夢の推しは現実でも夢だった⑥ 〜2ショット会東京一部編〜
大阪でソロコンサート、2ショット会、バイバイ会と怒涛のイベントラッシュに参加し、東京に戻ってきて一夜明けても夢見心地だった。ムンビョルという眩しすぎるスターから受け取ったパワーは今まで飲んできたどんな栄養ドリンクよりも効いていた。
参加する側にもタフさが求められるハードスケジュールだったが、私はいつもよりピンピンしていたのだ。パッチリ目が覚めてからは、松岡修造が乗り移ったみたいなテンションだった。そんな訳でしばし松岡修造のノリで翌日の東京2ショット会に向けてどんな準備したかをお送りする。
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大阪で一番反省したこと!それは!!伝えたいことが多すぎるのにメッセージを準備してなかったこと!でも大丈夫!!後悔しないために次に向けて全身全霊で準備すればいいんだ!!!(右手ガッツポーズ)
もう一度!!考えて、考え抜いた!!何をどうやってどう伝えるのが良いのか!!そして辿り着いた!自分の韓国語は初心者にも程があるし、コロナで叫べないんだから、やっぱり、私には文字に想いを託すしかないって!!再びメッセージシート芸人になるしかないなって!!
とりあえず全部伝えれるかは置いといて、一旦伝えたいメッセージを書き出してみた!!(左手ガッツポーズ)
一番目の「オンニが綺麗すぎて心臓が正常作動できません」は何のこっちゃだと思うので説明すると、これはムンビョルが主演を務めた「Start Love」という2015年のミニドラマシリーズにおける台詞を拝借した!好きな男性に話しかけられて心臓の鼓動が抑えられないムンビョルが、大袈裟に心臓を叩きながら「정상 작동!정상 작동!(正常作動!正常作動!)」と連呼する腹絶倒のシーンなので、きっとご本人も笑うだろうという算段だ!!
メッセージが決まると後は早い。そう、スピード勝負だ!!これらをフォトショに打ち込んで、便利なセブンイレブンのネップリで印刷すれば準備完了!!印刷が終わり、なかなかの出来に満足していたら、横で作業する私を見守ってくれていた姉は言ったんだ!
「ラミネート加工した方が良いんじゃない?」
名案だった。ペラペラの紙を8枚持参して状況に応じて瞬時に出すのは大変だし、遠慮なくお言葉に甘えることにした。多分、オタ活と無縁のご家庭はそもそもラミネートという言葉すら聞いたことがないと思うので、家にラミネーターがあるなんて以ての外だろう。
しかし、オタクという生き物は大切な推しのトレカやポストカードやらを綺麗に保護したいので表面にフィルムを施したりするのだ。その時に活躍するのが熱でフィルム加工を施してくれるラミネーターという機械なのである。
うちわ制作でも散々苦戦したように、私は手先が大の不器用である。綺麗にフィルムを加工するためには、ピシッと紙を揃えてゆっくりとフィルムを持つという忍耐が必要な作業を通る必要がある。優しすぎる姉は手先不器用チャンピオンの代わりに全ての作業を行ってくれた。チケッティングも手伝ってくれたしまじ愛してる。持つべきものはオタク大先輩の姉である。
こうして遂に心優しい姉のおかげで渾身のメッセージシートが完成した。
事前準備も残すところあと一歩。大阪の2ショット会で名札をつけてムンビョルに名前を呼んでもらっていたアイデアの玉手箱のような賢者ムムを見かけたので、自分も名札を用意することにした。
ペタッと紙を右胸上辺りに貼るのでも十分だと思ったが、折角なので東●ハンズに行って名札ケースを買うことにした。品揃えに圧倒されて彷徨っていたが、店員さんに「名札が欲しいんですぅ…」と声をかけると、スマートに爽やか笑顔で案内してくれたのでやっぱり東●ハンズに来てよかったなと心底思った。
大阪で「もう泣かないでね」と三回くらい推しに念押しされたので、「泣かない〇〇」と書いた名札を用意してみた。これで、本当の本当に準備万端だぜ!!(両手ガッツポーズ)
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2ショット会当日。大阪の時と同様に余裕を以って、一時間前には新たな聖地こと有明のTFTホールに到着した。当日のバイバイ会参加用のCD購入列にはすでにポツポツと人が集まっていた。
まだまだ時間には余裕があったので、場内のベンチに腰掛けてどの順番でメッセージシートを出すのか、集中してイメトレを重ねていた。あの時の自分は、ほぼアスリートだった。
イベント開始時刻の30分前には2ショット会参加者用の列ができていたのでそこに並ぶ。本人確認を終えてから、TFTホール300に入場するとそこには大阪よりも広々とした空間が広がっていた。
ドッキドキのワックワックでいてもたってもいられない状態でひたすらムンビョルが登場するのを待機する。楽しみすぎたせいか、この日はやけに待機時間が長く感じられた。
