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犬と暮らして半年が経った


犬と暮らして半年が経ったので、この期間に起こったことや感じたことを記録として残そうと思う。普段はインスタでその日の犬のことをバババッと綴っているだけだから、noteの御作法などはよく知らないけど、とりあえず書いてみよう。

私について

普通のしがない都内 OL。31歳。一人暮らし。
飲酒と早寝早起きが好き。

犬について

名前はポワル。フランス語で「毛」とか「毛並み」という意味。本当は毛玉とか、そういうので探してたけどちょうどいいのがなかった。
犬種はミニチュアシュナウザー。ブラック&シルバーのメス。生後8ヶ月と半月。
女子とは思えない活発さで飼い主と真逆の超陽キャ。

2023/10

なぜ犬を迎えたのか

疲れていた。それに尽きるかもしれない。
仕事や人間関係、異性関係。それまで毎日のルーティンとしていた筋トレではどうにもならないくらいに癒しがほしかった。または、相棒とよべるものがほしかった。

ちょうど管理職になったタイミングでほとんど気持ちは固まっていた。月収も上がるし、在宅勤務も4割ほどできるし、なんとかなるのでは、と。
そんななか美容師の友達に「犬飼いたくてさ、ペットショップのサイト見てるけど昔より相場めちゃくちゃ高いんだね〜」と世間話をしていたところ(実際子どものころって犬15万とかだった気がする)、『私、ブリーダー紹介できるよ!』と神の一声。
すぐさま教えてもらったブリーダーに連絡。あいにく今はミニチュアシュナウザーの扱いはないものの、春頃には産まれるかも、というお返事が。当初私は夏くらいまでに飼えればな〜くらいにしか考えていなかったので、全然大丈夫です、産まれたら教えてください〜とお返事。
ところがどっこい、実は問い合わせした頃に産まれていたとのこと。産まれてすぐは残念ながら亡くなってしまう子もいたりするため、お知らせできなかったとのこと。なんならもう見学きてもらっていいですよ、いつにしますか?とのこと。
問い合わせをしたのが2月、見学に行ったのが3月の下旬。見学当日に引き取りますと決めて、受け渡しは4月28日。あまりの急展開にドタバタである。

初対面の日

一人暮らしで犬を飼うことについては、受け渡し当日まで悩んだ。ブリーダーにも『留守番が長い』と『ケージが狭い』と言われてしまい(これに関しては率直に言ってくれて感謝しかない)、せせこましい1K8畳、週の半分留守番、何かあった時にすぐに帰れる保証なし。普通にこんな風に書いてても叩かれそう。それでも、見学当日に触れた小さな小さな生き物と、どうしても暮らしたいと思った。そして受け渡し日、私は生後2ヶ月半の子犬をキャリーバッグに入れて東京の小さな家へ連れて帰った。

| 犬との暮らし
初期〜ポワル4ヶ月になるまで〜

子犬を迎えてまずぶち当たったのが、所謂「育犬ノイローゼ」である。
犬との理想の暮らし、それは晩酌をする傍らで犬が寄り添ってるだとか、寝るときに一緒の布団でぬくぬくするだとか、色んな場所へ出掛けてアクティビティを楽しむだとか、そういったこと。
そんな理想とはかけ離れているのが子犬であると、身をもって実感することになる。
なんせ、まずとにかく小さい。小さすぎる。赤ちゃん、それは誰かが守らねばすぐに死んでしまうような、なんと頼りない生命…。そんな生き物が家にいる。帰りを待っている。留守番中に死んでたらどうする?よもやケージが開いていて、脱走して、部屋のものを齧って飲み込んだりしてはいないだろうか。見守りカメラがあっても仕事中はそんなことばかり考える。
家に帰宅すればおしっこまみれのトイレシートと踏み荒らされたウンチの処理。犬の身体拭き。風呂にいくにもコンビニに行くにも気が休まらない。
休日はトイレトレーニング。なんども試行錯誤して、なんども失敗されて、トイレシートは何枚ビリビリにされたか分からないし、こんなに一日に何度も取り替えて、いったいどれほどの固定費がかかるのかと思ったこともある。

トイレトレーニングでは100均のワイヤーネットが大活躍


ルーティンの朝筋トレはできなくなった。ヨガマットを取り出して飼い主が奇妙な動きをすると怒るのだ。その代わりにスリング(抱っこ紐みたいなバッグ)での朝晩の散歩が導入された。狭い部屋だけじゃない広い世界にたくさん慣れてほしかった。ポワルは小さなその目でたくさんの通行人や犬、野良猫、花、川、車、自転車を見た。

