「本当の自分」という罠 ~長年の肩書問題に終止符を打てた理由~
ずっと「肩書」で悩んできました。
セラピストとして起業し、3年後にはもう1つのビジネスの柱として、ひとり起業のコンサルも始めて。
どちらも同じくらいの売上げを上げられるようになり、でも仕事は2倍忙しくなって。
次のステージに進もうと、2つの仕事を統合しようとしました。
そして私は、アイデンティティクライシスに陥りました。
肩書って、自分はなにものであるかを示すもの。
つまり私は、何が本当の自分なのか、わからなくなってしまったのです。
それから今に至るまで、実はずーーーーっと!
この「肩書問題」を、現在進行形で悩み続けていました。
でもようやくわかりました。
私がアイデンティティクライシスに陥ったのは、
たったひとつの「本当の私」がいる
その考えに囚われていたから。
そこに自分を収束させねばと、なんとかして自分を、「たったひとつの固有の本当の私」に収めようとしていたからです。
「ひとり社長の参謀」という分人が生まれた。
【勇気が出るラジオ】の第1回目で、思わず知らずそう話していました。
あの瞬間を振り返って、ようやく今、自分で自分が話したことの真意がつかめた気がします。
アイデンティティクライシスに陥った私ですが、
セラピストなのか、起業コンサルなのか?
どちらか1つを選ぶというのは違う。
それだけは最初からわかっていました。
でもそれを、具体的にどうしたらいいのかわからない。
単純に、「心のサポートも出来るビジネスコンサル」的なものに自分を定義するのは、まったくもってフィットしない。
いったい私は誰なんだろう?
自分をなんと名乗ればいいんだろう?
自分のアイデンティティを、考え続け、悩み続け。
コーチングやコンサルや、果てはブロック解除まで受けました笑
それでも、「私はこれです!」と言えるようにはならなかった。
ひとりで考え続け、悩み続け...
ようやく、『みちをひらく人」』というアイデンティティが定まりました。
でもこれだけだと抽象的過ぎる。
何をしてくれる人なのか、もっと具体的な表現は無いか?
探し続けてやっと、『参謀』というキーワードまでたどり着きました。
でもまだ、『参謀』だけじゃよくわからん。
そして生まれたのが、『ひとり社長の参謀』という肩書。
でもこれも、最初はまったくピンと来ませんでした。
ピンと来ないどころか、「これは無いな」と思った。
私はそんな人じゃないよね?
それ、私じゃない。
でも、いったん判断を保留にして、お茶碗を洗ったり、掃除をしたり。
細々した日常を片付けている時に、ふっと腑に落ちた瞬間がありました。
『ひとり社長の参謀』
そういう分人が新しく生まれるってことだ!
私のアイデンティティは「セラピスト」だから!
そう思っていた「私」は、消え去ったのではなく、今もいます。
起業は商売、自己啓発ではないっ!
つべこべ言わずにとっとと稼げ―!
この「私」も、「本当の私」です。
黒ムツコも白ムツコも、あらゆるグレーのムツコもいて、確かにどれも「本当の私」です。
なにものかになる必要はない。
本当の私を生きればいい!
このメッセージは真実かもしれない。
でも、いつの間にか「本当の私」という言葉に囚われて、
たったひとつの素晴らしい「本当の私」になろう、ならなければと、存在しない幻の「私」を追いかけている...
そんな茶番を繰り広げていたのかもしれません。
"かわいいかわいい私のエゴちゃん" の罠に、まんまとハマっていたのかもしれません笑
仮面を被るとか、キャラを演じるとか。
TPOに合わせた自分がいることを、私たちは知っています。
本音ではもっと稼ぎたいと思ってるとか、
でもそんなにガツガツしたくないとか、ガツガツしてるように見られたくないとか。
起業したら、イヤでもそんな自分に向き合わざるを得ません。
認められたい承認欲求の塊の自分もいる。
でも一方で、誰かの役に立てたらと、純粋に願う自分もいる。
どれも本当の自分。
演じているのではありません。
だからどれも否定する必要はない。
どの自分にフォーカスするか、どの自分でいる時間を長くするか。
それを選んでいけばいいんじゃないのかな。
たったひとつの「本当の私」がいる
その考えを捨てたら、あなたの中に何が起こりますか?
あなたの発信はどう変わるでしょう?
あなたの生きる世界は、どうなっていくでしょう?
だいじょうぶ、なんとかなる!
ひとり社長の参謀・みちをひらく人
おおのぎむつこ
私が『ひとり社長の参謀』という分人を受け入れたプロセス。
【勇気が出るラジオ】第1回の放送は、こちらの記事からどうぞ。
複数の自分を生きる「分人主義」について、こんな記事も書いています。