【日本全国写真紀行】39 山形県西村山郡大江町左沢
山形県西村山郡大江町左沢
最上川舟運で栄えた川港の町
江戸時代、上方や江戸とをつなぐ西廻航路の港として栄えた酒田。その酒田と内陸の米沢をつなぐ最上川舟運航路が開かれたのは元禄七(1694)年のこと。以来、最上川流域の各地域はその恩恵を受けて大いに隆盛した。そのなかの一つが、山形県のほぼ中央、村山平野の西にある大江町左沢である。元禄期には米沢舟屋敷が置かれるなど、大変なにぎわいを見せていたという。
さらに左沢は、街道が集まる陸路交通の要衝でもあったため人の往来も多く、造り酒屋や大問屋をはじめ、領内の豪商が軒を並べた。町屋も数多くつくられ、江戸時代のままに残る原町通りなどには、往時の繁栄を忍ばせる面影が今もしっかり残っている。この左沢の町場は、県内で初めて重要文化的景観の指定を受けた。
左沢駅の北側の高台にある楯山城史跡公園に足を運んでみる。ここは地元の豪族大江氏の城があった場所だ。頂上から眼下に最上川を見る。大きくうねるように迂回する雄大な流れに圧倒される。さらに遠くを見れば、朝日連峰や蔵王の山々が眺望できる。
誰が名付けたのか知らないが、この公園、別名日本一公園と呼ばれているとか。たしかに、日本一の最上川の絶景を堪能することができる。
『ふるさと再発見の旅 東北』産業編集センター/編 より抜粋
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