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劇版アニメ)かがみの孤城

ネタバレあり

あらすじ
「学校での居場所をなくし家に閉じこもっていた中学生、こころちゃん。ある日突然部屋の鏡が光り、吸い込まれた先は御伽話のようなお城。そこには見ず知らずの中学生6人。さらに、オオカミ様と呼ばれる少女が現れる。彼らは協力して謎を解き明かそうとするが、最後に彼らを待ち受けていたのは…

辻村深月のベストセラー小説のアニメ映画化。監督は原恵一」

小説が実写やアニメになれば、文章が映像になる。音楽が流れる。内容が短縮、若しくは改変される。など、それらはある程度必然であるから、小説ファンの心理は色々かと思う。

自分は本を読んでいなかったので、素直にみれた。映画的な方法で、しっかりと作られていた。タイトルが出るまでのプロローグが後々生きてくるような作りも、さすが原恵一監督。唸るほどうまい。淡々とお話が進んでいく印象も受けるし、謎が解けた時の大袈裟な演出なども無い。が、アニメーションの技法や演出の方法は色々で、革新的だから素晴らしいというわけでも無い。作品ごとにそれぞれ合った演出、技法、作画などがあると思う。この作品にはこのトーン、この色味、この雰囲気が合っていると感じた。

おそらくテーマを一本に絞ったのがわかりやすくて良かった。原作小説は500ページを越えるという。それを映画にする時にどこを省くかという選択をするのがうまいと思った。

この映画で扱われているテーマに関しては、現在当事者の子どもたち、過去にそのような経験のある大人、だけでなく、すべての人が考えるべき事かと思う。映画内でも具体的な解決やハッピーエンドは無い。そういうものだと思う。

今現在も、学校というある種閉じられた狭い世界の中で、どれだけ生きづらい子がいるか。「頑張って、大人になって、助け合える!だから生きなきゃダメ!」という主人公のセリフに助けられる子どもがどれだけ居るだろう。そんなことを考えた。

とても好きだった。

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