懐かしの抱っこ散歩


そして飼い主は仕事帰りも犬の世話に明け暮れ、とにかく犬が気になり、まともに夕飯も食べれずこの期間はなかなか痩せた。(今はもう完全にリバウンド)
この時期一番辛かったのは散歩に出せないことだった。とにかく元気で遊ぶのが大好きな子犬、たくさん寝るはずの赤ん坊は飼い主が家にいるとまったく寝ない。トイレに行けば起きる。風呂に行けば起きる。ゴミ出しに行けば起きる。体力を消費させねばと思いとにかくボール遊び、人形遊びを繰り返すが、こちとらとっくに成人している30overである。同じ遊びをずっとするのはなかなかしんどいものがある。その頃はとにかく散歩を神格化しており、「散歩に、散歩にさえ行ければこの子は満足して寝るはず…」と毎日考えていた。無論、そんなことはなかったと知ることになる。
また、この頃ヤンチャ度がとにかくMAX状態だったポワルは遊び始めると飼い主の手や足にもガブガブ来るようになっており、飼い主の腕はまるでリストカットでもしたかのように傷だらけ。子犬の歯はとんがっていて、とにかく痛いのだ。
この噛み癖が直らなかったらどうしようと思ってネットで探した犬のトレーナーの出張サービス。自宅にカウンセリングに来ていただき、ポワルを見てもらうことに。トレーナーに言われたことをかなりかい摘むと、『この子は女の子とは思えないほど元気。ブリーダーから購入したこともあって、良くも悪くもシュナウザーらしい子なんですね。噛み癖は人間から教えるよりも犬から教えてもらうのがいい。』とのこと。
そうと決まれば保育園に通わせるしかないじゃないか。最初調べた時に「犬の保育園⁈お犬様の時代もそこまで来たんか…」などと言っていた飼い主、その後夏までお世話になることに。すんごい助かりました、保育園。課金してよかった。
結論、甘噛みは飼い主がちゃんと躾けてないのもあって直ってはいませんが、噛む力は弱くなってちゃんと「甘」噛みになりました。ありがとう保育園。
そして保育園のおかげか、ポワルのもともとの気質か、今も犬や人が大好きです。

保育園を満喫する犬

散歩デビュー後〜ポワル6ヶ月になるまで〜

さて、念願の散歩デビュー。飼い主は上記にあるように散歩をとにかく神格化していた。が、それも早々に打ち砕かれる。
デビュー期はあっちこっちふらふらふらふら歩いてまったく前に進まず、家の周りだけでも30分かかるという展開。あれ、犬の散歩ってこんな感じだったっけ?も早くも不安になる飼い主。
そして慣れてきた頃には歩いても歩いても家に帰れば止まらない遊んでアピール。散歩と遊びは別腹だし、シュナウザーの体力は無限なのだと知った梅雨〜夏。
そしてやってきた夏、この頃は本当にドタバタだった…。まず、部屋の冷房が壊れる事件が。住んで5年、2回目です。ありがとうございます。3年前の処置も虚しく、本当は取り付け時の施工不良とのことが判明。なんど冷却ガスを補充してもらっても3日も持たず、また業者を待つことを繰り返す日々。今年のあの猛暑ですよ?ポワル共々死んでしまう…と思い、ポワルは一時実家へ預けることに。

暑すぎたよな…


ちなみに、この頃冷風機を応急処置的に購入しケージの前に出していたものの、ケージの中に閉じ込めてしまうとなかなか寝床を変えられず余計暑い思いをさせるかと心配だったので、フリーでのお留守番デビューすることに。
当時住んでた家は1Kでお世辞にも整った環境とは言えず、いたずらしようと思えばいくらでもできる、ハイリスクな部屋だったものの、ポワルは留守番中いつもの活発さはどこへやら、寝てばかりいてまったく家のものには触れず。これは今もずっとそうで、留守番の寂しさを寝ることでやり過ごすタイプのよう。

さて、実家に預けたポワル、この頃からあまりご飯を食べなくなる。夏バテもあったかもだが、どうやら別の要因もあったようで。それはまた次項で。
引越しを決意したのもこの頃。さすがに部屋も狭くなってきていたし、両親の後押しもあってすぐさま物件を探し始め、結果、今の家に引っ越し。今のところとても快適。
そして仕事あるある、残業。というより飼い主の部署はやや独特なところで、シフト制。早番だと定時出社で残業なしなら18時には上がれて、遅番だと11時出社で20時までは絶対にオフィスにいなければならないルール。この遅番がなかなか曲者で、結局仕事の進捗次第ではほぼ意味のない残業を課せられるので20:30過ぎまで仕事になったりして、そうすると朝の起床時間は変わらないし生活ルーティンも変わらないからポワルからすればやたら散歩とごはんの時間が遅いな?となるわけで。
この遅番シフトを増やされたことによりまた少しポワルと飼い主のストレス値が増えることとなる。なんとかなっているのはすべてポワルが我慢してくれているからである。

