ザンビアに置いてきたもの、持って帰ってきたもの。
3週間の旅を終えて、17日に帰国した。日本を感じ、仕事に徐々になれていくのに必死であっという間に1週間以上がたった。
「ザンビア、どうだった?」と色々な方に聞いてもらって、徐々に消化されてきた感じがするので、このタイミングで文章に起こしたいと思う。
一言で言うと、身軽になった。
身軽さは素直さ
「今まで本当にいろんなものを勝手に気にして息苦しくなっていたんだなあ」としみじみとした。
今は、自分が本当に望んでいることを言うし、やる。望んでいないことは言わないしやらない。1人で難しいことは誰かを頼る。
そんなの頭ではずっとわかっていたことだけど、ようやくストン、と腑に落ちた気がしている。
アフリカでは、みんな素直だった。大変なことは初対面であれ「ちょっと一緒にやって」って声をかけてくるし。自分が相手のためにやりたいと思ったことはお節介をしてくる。そんな感じだから、私もこうしたらいいんじゃないかと思ったことを行動に移せるようになってきた。
「これまだできないけど、面白そうだし誰にも迷惑かけないからやってみようかな。」とも思えるようになった。
多分それは、やったことないことをたくさんやってみたからだと思う。
出会った孤児院の子達は、作曲とかしたことないけど「歌を作ろう」と言って私の手を引いて連れていく。そうするとお互い歌を作ったことがないから、はちゃめちゃな何かが出来上がる。でもそれがなんか楽しい。
別にできなくてもいいことってあって、それはやりたかったらやればいいんだなと思った。そうしてハードルを下げてもらったから、今私はスペイン語も英語も勉強をなんとなくはじめ、絵を描くことにも挑戦したりしている。「やってみたい」に素直になってきた。
自分の輪郭が見えてきた
聞くこと頼ることへのハードルが少なくなると、自分の輪郭がよく見えてきた。「あ、私はこれできないわまだ。誰か上手くできる人と一緒にやろう。」「これはあんまり好きじゃないから得意な人いないかな。」そんなふうに思えるようになった。
これはきっと一緒にザンビアで過ごしたメンバーのおかげが大きい。本当に彼らは多彩で多才だった。同時に、私ができることもたくさん私に教えてくれた。
水も電気もない中で協力して過ごすしかないからこそ、自分にできることを積極的に出し合い、遠慮なく頼る。そういう時間を過ごせたからこそ、「できる、できない」を事実として捉え、できる人が進め、お互いに補い合うことがナチュラルにできていたと思う。
10日間という短い時間でMVを作るということを通して、私が変わったなと思える一晩がある。自分にとって確実に苦手分野であろう、脚本を作るミッションを自分で選んだ私は、一旦形にした段階でもうすっかり憔悴していた。最年長だったこともあってみんなを見守る役割に無意識的に徹していたが、その時ばかりはイライラして、上手く集まらない状況に感情を出してしまった。今思い返してもとても未熟だったと反省するばかりだけど、そんな私にみんながかけた言葉は、「やっと等身大のあなたがみれた気がする」「そう言う部分がみれて嬉しい」「頑張ってくれてありがとう。これからもっとぶつかろうね!」というものだった。びっくりしたし、安心した。
感情の部分をぶつけても大丈夫なんだと思えたからこそ肩の力を抜いて、自分の色々な感情をすっと受け入れられるようになったんだと思う。
本当に感謝している。
愛すること、のアップデート
身軽になったもう一つは「愛」という言葉の認識がアップデートされたこともある気がする。
私は3週間、孤児院に滞在していて、孤児院を実際に開いている女性の方との話で大きく心が動かされた。
一つだけ抜粋するならば、この言葉を持ち帰ってきた。
孤児院に来る子供達は、初めはいくら愛を与えても届かず反発が生じることが多いそうだ。それが初めは辛くてやるせなかったものの、上記の言葉を胸に、愛を与え続けた。そしてそれは自分のためだと彼女は言っていた。彼らに愛情を向け続けることは自分の愛情深さのコップを広げるためだと割り切っているのだと。
これを聞いて私は、愛情深い人でありたいともともと自分が掲げていたテーマの追求は、自分が想像していたよりもシビアであり、愛を他人に向けることは自分のためであり、それでもなお愛情深い人であろうと思っている自分に気づいた。
そしてこれも結局、「自分がそうしたいからする」ということなんだよなあと思った。
日常がはじまる
ザンビアから帰ってくる飛行機の中で、私は自分と約束した。
・人をちゃんと愛する。見返りを求めない。
・自分がなすべきことに集中する。それしかできない。
・人に聞いたり、頼ったりすることを躊躇わない。
・私を大切にしてくれる人とちゃんと向き合う。
まだアドレナリン出てる感じだけど、これからこの約束が馴染んでいくといいな。
25歳という20代の半分のタイミングで、この経験ができてとても良かった。私は自分に素直に、人を愛して生きていきたいと改めて思った。
この気づき、感情を大事に、
これから日本で再開する日常の中で薄れてしまうものもあるかもしれないけど、毎日を味わって生きて、自分の一部にしていこうと思う。
出会ってくださった全ての人と、送り出し迎えてくださった全ての人に、改めてたくさんの感謝を伝えたいですね。
長文読んでくださって、ありがとうございました!