見出し画像

モンテディオ山形SDGsコーナー体験記 vol.2 3月28日 vs ファジアーノ岡山

2021シーズンが開幕して1か月、ようやく先週ホーム開幕戦を迎えたと思ったら、山形県独自の緊急事態宣言が発令されました。
コロナ禍には何が起きるかわからないとは言うものの、今後のスタジアム来場に対してお客様の気持ちに大きな変化・影響があることは容易に想像できます。

始まったばかりのSDGsコーナーにも、どれだけの人にお越しいただけるか大きな不安がありました。

ユニバーサルスポーツ体験って何をするのか?

私が障がい者スポーツに関心を持ち始めたのは6年ほど前のことでした。縁があって、ブラインドサッカー日本代表選手の方々とご一緒する機会があったのがきっかけです。初めてアイマスクをつけて、ボールを蹴ろうと思いましたが全く当たりませんでした。ボール内には鈴が入っているのに、どこにボールが転がっているのかも全然わからない状態でした。体が硬直して、身動きが取れなくなった時のことをよく覚えています。

サッカー体験の後で、目の見えない状態にしたままいくつかの研修プログラムを受けました。30~40人の参加者が50音順で一列に並んだり、血液型のグループに分かれたりといったものです。目が見えませんから、頼りは人の声です。ところが、みんなが一斉に声を出して「ア行の人いますか!!」とか、「B型の人こっちに集まってください!!」などと叫ぶものですから、余計にどこに動いていいのか、誰が周りにいるのか全く分からないような状態になりました。研修の振り返りで、その時に感じたこと・気づいたことなどを皆でシェアしながら「障がいがあるって言うのは一体どういうことなのか?」「どのようなコミュニケーションをとればいいのか」などをディスカッションしました。

私たちは、障がい者スポーツというと「パラリンピックで活躍する選手を見て、すごいな、障がいがあるのに頑張っているな・・・」と拍手し応援します。でも、私はどうもこのことにしっくり来ていませんでした。本当に大切なのは、彼らを応援することだけではなく、彼らと一緒になって何かをする、彼らと同じように感じ・行動するきっかけを自分の中に見つけることではないかと思うようになったていたのです。

 障がいや年齢に関わらず、皆で一緒にスポーツを楽しめる社会づくりのきっかけになる

ユニバーサルスポーツ体験コーナーでは、とにかく「皆で一緒にやってみる」ことを大切にしています。障がいがある人もない人も、子供もお年寄りも一緒になって楽しむ空間づくりが基本コンセプトです。

Viber_画像_2021-03-31_17-18-45

3年前に別のクラブでこの活動をはじめ、すべてのホームゲームで様々な種類のスポーツを体験しました。こういう時に、真っ先に輪の中に入ってくるのは子供達です。その次が高齢者の方々です。大人はどこか遠慮がちに遠目から見ています。なかなか最初の一歩が出ないようです。
しかし、それも回を重ねてくると次第に変化が出てきます。1年経った時には、みんな普通に笑顔で楽しんでいるようになりました。

今度はそれを、山形のホームゲームでも実現したい。皆さんと一緒に体験したい。そんな思いでこのコーナーは運営されています。

パラ種目以外にもいろんなスポーツ・楽しみはあります

今回実施された「ビリッカー」はビリヤードとサッカーを掛け合わせた競技です。
ボールを蹴って、他のボールに当てて、ビリヤードのように隅にボールを入れるのです。まさに、老若男女問わず楽しめます。子供と老人が一緒になって体を動かして楽しむシーンは最近めっきり少なくなっているのではないでしょうか。昭和世代の私には、昔裏庭で近所のおじいさん・おばあさんたちと色々な遊びをした時のことが思い出されます。

障がい者スポーツから一歩進んでユニバーサルスポーツへ、そしてさらにはスポーツ以外にも一緒に楽しめる幅を広げていきます。
例えば、視覚障害のある方と一緒に囲碁・将棋をする企画もあります。(7月11日予定)
先日私も視覚に障害のある方と囲碁を打ちました。結果は完敗でした。目が見えない彼らは、盤・石を触って全てを把握しています。曰く「目が見えないことは全くハンデにならない」とのこと。
悔しくてその後も2~3番打ちましたが全敗でした。この間2時間ほど、私は「障がいのある人と時間を過ごしている」ことを全く忘れていました。本当に普通に・自然に過ごせたのです。とても新鮮で、かつ幸せな気持ちになりました。

画像2

私たちのスタジアムは将棋の聖地ともいえる天童市にあります。
そこで、視覚に障がいのある方もお呼びして、皆で一緒に将棋や囲碁をやります。
体験していただければきっと色々な感情や思いが芽生えるのではないかと思っています。


緊急事態宣言発令下、スタジアムにご来場いただけた方は3,200人強でした。
開幕戦の半分くらいでした。
しかしながら、SDGsコーナーに来られた方、ユニバーサルスポーツを体験された方は、200人を超えていました。来場者数に占める割合は変わらないかそれ以上でした。
人々の関心の高さを改めて感じますし、この取り組みがきっと世の中の何か役に立つ第一歩になるとの思いを強くしました。

SDGsって何したら良いのだろう?と難しく考えることは何もありません。
まずは、ここで一緒に楽しむことから始めてみませんか?
企業としても、個人としてもきっと感じることがたくさんあると思います

モンテディオ山形
営業部 神村昌志

●SDGsパートナー

株式会社エコスタイル
株式会社Kanatta
株式会社チェンジ・ザ・ワールド
豊島株式会社
株式会社ポチくる
株式会社笑子

●ユニバーサルスポーツパートナー

株式会社庄内クリエート工業