
おいしさも追求した、地球にも優しい大豆ミート
持続可能な社会の実現に向けて取り組まなければならない問題の一つに「食」があります。特に日本は、食料自給率が37%と非常に低く、また近年は原材料の価格高騰も進んでいます。原因は「食料の世界的な需要拡大」と「供給能力」のバランスが悪いこと。さらには、世界の人口が、2021年は78億人なのに対し、2056年には100億人を超えるとの予想もあり、このまま進むと食料を購入すること自体が難しくなっていくことも予想されます。
老舗鮮魚店が食の力で世界を変える
1945(昭和20)年に創業した「福原鮮魚店」(新庄市)は、冠婚葬祭をはじめとした仕出しや宴会、弁当、惣菜商品などで、地元・最上地域の方を中心に「新鮮な海の幸」や「おいしい料理」を届けてきました。2014(平成26)年には「株式会社 食の力(ショクノチカラ)コーポレーション」を設立。経営理念に「食の力(チカラ)で世界を変えていく To smile with the POWER OF FOOD!」を掲げ、植物性代替肉で惣菜製造を行う「食の力FOODファクトリー」を展開しています。これまでの食の大量生産・消費のシステムが崩れ始めている中で、「畜産物」にスポットを当て、食問題の解決にアプローチをするプロジェクトです。
「新型コロナウイルスの流行で、食品産業は非常に厳しい状況に置かれています。商品の値上げ、原材料の枯渇なども肌で感じています。そのような状況下で、食について考える時間が増え、勉強や情報収集をする時間が増えました」と話すのは福原和輝社長。さまざまな食の問題のなかで、福原社長が注目したのは畜産物でした。牛肉を1キロ生産するために、穀物は6〜20キロ、水はお風呂約80杯分が必要で、穀物については世界で栽培される1/3が家畜の餌になっており、水の枯渇も進行しています。「畜産の生産性が低いのであれば、穀物を食べればいいのではないかと思い大豆ミートの開発に着手しました。
継続して食べていただくためにもおいしい商品をつくらなければならないと考えていましたし、これまでの実績からその自信もありました」。おいしさとバランスを考え開発を進め完成したのが、大豆肉と畜産肉を掛け合わせた「GRANDE(グランデ)ミート」。大豆肉9割、畜産肉の旨み1割以下を原料につくった肉です。ほとんどが大豆で出来ていますが、大豆を発芽させてから加工する独自の製法で、大豆独特の香りはほとんどありません。また、カロリーは肉の半分で、タンパク質は同等程度、食物繊維は畜産肉がほぼないのに対してグランデミートはレタスの3倍を有しているなど栄養価も高いです。
モンテディオ山形サポーターに大豆ミートのおいしさをアピール
10月10日のブラウブリッツ秋田戦のSDGsコーナーではグランデミートを使用したハンバーグの試食会を開催しました。ブースに訪れた人の中には、健康志向から大豆肉の存在を知っている人たちが一定数いたものの「以前食べたことがあるけど口に合わなかった」とか「食べる機会がなかったが買ってまで試すのは……」という人も多かったようです。しかし「試食した方の多くが『これは本当に大豆? 言われないと肉だと思って食べますね』など好感触でした」と福原社長は振り返ります。準備していた600食は、13時を前に配布を終了するほどの反響。
ブース脇にパネルで展示していた同社の取り組みの説明にも足を止め熱心に読んでいる人も多く見られました。「大豆肉が身体に良いのは知っていましたが、地球環境にも優しいとは思いませんでした」と驚いている方もいました。
同日には、トマトカレー(980円)、キーマカレー(980円)、ボロネーゼ(980円)、ガパオ(980円)、メンチカツ(960円)、ハンバーグステーキ(990円)、パエリア(1,290円)、シーフードパエリア(1,490円)のほか、月替わりに惣菜や弁当が届くサブスクリプションスタイルなどの商品のインターネット販売をスタート。また、10月4日から12月2日まで「GRANDEミート(植物性代替肉)で地球と子どもの未来を救う!!」をテーマに、啓発活動を目的としたホームページ設立のためのクラウドファンディングも実施しています。
[クラウドファンディング詳細ページ]
https://readyfor.jp/projects/grande-meat
山形県産大豆でつくるステーキ肉を
「今後は、2025年のリリースを目標に、山形県の休耕田を活用して育てた大豆を使ったオリジナルステーキ肉を開発に着手しています。見た目は3Dプリンタを利用し、繊維を入れたり、畜産肉の旨みを添加したり、さらにその旨みを外に逃さない工夫をしたりするなど考えていきたい。お客様に長く食べていただけるためにもおいしいものを開発していければと思います」と福原社長。
山形県産の大豆を使用したステーキ肉が、日本の食糧危機を救う一翼を担う将来も遠くはないのかもしれません。
[GRANDEミート詳細ページ]
https://canow-jp.com/biz_card/syokunochikara/sales/
●SDGsパートナー
株式会社エコスタイル
株式会社Kanatta
株式会社チェンジ・ザ・ワールド
豊島株式会社
株式会社ポチくる
株式会社笑子
イーレックス株式会社
株式会社ミズサワセミコンダクタ
山形朝日株式会社
株式会社京都スペーサー
株式会社カオナビ
株式会社ソフィア
株式会社スマートチェックアウト
●ユニバーサルスポーツパートナー
株式会社庄内クリエート工業
株式会社QDレーザ
株式会社ライフエッグ
株式会社Innovation IFA Consulting