もうこちら側は勝手に親しみを感じているスタッフオンニからの注意事項アナウンスが始まる。繰り返しにはなるが、イベント最中における撮影・録音は禁止の旨と、今回のポーズはまたしてもちっさいハートかおっきいハートのどちらかを選べると伝えられた。
「前回は泣いちゃってちっちゃいハート作れたけど作れてなかったようなもんだし、再チャレンジかな…いやでもでっかいハートも可愛いしな…」とまたもやこの究極の二択に振り回される。
「…ムンビョルさんの登場です。拍手でお願いします」
嗚呼、毎日このセリフを聞きたい。ムンビョルが登場すると同時にあちこちから溢れる歓声。拍手。エヘヘ〜と若干照れながら壇上に上がる推し、可愛いすギルティ。パンチャパンチャしてる。そしてしつこいが細い。細い〜〜!何食べたらあんなにスタイルが良くなるんだろう。同じ人間とは思えなかった。
東京の時も最初からずーっと片時もファンから目を離さずに、会話禁止とは言われているもののなるべく会話を続けようとする姿が胸を打った。大阪では私を除いて誰一人泣いていなかったのだが、東京では何人か感極まって泣き出す同志(勝手に)を見かけたので、痛いほど気持ちが分かり、心の中で「がんばれ〜!」とエールを送っていた。
和やかにムンビョルとムムの素敵なやり取りを見ていたらあっという間に自分のターンが回ってきた。画面収録をしていないかをスタッフオンニがチェックした後は、必要な荷物以外は別のスタッフニムにお渡しする。私はさっと一枚のメッセージシートだけを取り出して、荷物をお渡しした。
君に決めたぜ!
私が1枚目にかますことにしたのは、これだった。
壇上を上がって必死にシートを指差してアピールすると、ムンビョルは「미치〜(狂ってる)!」と、笑っていた。おっしゃー!一本取れた!やはりオタクとしては何よりも望むことは推しの笑顔なので、嬉しかった。
小さいハートを作るためにファンサの鬼はギリギリまで近づいてきてくれた。指の先まで綺麗で、やっぱりムンビョルは美の権化だった。アクリル板越しだがムンビョルの右手に自分の左手が触れて天にも昇る気持ちだったが、アクリル板を支える棒がやや太かったせいか、写真ではそれが全く確認できずマイルドに絶望した。
壇上を降りる前に、「オンニ、ママム+ファイティン!」と腕でプラスの仕草をしたら「おぉ〜っ!」とムンビョルも小さくプラスをしていたのがキヨォだった。
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2ショット会終了後の神タイム。この時間が始まった瞬間に全員無言でスッとスマホを掲げて撮影をしていたのがすごかった。これぞ暗黙の了解だった。すぐ近くにいたムムさんの「投げキッスして♡」のリクエストに応えるムンビョルに黄色い歓声が上がる。そして照れ隠しのように爆笑するまでの一連の流れが幸福以外の何ものでもなかった。
私は瞬時にファンサメッセージを託したシートを光の速さで取り出した。
そして奇跡は起きた。
両目つぶっちゃってる、ママムちゃんの内輪ネタみたいなあのキュートなウィンクだった。ムンビョルというアイドルを生んでくれたこの不思議な地球と森羅万象に感謝した。その後もじゃんけんしたり「撃って♡」のリクエストに応えたりと、スーパーミラクルファンサタイムだった。
そしてメッセージシートを裏返して「ムンビョリダのポーズお願いできますか?」と念を送ったが、「소라누나가 화내~(ソラオンニが怒るよ〜)」と言って唯一拒否したファンサがソラオンニのためという理由で、愛おしすぎて爆発するかと思った。
最後にムンビョルがアンニョンと手を振ると「可愛い〜」と声が上がり、それに照れて日本語で「可愛い…」と言っていたムンビョルは無論宇宙一kawaiiだった。
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一部2ショット回終了後のバイバイ会は、折角作ってきた応援系メッセージシートを無駄にしないためにも計二回参加することにした。一周目では、「ソロのムンビョルもママムのムンビョルも愛しています」を見せると、やはり菩薩のような微笑みを湛えて「コマウォ〜」言っていたのが印象的だった。
二周目では、「二番目の世界」頑張ってください!オンニの歌声が好きです!」のシートを見せると、ムンビョルは「ファイティン〜!」と小さくガッツポーズをしていたので、日本でもたくさんのファンがサバ番も応援してるよという意図が伝わった気がして嬉しかった。
大阪ではバイバイ会を終えた後に俊足で会場を去ったので、バイバイ会が終わった後もスーパーファンサタイムが待っていることをこの日初めて知った。約5分間の内容を書き起こしたので、シェアしようと思う。(※日本語で喋っていた部分は太字表記)
わずか5分時弱ですごい愛をもらい、100回目くらいの恋に落ちた。
(次こそ…本当に最後〜!!)