる人」より「できる人」が尊重される。
この違いは、学校社会が時に社会とのギャップを生む原因ともなり得る。理論主義に基づく教育は、子供たちに深い洞察力を養わせるが、現実の社会ではその洞察力を基盤に行動する力が必要とされる。しかし、理論だけを重視する教育は危険でもある。理論主義は危険である。それは、原理主義につながるから。原理主義に陥ると、多様性を受け入れにくい硬直した考え方を生む可能性があるからだ。いま学校社会は、実社会の性質が求められている。
学校社会は、少しずつだが、変わりつつある。社会の変化に対応し、子供たちが実社会で活躍できる力を育む教育が求められている。それは、「なぜ」から「いかに」への転換であり、「批判力」から「提案力」へのシフトだ。これらは決して批判力や理論を否定するものではない。それらを土台にしながら、解決策を提案し、行動に移せる能力を磨くことが重要である。
例えば、持続可能な社会を築くためには、平和な世界を目指す力が必要だ。平和はただの理想ではなく、具体的な行動によって実現される現実の課題である。気候変動、資源問題、貧困や差別の解消といったグローバルな課題に取り組むには、理論と実践を結びつける教育が不可欠だ。学校社会が平和の実現に寄与できる場となるためには、まず子供たち自身が問題に取り組む力を身につける必要がある。
私たち大人は、そのために何をすべきだろうか。まず、学校が実社会の縮図となるような環境を整えることが求められる。具体的には、子供たちが意見を出し合い、議論し、共同で課題解決に取り組む場を設けることである。さらに、失敗を恐れず挑戦する文化を育むことも重要だ。失敗は学びの一部であり、そこから得られる経験こそが平和への道筋を切り拓く原動力となる。
平和の構築には、理論を超えて行動する力が必要だ。だが、その行動は、理論的な思考や批判的な視点に基づいていなければならない。学校社会がその橋渡しを担い、子供たちが自らの力で未来を切り拓けるよう支援することが大切だ。そして、私たち一人ひとりもまた、自分自身を変え、行動を起こす必要がある。
変わるべきは他者ではなく、まず自分である。変化を求めるのではなく、自らが変わる意思をもつべきだ。そうした心の柔軟さと行動力が、平和への第一歩となるだろう。
平和な未来を築くために必要なのは、学校社会と実社会の垣根を越えた連携である。それは、理論と実践の融合であり、批判と提案の調和だ。この融合と調和を実現することで、私たちはより良い社会を創造し、次世代へ希望をつなぐことができるだろう。