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【すごい博物館019】日本科学未来館 (Miraikan):宇宙から老いまでゲーム感覚で学べる!

科学好きにオススメ 子供にオススメ お台場散策の一環に


■日本科学未来館とは

2023年12月に訪問

東京の臨海部で比較的新しい街「お台場」に、平成13年(2001年)、国立の科学館として「日本科学未来館」がオープンしました。

「Miraikan」という名前には、多様な人々が集まり最先端の科学技術を理解し、皆が望む未来をかなえるような場所にしたい、という理念が込められているのだそうです。

7階建てのビルのうち3階と5階が常設展のコーナーになっていて、6階には大型ドームのシアターが、7階には展望レストランがありました。

令和5年(2023年)11月に常設展の大幅なリニューアルが行われ、「老い」、「ロボット」、「地球環境」といったコーナーが新設されました。

この館オリジナルの「未来館ノート」というアプリを使うと、日本語のほかに英語・中国語・韓国語で音声ガイドを聞くことができるようになっていて外国人観光客にも優しいシステムだと感じました。

■3階:未来をつくる

このフロアのテーマは「私たちが未来に豊かな社会や暮らしを実現するためにはどんなアイデアが必要かを考えること」になっていて、8つの展示を通じて未来に思いを馳せることができるようになっていました。

計算機と自然、自然と計算機

未来には「現実」と「デジタル」の融合が一層進むと予想されるなか、私たちの感覚がどうなっていくのかを考えるコーナーで、写真のオブジェでは、自然の木や草の上を人工の蝶が飛んでいる様子が表現されていました。

大量のデータを学習したAIは、対象物を進化させて新たなものを作り出す可能性があるそうで、写真のモニターにはコンピューターが考え出したという将来の「人の顔」、「文字」、「昆虫」などが表示されていました。

未来逆算思考

こちらは50年後の自分の子孫に理想的な地球の姿を届けることに挑戦するゲームで、この体験を通じて、未来のために今から何をしなければならないかを少し考えさせられました。

インターネット物理モデル

インターネットの中で情報が伝わる仕組みを、デジタル信号に見立てた白と黒のボールの動きで理解する体験型の展示です。

自分が選んだ「文字」、「音」、「動き」などの情報を相手を指定して送り出すと、黒と白のボールたちが転がってゆき、ルーターを通過して受信者に届き、結果的に情報が伝わるようになっていました。

老いパーク

人間が年を取ると、目が見えにくく、耳が聞こえなくなり、体力も落ちて記憶力が悪くなることなどが、科学的に解説されていました。

お年寄りがスーパーで買い物をすることがどれだけ大変なのかを、若い人が疑似体験するアトラクションもありました。

お年寄りたちは、笑った顔と怒った顔をどのように見たり感じたりしているのかを体験するプリクラは、写真がもらえることもあり大人気で、長い行列ができていました。

小さなロボットたちがこだまする森

アーティストの菅野創さんによる「Lasermice dyed」というロボットたちが、光や音を出してお互い反応しながら動き回る様子が表現されていましたが、薄暗い森の中に本当に生息しているようでキモカワイかったです。

ジオ・コスモス

この館の象徴ともいえるジオ・コスモスは、LEDパネルが10362枚つけられた直径6mの球体で、通常は気象衛星の観測データを取り込んで地球の姿を映していますが、決められた時間にはデジタルアート作品も上映されていました。

3階と5階を行き来する回廊には、1961年に人類初の宇宙飛行を行ったユーリイ・ガガーリンさんを始めに、これまでに宇宙に行った飛行士たちの写真が貼られていました。

1992年にスペースシャトル・エンデバーに搭乗した毛利衛さんの写真もありましたが、毛利さんはその後、この館の初代館長を務められています。

■5階:世界を探る

このフロアのテーマは「宇宙・地球環境そして生命」で、11の展示がありました。

こちら、国際宇宙ステーション

高度400Kmで地球を周回している、国際宇宙ステーション(ISS)の内部が実物大で再現されていました。

写真の左がトイレで、右の部屋が宇宙飛行士が寝るスペースなのだそうです。

100億人でサバイバル

地震や噴火などの自然災害、原発事故やパンデミック、温暖化などのリスクが高まる中、地球上の人類たちは生き残っていくために何をするべきかを考えるコーナーです。

この模型は地球のシステムと人間社会の関係を象徴的に表現したもので、地球のリスクである赤い球が発生すると、人々の人形がバッサリなぎ倒されてしまい、甚大な被害がもたらされることをシュールに描いていました。

ニュートリノから探る宇宙

岐阜県にあるニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」の模型では、素粒子の探知を解説していて、内部が青く光る様子が再現されていました。

この箱には霧のようなものが入っていて、放射線(アルファ線、ベータ線、ミュー粒子)が通るたびに白い線が浮き上がり、放射線が身近なものであることをリアルに実感することができました。

プラネタリー・クライシス

私たちが今後も地球で暮らしていくための課題を考えるスクリーン展示では、プラスチック製品を使ったり牛肉を食べたりすることが、地球環境にどんな影響を与えているのかをアニメーションで詳しく表現していました。

■そのほかの階

6階のドームシアターでは、大型スクリーンで科学や宇宙に関する映像を鑑賞できるようになっていました(別料金)。

7階の展望ラウンジにはレストランもあり、お台場の風景を眺めながらランチを楽しむこともできました。

1階のシンボルゾーンでは、ベッドに横たわりながら「ジオ・コスモス」の変化をゆったりと眺めることができるようになっていました。

1階にあるミュージアムショップには、科学や宇宙に関する学習グッズが多数並べられていて、カプセルトイには惑星や鉱物のアクセサリーグッズが用意されていました、楽しそう。

■まとめ

東京には国立科学博物館や科学技術館などもありますが、このMiraikanは宇宙開発やデジタルなど先端技術に関する情報が一番充実しているように感じました。

令和5年(2023年)のリニューアルで「環境破壊」や「高齢化」など現代社会の課題を問う展示に力が入れられたこともあってか、私たちが今後何をしなければならないのかを改めて考えさせられる機会にもなりました。

なお、この記事は展示の解説やホームページ等を参照して記載しました。

<良かった点・いまひとつだった点>

〇アトラクションが豊富で子供でも楽しみながら学べる。
〇ボランティアのガイドツアーは見どころポイントが短時間でわかる。
△リニューアルでエンタメ系展示は増えたが科学理論系が減った印象。
△待ち時間が長い展示には予約システム(アプリ)があると嬉しい。

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■インフォメーション

詳細はホームページで確認を

開館日・時間
 水~月曜日(火曜日は休館)
 10:00 - 17:00(入場は16:30まで)
料金
 一般 : 630円
 18歳以下 : 210円 ※土曜日は無料※
 6歳以下 : 無料
アクセス
 ゆりかもめのテレコムセンター駅 徒歩約4分
 りんかい線の東京テレポート駅 徒歩約15分
住所
 135-0064 東京都江東区青海2-3-6

以上です、ご覧いただきありがとうございました。

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