COVID-19ワクチンは「大量破壊兵器」なのか? - 「BonaFidr」のことだったり、「Dr. Vernon Coleman(バーノン / ヴァーノン・コールマン博士)」のことだったり
こんにちは。
「デマは絶対に許さない!」でお馴染み?の「デマは絶対ダメマン」です。
※ ダメ、絶対
0. 私の個人的なワクチンに対する考え方
いきなりですが、先ず、一番初めに「私の新型コロナウイルスのワクチンに対する姿勢」から表明させていただいておきたいと思います。
私は「ワクチン接種には慎重に臨みたい」と考えている者です。
「摂取しないでいいものなら(進んで)摂取はしたくない」ですし、「必要があるのならば摂取します」と考えています。
「製品」というものに対する姿勢(考え方)として、基本的に「初期ロットなどは品質が完璧に練り上げられていないので、購入などは回避し、市場からの反応をもって改良された数世代後のものを購入したい」と考えています。
これは「新型コロナウイルスのワクチン」に対しても同じです。
「ワクチンに対して慎重派」ですし、「可能なら接種したくない派」ですが、だからと言って「同じような考え方の人たち(ワクチンに対して慎重な人々)から出てくるデマは許容することはできない」と考えます。
その点をご理解くださいますよう、よろしくお願いいたします🙇♂️
1. はじめに
さて。
Twitterを眺めていて、また「ん?」と思うTweetを見つけました。
例えば...
※ 元ツイートが消えるとアレなので、念の為スクショも。
※ この「世界銀行300人委員会(もうすぐ崩壊)」なるアカウントは、過去に「多くのデマを拡散させてきたアカウント」だと私は認識しています。
Twitterで「【オピニオン】コロナワクチンは人類を一掃する可能性がある大量破壊兵器」という文字列で検索をかけると、同じようなTweetがかなりヒットすることでしょう。
※ 引用されている記事の大元は「BonaFidr」というサイトです。
2. 「BonaFidr」って?
私は、個人的に前々から「このサイト、メディア風を装っているけど、なんか怪しいなぁ?」と思っていました。
ちょうど、「BuzzFeed」さんの記事で一部紹介されていましたので、そちらから引用させえていただきたいと思います。
海外ではすでにファクトチェックされているこの言説。日本において震源となっているのは、「BonaFidr」という正体不明のニュースサイトの記事だった。
(中略)
このサイトは「日本のオールドメディアが伝えない海外のニュース」をうたっているが、運営者に関する情報は明かされておらず、アメリカ大統領選の際には、いわゆる陰謀論を拡散していたこともある。
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/vakzin-fc-2 より
この「Bonafidr」というサイトは「記事の内容どうのこうの以前に、閲覧者の情報を抜き取ろうとしているような動きが見受けられる」と思いますので、個人的に「以前からとても注意を払ってきたサイト」ではあります。
3. 「バーノン・コールマン博士(Dr. Vernon Coleman)」って?
さて。
そんな「BonaFidr」が取り上げていて、Twitterなどでも拡散されつつある「コロナワクチンは大量破壊兵器である可能性がある!」と主張している人である「Dr. Vernon Coleman」さんですが...
現在の日本語での表記のされ方は「バーノン・コールマン」だったり「ヴァーノン・コールマン」だったりするようです。
3.1 「LEAD STORIES」より
この人物の行っている主張に関しては、海外のファクトチェックサイトである「LEAD STORIES」さんにて、既に詳しい記事が掲載されているので、そちらを翻訳しご紹介させていただこうと思います。
ファクトチェック:COVID-19 ワクチンは「大量破壊兵器」ではない
COVID-19ワクチンは「大量破壊兵器」なのでしょうか?いいえ、そうではありません。ワクチンが「人類の未来を危険にさらす」という公的な証拠はありません。それどころか、医療関係者の間では、このワクチンが「パンデミックを食い止めるための最良の希望の一つであること」が広く認められています。この主張は、COVID-19とワクチンに関する陰謀論を再利用したビデオの中で行われたいくつかの主張の一つです。
この主張は、2021年3月13日に「Dr. Vernon Coleman」がBrand New Tubeに投稿した動画(アーカイブはこちら)に登場します。動画のタイトルは、"Covid-19 Vaccines Are Weapons of Mass Destruction - and Could Wipe out the Human Race. "でした。冒頭でコールマン氏はこう言っています。
「アジェンダ21やグレートリセットを推進する邪悪なエリートたちが、世界人口の90%から95%を殺そうとしていることは、誰もが知っています。悲しいことに、ワクチンを接種した多くの人々を救うには遅すぎるのではないかと心配しています。何百万人もの人々が運命づけられており、多くの人々が次にコロナウイルスに接触したときに死ぬのではないかと心配しています」
ソーシャルメディア上のユーザーは、このタイトル、説明文、サムネイルを見ました。
コールマン氏の主張によると、「"邪悪なエリート"が世界の人口の95%までを絶滅させようとしている」という。「ワクチンは遺伝子治療であり、COVID-19よりも多くの人を殺す可能性がある」という。
