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今の働き方を一生続けられますか?~『人生後半の戦略書』

「今の働き方をずっと続けられるのだろうか?」

会社員の時と、起業してからと。
私は今までの人生で2度、この『問い』に直面し、大きく生き方を変えました。
まさか自分がそんな生き方を選択するとは思ってもいなかったのに。

  
でも『人生後半の戦略書』という本を読んで、「あのときの自分の選択は、理にかなったものだったんだ!」と、めちゃくちゃ納得しました。


「ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法」と副題がついていますが、まさに!

1.人間には2種類の知能がある
2.人生には住期(じゅうき)と呼ばれる4つのステージがある

この2つのポイントから考えれば、自分が50歳直前に会社員を辞めて起業したのは、人生とキャリアの再構築として大正解だったと、あらためて思ったのです。

どういうことか?
私の実体験からお伝え出来ること、お話ししましょう。

表紙をめくるとこんな問いが!


流動性知能と結晶性知能


人間には、2種類の知能が備わっていて、ピークを迎える時期が異なる。

この本を読んで初めて知りました。

1つめの知能が、流動性知能
読解力や数学的能力のような、一般的にいわれる頭の良さのことで、成人期にピークに達し、30代から40代に急速に低下し始めるそうです。

確かに...

私自身、システムエンジニアとしてのスキルアップを目指し、20代で3回の転職。29歳のときに入社した4つめの会社で会社員人生をまっとうしました。

仕事は好きだけど会社は嫌い。
つまり、仕事は好きなんですよ、ワタシ。笑

20代で、残念ながら自分には研究開発をするような才能は無い、ということを思い知り、4つ目の会社では、コンピュータを作るのではなく、使う方にまわることにしました。
その読みはあたり、ユーザー側に立ち、現場の仕事の効率化を図る方が自分にははるかに向いていて、仕事はどんどん面白くなっていきました。

でも、年齢を重ねれば、任される仕事の量も範囲もどんどん増えていきます。

それを片っ端からやっつけ続けていた40代のある日、ふとアタマに浮かんだんですよね。

「いま、わたし、脳みその何パーセント使ってる?」
   

するとパッと頭に浮かんだのが、

「150パーセント」


え?

まじ?

ヤバイじゃん!!


ぼんやりと、80とか90とか、いっても120パーセントとか?
そんなことを思ってたのに、自分の中から返ってきた答えは150?!

そんなの死んじゃうじゃん!
そんなことありえないじゃん!

と理性では思うものの、自分の体感では確かに150パーセント。
それ以外の答えが返ってこない...
  

で、思ったんです。

「このままだと、いつか必ずとんでもないミスをやらかすに違いない。
こんな働き方、いつまでも続けられるわけがない...」
   

身体の声なのか、自分の内なる声なのかなんなのか。
生き物としての本能が告げていたんでしょう。流動性知能のピークが過ぎ、あとは低下していく一方だよと。

そして46歳のある朝、目が覚めると、

「ダメ。ムリ。もう会社行けないわー」

これまた心の声がし、そのまま6か月ほど休職しました。
    

そして、6か月後に復職してからは、ひそかに自分の中で、「人を育てる」ことに意識を向けるようになりました。

自社の社員ではない協力会社さん(いわゆる外注さん)は、1カ月いくらで仕事を請け負ってもらっている人たち。なので協力会社さんを「教育する」「育てる」というのは、建前上、ありえない。やってはいけないこと。
生真面目きっちりさんの私は、手を出しちゃいけないって、ずっと思ってたんですよね(^^;

でも、もうそれもいいかなと。
私のお金じゃないし、社員の増員は望めない今の環境では、協力会社さんを育てるしかないだろう。
そう開き直ったのです。

そしてこれが大正解だったのです。

なぜならば、知能は流動性知能だけではなく、もう1つ、結晶性知能というものがあるから。

40代以上のみなさま、グッドニュースです!

2つ目の知能、結晶性知能とは、過去に学んだ知識の蓄えを活用する能力。
知識の蓄えに依存するため、40代、50代、60代と年齢を経るほど向上するそうです(^^)/
    

若いときは地頭に恵まれ、歳を取ったら知恵に恵まれる。
若いときは事実をたくさん生み出せるし、歳を取ったらその意味と使い方が分かるようになる。

(中略)

これは、あなたにとっても私にとっても、大きな、実に途方もない発見です。
というのも、流動性知能だけを頼りにキャリアを積んでいけば、かなり早期にピークと落ち込み迎えますが、結晶性知能の必要なキャリアを積んでいるか、もっと結晶性知能を活かせるようにキャリアを再設計できれば、ピークが遅れる代わりに、落ち込みの時期もーー来ないとは言わないまでもーーかなり先に延ばせるのです。

『人生後半の戦略書』P54


「今の働き方をずっと続けられるのだろうか?」

この内なる声を無視せず、本能に従って正解でした。

「人を育てる」とは、結晶性知能を使うこと。
プロジェクトを遂行する楽しさとは全く違った楽しさを、仕事の中に感じるようになりました。

上の図が示すように、流動性知能の曲線から結晶性知識の曲線に飛び移り、人生とキャリアを再構築することに、知らず知らずのうちに成功していたようです。

40代最後の年、また内なる声がしました。

「終わった」

この場所で出来ること、会社員としてやるべきことはすべてやりきった。
その声に従い、私は起業の道を歩むことになりました。
  

セラピスト、コーチ、ビジネスコンサル。
今までの人生経験を活かすにはぴったりの仕事で、結晶性知能はまだまだ成長を続けてくれているんじゃないかなと、思っております ^^
    

いずれ流動性知能の落ち込みに見舞われることは、まず確実です。
しかし、革新中心のキャリアから、指導中心のキャリアへとキャリアを年々再設計する能力は失われませんから、加齢による強みを発揮することは可能です。


「まだまだ行ける!」と気持ちははやるものの、なぜか動けなくて。

もし今、あなたがそんなモヤモヤを感じているとしたら、いったん立ち止まって、考えてみてください。

もしかしたら若いころと同じように、流動性知能バリバリの仕事の仕方をしようとしているのかもしれません。

もう一度、こちらをどうぞ!笑


「もっと!もっと!」と右肩上がりの成長を求め、流動性知能に頼る働き方をするのをやめ、結晶性知能を活かす働き方へ、シフトした方がいいのはなぜか?

その答えがもう1つのポイント、

2.人生には住期(じゅうき)と呼ばれる4つのステージがある


こちらの記事で書きました。

  

人生は長いようで短い。
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