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フランスのコインランドリーはブラックホール

フランス、特にパリに滞在している人の中には家に洗濯機がない人が多いのではないだろうか?
そもそもパリの建物は築年数が100年をざらに超えてくるので騒音問題もあり、洗濯機を置けないアパルトマンもあると思う。

筆者もその1人だ。
と言っても一人暮らしでそんなに洗濯物が多いわけでもないので週に1回コインランドリーに行ってまとめて洗っている。
毎週休みの同じ時間に行っていると同じ面々である事が気づき段々顔馴染みになってくる。
話すとフランス人以外である事が多い。
学生や仕事でパリに来ている外国人が多いのだろう、筆者も含めて。

値段は洗濯が大体4€から10€程度だ。
コレは洗濯機の大きさによって値段が違う。
筆者が使っている4€のランドリーは5キロくらいまで用の物だ。
一人暮らしなら5キロで大丈夫だと思うが、筆者は押しに押し込んで無理やり5キロで済ませている。
満員電車と同じだ。
入りゃいい。

そして、乾燥機は大体10分1.5€程だ。
通常の洗濯物なら5キロくらいだと、20分あれば殆ど乾くはずだ。つまり3€だ。
なので週に7€あれば洗濯と乾燥は行えるわけだ。

まずランドリーに行くと洗濯機が並んでいて番号が書いてある。
重要なのはまず洗濯物を入れて扉を閉めて、番号を機械に入力するのだ。
間違って先に洗剤や柔軟剤を入れるとその洗濯機が壊れてて動かない場合があるからだ。

そして、この番号を打つ機械だ。
例えば、15番と打ってお金を入れるとその番号の洗濯機か乾燥機が作動するのだが、コレがしょっちゅう壊れている。
こいつは本当にコミュニケーションが取れない。
関西弁で何を話しかけてもピーピーとしか返事をしない。
「ちょっと?お金返ってこずに機械も作動しいひんねんけど!!聞こえてる??!!!?」
って言っても返ってくる言葉は、

「ピーピー」

何語だ?ピーピーとは何語なんだ?
鳩か?こいつも鳩なのか?
なら挨拶だ。Bonjour.

その上普通にお釣りが出てこないどころか、機械が動かないのにガンガンお金だけ吸い込んでいきやがる。
こいつは完全に国際犯罪者だ。
筆者も当然経験済みだ。
なのでまずは番号を打ってお金を入れて洗濯機、あるいは乾燥機が作動する事を確認してから、洗剤と柔軟剤を入れるんだ。

ちなみに、ランドリーによっては洗剤と柔軟剤を売っている所もあるがどう考えても長期滞在ならスーパーで自分でボトルの洗剤と柔軟剤を買ったほうが安い。
旅行で1回しか回さない、などの場合はランドリーで買えば良い。

次に乾燥機だ。
乾燥機の場合、1.5€程を入れてまずは乾燥機のスタートボタンを押して乾燥を始める。
そしてもう一度機械に同じ乾燥機の番号を入力してお金を払えば追加で10分加算される。
そう、お金さえ払えば無限に乾燥をしてくれるんだ。

10分、
20分、
4日、
8ヶ月、
衣服を1本の繊維も許さず跡形もなくなるまで風化さすことも可能だ。

だがここで最も重要な事をお伝えしたい。
筆者はコインランドリーで乾燥機をかけるたびに靴下が1足ずつ無くなるのだ。
日本から持ってきた靴下はすぐになくなった。
気がつけば明日履く靴下がないなんて事になる。
Amazonで購入した靴下も無くなった。
こいつは完全にミステリーであり、ブラックホールだ。

そう、現在筆者は裸足である。

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