独立した専門家は、資格のある研究者による査読付きの調査結果に裏付けられていないこれらの理論を繰り返し反証してきました。
コールマンはまず、否定された2つの陰謀論に言及する。「アジェンダ21」と 「グレートリセット」です。
Lead Storiesでは、以前、国連が世界人口の95%を絶滅させる秘密計画を持っているという「アジェンダ21」について書いたことがあります。こちらの記事をご覧ください。「アジェンダ21」が存在するのは事実ですが、国連の計画は持続可能な開発に焦点を当てています。秘密ではありませんし、人類をほぼ絶滅させようとしているわけでもありません。「アジェンダ21」のテキストはこちらでご覧いただけます。
同様に、「グレート・リセット」は、グローバル・エリートが陰謀を企て、邪悪な秘密のアジェンダを押し付けようとしているという説です。最近のブログで、戦略対話研究所は次のように説明しています。
「グレート・リセットとは、2020年6月に世界経済フォーラム(WEF)が立ち上げた構想の名称で、パンデミックによる壊滅的な経済効果を踏まえて世界経済を復活させるために、『より公平な成果』と『世界の投資と政府支出の見直し』を呼びかけたものです。陰謀論者は、この構想が実はCOVID-19を隠れ蓑にした資本主義の破壊と一つの世界政府の制定を企てたものだと考えています」
ここで詳しく説明されている陰謀論者の計画の解釈には、信憑性のある裏付けがありません。
コールマン氏は、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏の名前をビデオの中で挙げており、明らかにビル・ゲイツ氏をグローバル・エリートの一員と考えています。Lead Storiesは以前、ゲイツ氏がワクチンの使用によって世界の人口の約10%から15%を排除することを提案したという主張を否定しました。以前の記事はこちらからご覧いただけます。ゲイツ氏の発言は「文脈から切り離されており、CO2排出量削減のために人口増加を抑制する戦略の可能性について語って」いました。
ビデオの2分10秒付近で、コールマン氏は「COVID-19のワクチンが遺伝子治療である」というその主張をしています。彼は言います。
「私はずっと前から、COVID-19ワクチンの危険性について警告してきました。本当はワクチンと呼ぶべきではないことはわかっています。でも、もし私が遺伝子治療と呼んでしまったら、それをワクチンだと言われてきた『私たちが手を差し伸べようとしている人たち』は、私が何を言っているのかわからなくなってしまうでしょう」
コールマン氏は以前にもこのような主張をしており、Lead Storiesは以前にそれを否定しています。以前の報道はこちら。COVID-19のワクチンは、米国食品医薬品局が遺伝子治療を定義しているように、病気の治療や治癒のために人の遺伝子を改変するものではありません。関連して、Lead Storiesは、オクラホマ大学ヘルス・サイエンス・センターの感染症主任であるダグラス・ドレベッツ博士に話を聞きました。2021年2月3日付の電子メールで、彼はこう書いている。
「ワクチンは、例えば『mRNAワクチンのように、遺伝子やDNAを改変するもの』ではありません。単に、病原菌、あるいは病原菌の一部や生成物(破傷風やジフテリアなどの毒素)に対して免疫反応を起こすように、免疫細胞に指示するだけです」
ビデオの中でコールマン氏はさらに、7分2秒付近でこのように主張しています。
「ワクチンは、感染や伝播を防ぐために作られたものではありません。ワクチンはCOVID-19の感染を防ぐものではありません」
そんなことはありません。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国で現在入手可能なすべてのワクチンは、COVID-19の予防に高い効果があります。もちろん、ワクチンを接種した人がCOVID-19に感染しないというわけではなく、常に可能性はありますが、ワクチンを接種すればその確率は劇的に下がりますし、ウイルスに感染しても重症化しないで済むかもしれません。
CDCは、COVID-19のワクチンが「世界的なパンデミックを鎮圧する重要な手段である」と認識しています。ワクチン接種を受ける資格を取得し次第、接種を受けることを推奨しています。更なるCDCからの情報は以下。
「マスクの着用や社会的な距離を置くことで、ウイルスに感染したり、他人に感染させたりする可能性を減らすことができますが、それだけでは十分ではありません。ワクチンは、あなたの免疫システムに働きかけ、ウイルスにさらされたときにウイルスと戦う準備をさせます。ワクチンを接種し、CDCの推奨する方法で自分と他人を守ることが、COVID-19からの最善の防御になります」
コールマン氏は納得していない様子です。ビデオの3分10秒で、彼は言います。
「ワクチンがCOVID-19よりも多くの人を殺す可能性があると指摘したのは正しかったと思います」と。
そして後、8分20秒頃、彼はこう付け加える。
「死者の数は恐ろしく多いのですが、当局はすべて偶然だと主張しています」
確かに、Lead Storiesでは以前にもこのような「偶然の一致」を取り上げたことがあります。ワクチンに対する体の反応とは全く関係のない理由で、予防接種を受けた後に病気になったり、亡くなったりする人がいることは、統計的に避けられません。心臓発作や癌などで毎日のように人が死んでいます。2021年3月に何百万人もの人々に毎日投与されるワクチンは、そのような死を防ぐことはできません。COVID-19ワクチンに期待されているのは、病気に感染する人の数を減らし、それによって感染の拡大を抑え、新たな病気や死亡者の数を減らすことです。私たちの分析はこちらをご覧ください。
