「全国最中図鑑」60 可麻久良 〈かまくら〉最中 (神奈川県鎌倉市)
麻可奈思美 佐祢尓和波湯久
可麻久良能 美奈能瀬河泊尓
思保美都奈武賀 (万葉集第14巻より)
――愛しい人と夜を共にしに行こう。鎌倉の水無瀬川には潮が満ちているだろうか――
万葉集には、鎌倉は「可麻久良」という万葉仮名で記載されていることからつけられた、三日月堂花仙の名物もなかである。最上級の北海道産の大納言を丹念に炊き上げ、じっくり練り上げて丁寧に仕上げたつぶしあんをたっぷり挟んだ逸品。はみ出しそうな量のあんと、そのあんの水分に負けない厚みでサクサクとした食感の皮とが、絶妙なバランス。小ぶりだがずっしりと重く、食べ応えのあるもなかだ。
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