障害の有無に関わらず。みんなで楽しむフロアホッケー|モンテディオ山形SDGsコーナー体験記
梅雨入り前の爽やかな季節。6月5日に行われたFC琉球戦は好天に恵まれ、たくさんの方にスタジアムへ足を運んでいただきました。
敷居が低く、親しみやすく、面白い
この日行われたユニバーサルスポーツは、フロアホッケーのシュート体験でした。モンテディオ山形のホームゲームでは昨年5月に続いて2度目の体験会開催です。
「フロアホッケー?アイスホッケーなら知っているけど・・・」
という方も意外と多いかもしれません。参加者の方に話を聞いても、「初めて知った」という方もいらっしゃいました。
フロアホッケーは非常にシンプルなスポーツです。パックに空いた穴にスティックを通してそのまま動けばドリブル、スティックを振ってパックを味方に渡せばパス、そしてゴールに向かって強く振ればシュートになります。あとはゴールを多く取ったチームの勝ちです。動きはアイスホッケーに近いですが、体育館の床板で行うことやパックの扱いやすさもあって、初心者への敷居が低く入りやすいスポーツとなっています。体験会では、アイスホッケーのような頑丈そうな防具(公式ルールでもアイスホッケーの防具使用が認められています)を身に付けたインストラクターさんがキーパーを務め、参加者の方がパックに空いた穴にスティックを通して思いっきり振ってシュート。見事ゴールを決めた方にはドリンクをプレゼントしました。
止まった状態からえいっ!とスティックを振るだけでシュートになるので、大人から子供まで大勢の方がゴールを決めていて、体験した子供たちも嬉しそうに「すごく楽しかった」とゴールの喜びを実感していました。老若男女、多くの方がフロアホッケーに触れるよい機会になったようです。
会場にいた山形フロアホッケー連盟武田岳彦事務局長に話を伺うと、フロアホッケーの魅力をこう話してくださいました。
「ルールがわからない人が混じっても、すぐにゲームを楽しめるほどの敷居の低さが魅力です。ぶつかっても痛くないように配慮をしながら、子どもでも楽しめるような工夫もしています」
知的障がい者と健常者が同じチームでプレーする楽しさ
一般的にはあまり馴染みがないかもしれませんが、フロアホッケーはスペシャルオリンピックス(知的障害のある人がスポーツトレーニングの成果を発表する競技会)がアイスホッケーとリンゲッティーというスポーツを合わせて考案した知的障害者向けの競技で、そこから知的障がい者も健常者も一緒に楽しめるユニバーサルスポーツとして発展してきた歴史があります。
公式大会では1チームが11人~16人で編成され、健常者と知的障がい者も同じチームで戦います。一度にコートに入るのはキーパー1人を含めた6人。キーパー以外の5人は3分毎に入れ替えるルールなので、健常者と知的障がい者が同時に同じコートに入ります。そのため、フロアホッケーでは両者の連携がより重要であるそうです。
「知的障がいのある方とない方でうまくコミュニケーションをとりながらプレーするので、周りの方も自然と思いやりが生まれますし、相手チームの障がいのある方に対しても思いやりのあるプレーができます。勝ち負けを意識しながら、そういった思いやりも大切にできるのもフロアホッケーの魅力ですね」(武田事務局長)
ちなみに山形県内では「Ladyがパックを持った時、ディフェンスは進路を譲ること」というローカルルールもあるそうですよ。
ユニバーサルスポーツは、年齢や国籍、障がいの有無に関わらず、皆が一緒に楽しむことができるスポーツ。中でも試合の勝ち負けだけでなく、誰でも分け隔てなく楽しめるのがフロアホッケーの面白さなのかもしれません。
数多くあるユニバーサルをすべて体験していない方も多くいらっしゃいますが、ユニバーサルスポーツブースが昨年から続いている中で、「ここで毎試合何かやってるな」と知ってくださる方は多いようです。
モンテディオ山形では毎試合ホームゲーム開催に合わせてユニバーサルスポーツ体験やSDGsの知識を広げるためのブースを展開しているので、いつでも気軽に遊びに来ていただければ幸いです。
2022モンテディオ山形SDGsコーナー体験記 vol.9
2022/6/5(日)
第20節
vs FC琉球
ライター
嶋 守生
●SDGsパートナー