2020年12月14日から2021年3月8日の間に、米国では9200万回以上のCOVID-19ワクチンが接種されました。副作用を経験しなかった人もいました。また、痛みや腫れ、発熱などの軽度の副作用を経験した人もいました。一方で、CDCが極めて稀だと説明している重度のアレルギー反応を経験した人も少数ながらいました。現在までに、あらゆる死亡報告を調査しているCDCは、"COVID-19ワクチンの安全性に問題があることを示すような死因のパターンは検出されていない "としています。
一方、ジョンズ・ホプキンス大学が発表した最新の数字によると、COVID-19による死亡者数は世界で260万人以上、そのうち米国では50万人以上となっています。
https://leadstories.com/hoax-alert/2021/03/fact-check-covid-19-vaccines-are-not-weapons-of-mass-destruction.html より
3.2 「POLITIFACT」より
「Dr. Vernon Coleman」について、もう少し補足的な説明が別の海外ファクトチェックサイト(POLITIFACT)に記載されていますので、そちらも抜粋して翻訳しご紹介させていただきます。
ビデオによると、COVID-19ワクチンは "人類を絶滅させる大量破壊兵器 "だそうです。
バーノン・コールマン博士と名乗る男性が、約22分にわたるFacebookの動画で、COVID-19ワクチンについて多くのことを語っています。
動画のタイトルは、"Covid-19 Va@xines Are Weapons of Mass Destruction - and Could Wipe out the Human Race "です。Facebookが反ワクチンの誤報を規制するのを避けるために、"vaccines "のスペルを間違えているのは意図的なものです)。
(中略)
コールマン氏のコロナウィルス・ワクチンに関する陰謀論をPolitiFactが否定したのは今回が初めてではない。
ほとんどが自費出版のこの英国人作家は、HIV/AIDSの存在を否定し、2019年にはワクチンへの信頼を失墜させることを目的とした本を執筆した。
1970年代に資格を得て開業した一般開業医であるコールマンは、もはや医療行為のライセンスを持っていない。また、英国の広告基準局は、コールマンの作品の広告・宣伝方法を繰り返し問題視しています。
COVID-19ワクチンについてのビデオの主張は、「グレート・リセット」や「アジェンダ21」と呼ばれる陰謀論に根ざしています。
(引用ここまで)
https://www.politifact.com/factchecks/2021/mar/31/facebook-posts/no-covid-19-vaccines-are-not-weapons-mass-destruct/ より
4. 最後に
ここで「時系列を振り返って」整理したいと思います。
1. 1970年代に医療資格を得て、その後は一般開業医として開業していたが、現在は開業資格を持っておらず「陰謀論的な本を自費出版する作家(その作品の広告・宣伝方法は英国の広告基準局によって繰り返し問題されている)」に転身した「バーノン(ヴァーノン)・コールマン」なる人物が存在している。
2. その人物が、2021年3月13日に「Brand New Tube」に投稿した動画(タイトルは"Covid-19 Vaccines Are Weapons of Mass Destruction - and Could Wipe out the Human Race. ":アーカイブはこちら)にて「アジェンダ21やグレートリセットを推進する邪悪なエリートたちが、世界人口の90%から95%を殺そうとしていることは、誰もが知っています。悲しいことに、ワクチンを接種した多くの人々を救うには遅すぎるのではないかと心配しています。何百万人もの人々が運命づけられており、多くの人々が次にコロナウイルスに接触したときに死ぬのではないかと心配しています」と主張した。
3. この話題を「BonaFidr」なる「過去に陰謀論的な話題を拡散させていたサイト」が取り上げる。
2021/3/29
※ 個人ブログなど「この話題を取り上げて、情報を訂正しないままにしているところ」は、とても多いかもしれませんね。
4. この主張に関しては、海外のファクトチェックサイトで既に否定されている。
2021/3/31/
ビデオによると、COVID-19ワクチンは "人類を絶滅させる大量破壊兵器 "だそうです。
2021/5/15
ファクトチェック:COVID-19 ワクチンは「大量破壊兵器」ではない
5. 既に「否定された話題」ですが、それをTwitterなどで必死に広めようとしている人も存在している。
こういう状態なので
みなさんもお気をつけくださいね!
「グレート・リセット」や「アジェンダ21」については、日本人も「もっと真剣に考えるべきである」と、私は考えていますが、それと「ワクチンに関するデマを流す」のは
別問題です!!!
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