ヒート期から現在〜ポワル6ヶ月以降〜

前項でごはんを食べなくなると記載したが、どうやらヒートの前触れでもあった様子。8月に入ってからますますごはんを残すことが増えていき、下旬に出血を確認。帰宅するとベッドに血のような小さなシミができており、生後6ヶ月以降にくるとは知っていたものの、まだまだ赤ちゃんなのにもう初潮がくるのかと驚きと不安があった。
布団のシミは洗っても取れなかった。まあどうせ引っ越すしベッド買い替えるからOK、とのんきにマナーパンツも履かせずにいつも通り過ごした。できるかぎりポワルのストレスを増やしたくなかった。

ヒート期のポちゃん


ヒートが完全に終わるまで、ごはんは残しまくりだったものの、それ以外はいつも通りニコニコ過ごす陽気な子。よく遊ぶし動く。消費カロリーに摂取カロリーが追いついていないんじゃないかと思ったが、なぜか体重は増えていた。
そして暑く長い夏を乗り越えて、引っ越し。一人暮らしで犬を抱えての梱包は無理だと初日に悟った。段ボールで遊ぶわ梱包材で遊ぶわ、そもそもスペースがないわ。そうして引っ越し当日までの1週間、再びポワルは実家でお世話になることに。よく子育てするには両親の近くがいいと聞くが、こういうことかもしれないと子無し独身女はしみじみと思った。
新居は1DK、前の部屋より10㎡ほど広い。ベッドもセミダブルへ昇格し、ポワルと寝るのにちょうどよくなった。肝心の留守番も、前の家と同じく寝て過ごしてくれて心配いらずで助かった。
引っ越しを機に、噛んでいいものいけないものを改めて躾けることにした。(前の家でボロボロにされた観葉植物に思いを馳せて…)文庫本は3冊犠牲になったし、ドアノーの写真集は背表紙をやられた。その都度本気で怒った。以前に甘噛みをブリーダーに相談した際、『優しいから怒ってるってわからないんですよ〜』と言われたのを思い出し、本気で怒った。ようやく人間が怒ることを理解してくれたのか、今となっては本棚には見向きもしないし観葉植物も匂いを嗅ぐ程度になった。きちんと怒る、大事。
そして真夏のピークもすぎて涼しくなってきたこともあり、ポワルはドッグランデビューを果たした。ドッグランでランしなかったらどうしようかと思ったものの、そんな不安はまったくいらなかった。即ラン。たくさんのお友達とかけっこ、ワンプロ。ドッグランでランする犬が可愛すぎて、実家に飼えるたびに行くことになる。それにしても初対面とあそこまで楽しく過ごせる術を飼い主は知らない。教えてポワちゃん。

地元のドッグランにて

| 半年が経って

気がつけば共に暮らし始めて半年が経っていた。ポワルが来る前の生活が思い出せない。予定のない休日や夜、私は何をしていたっけ?
犬と暮らし、失ったものも多い。あんなに好きだった飲み会や一人飲みに行くことはめっきり減った。急なお誘いもなかなかいい返事ができない。朝の筋トレもできなくなった。おしゃれ着を着る機会も無くなったし映画やアニメをぶっ通しで観ることもなくなった。
得たものも多い。温もりのある生き物が横にいるということ。道で会う人に挨拶をするようになったこと(散歩中のみだけれども)。両親とまた過ごすことが増えた。行くことがなかった場所へ行くようになった。毎日のささいな出来事を覚えるようになった。家の中の温度が上がった。

遊んだ後はいつもニコニコ


恋人がいたころ、半同棲のようなものもしたけれど、その頃はまだどこか寂しくて、窮屈で、満たされてはいなかった。30も超えてようやく、人付き合いが自分にとっては苦手なことなのだと自覚して、それでも一人ではなんとも言えない空虚感みたいなものがあって、そんな時にポワルを迎えた。言葉を喋るわけでもないのに全身で存在を主張する小さな黒い生き物は、本当に手がかかるし時々「なんてわがままなんだ!」と思うこともある。それでも、朝から元気いっぱいな姿や帰宅時の破茶滅茶に喜んでいる姿を見ると、ああ今日もキミがいてくて良かったと思う。
たった半年なのに、あっという間に飼い主の頭の中を占拠した愛らしい犬。これからもたくさん遊んで、疲れたら一緒に寝て、たまに喧嘩もして、仲直りしたら散歩に行こう。どうか長生きしてくれるよう、心から願っているよ。





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