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【すごい博物館027】NHK放送博物館:歴史や技術に触れアナウンサー体験も!
テレビ好きにオススメ 懐かしいノスタルジー 無料
■NHK放送博物館とは
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日本では今から100年前の大正14年(1925年)に初めてラジオ放送が始まり、それ以降、テレビ放送、FM放送、カラー化、ハイビジョン・デジタル化などの進歩を伴いながら、NHK(日本放送協会)や民放各局は視聴者に情報を伝え続けてきました。
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東京・港区にある愛宕山には、大正時代からラジオ放送を行っていた東京放送局があり、この局舎の跡地を利用して昭和31年(1956年)に世界初の放送博物館がオープンしました(局舎はその後建て替えられています)。
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4階建ての館内には、放送に関する約35000点の資料が収蔵されていて、技術の変遷や歴代の番組など、放送が果たしてきた数々の役割を紹介していました。
■3階:ヒストリーゾーン
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このフロアでは、大正14年(1925年)にラジオ放送が始まってから現在に至るまでの歴史的な変遷を、日本の近代史との関連も含めながら、8つの時代に区分して紹介していました。
1.放送のはじまり(1920年~)
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日本初のラジオ放送は、大正14年(1925年)3月22日に東京・芝浦の仮放送所で始まりましたが、その際の看板、放送に使われたマイク、そして当時の後藤新平総裁の胸像が並べられていました。
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写真の中心右側にある「373型ダブルボタンマイク」は、当時のラジオ放送で使われていたもので、手前の原稿は後藤総裁が放送初日に挨拶をした際に使ったもの(複製)だということです。
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実はラジオ放送が始まる前からテレビの研究は行われていて、大正15年(1926年)にブラウン管に「イ」の文字を映し出す実験に成功した、高柳健次郎さんの装置が再現されていました。
2.全国に広がるラジオ(1926年~)
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大正15年(1926年)に「社団法人日本放送協会」が設立され放送エリアは日本全国に拡大、 そしてスピーカー付きラジオが家庭に普及したことで、ニュース、音楽、スポーツリポートなどがお茶の間で聞けるようになっていったということです。
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左上は昭和9年(1934年)製のナショナル(現パナソニック)のラジオで、手前の書類は「気象通報」、「ロサンゼルスオリンピック」「子供の新聞週報」の原稿などです。
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これは昭和11年(1936年)の「2.26事件」の際に、反乱部隊に向かって投稿を呼びかけた「兵に告ぐ」という放送が行われた際の原稿ですが、「直ちに抵抗をやめて軍旗の下に復歸する樣にせよ」という文言に生々しさを感じました。
3.戦時中の放送(1937年~)
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昭和14年(1939年)には東京・内幸町に放送会館が建てられ、ラジオ放送の施設が大幅に充実したということです。
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しかし一方で、昭和12年(1937年)に日中戦争が勃発してから太平洋戦争にかけての期間は、日本政府の情報統制のもと、政府の施策を国民に徹底したり、外国にプロパガンダを伝えるような放送も行われていたということです。
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このレコードは、昭和20年(1945年)年に日本の降伏を国民に告げるために、昭和天皇の「玉音放送」の肉声を録音した4枚のうちの1枚なのだそうです。
4.占領と放送(1945年~)
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連合軍最高司令部(GHQ)の指導のもとで、ラジオによる民主化が奨励されたそうで、歌番組、クイズ、ラジオドラマなどエンターテインメント性の高い番組が制作されるようになったということです。
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日本製のテープレコーダーも放送に活用されたそうで、こちらは昭和26年(1951年)に東京通信工業(現ソニー)が開発した、「デンスケ」という愛称のある機材です。
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昭和25年(1950年)に放送法が設立し、日本放送協会(NHK)の他に民間放送も誕生して、放送内容がさらに充実していったということです。
5.テレビの登場 (1953年~)
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昭和28年(1953年)2月1日に、内幸町にあった放送会館からテレビ放送が始まり、その際に使われていたアメリカRCA製のテレビカメラが展示されていました。
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テレビ放送が始まった頃は、街中にテレビが置かれて人々が集まり相撲やプロレスの観戦を楽しんでいましたが、昭和38年(1963年)には普及率が70%に達し、クイズやバラエティーそして教育番組などを、お茶の間で楽しむ風景が日常的なものになったということです。
6.テレビ時代の本格化(1964年~)
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昭和39年(1964年)の東京オリンピックや昭和45年(1970年)の大阪万博などの中継番組、そして昭和46年(1971年)のカラー放送開始をきっかけに、テレビの普及は一層進んでいったということです。
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映像と音声を記録する「VTR」の技術の進歩も、テレビの取材や制作の品質向上に欠かせないものだったようです。
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昭和35年(1960年)頃から、NHKの機能は内幸町から渋谷に建設された放送センターに随時移行され、現在に至っているということです。
7.多様化するテレビ番組(1974年~)
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大型ドキュメンタリー番組「シルクロード」や、世界的にヒットしたドラマ「おしん」など、視聴者のニーズに応えながら多様な番組が制作されたそうで、当時使われていた番組の台本が展示されていました。
8.多チャンネル時代の到来(1989年~)
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平成元年(1989年)に衛星放送が始まりスポーツや音楽の番組が充実し、平成15年(2003年)には地上波放送がHD(ハイビジョン)画質になり、その後インターネットでの見逃し配信サービスが始まるなど、高画質・多チャンネル化によって視聴者サービスを高めてきたということです。
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海外に向けて日本語や英語、そして多言語で情報を伝えている「国際放送」の変遷を紹介する年表があり、テレビやラジオ、そしてオンラインで多岐にわたる番組が提供されていることがわかりました。
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フロアの奥には、長年NHKのニュースセンターで使われていた「映像スイッチングシステム」の実物が展示されていました。
■2階:テーマ展示ゾーン
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このフロアには、テレビドラマのシリーズ、オリンピック中継、音楽番組、子供向け番組に関する資料がまとめられていました。
テレビドラマの世界
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テレビドラマ放送の年表がありましたが、黎明期のドラマは何と生放送で行われていたそうで、VTRがない時代とはいえ驚きでした。
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これは太平洋戦争開戦より前の昭和15年(1930年)に、テレビ実験放送で行われた、日本初のテレビドラマ(12分)の台本だということです。
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朝の連続テレビ小説(通称:朝ドラ)の一覧展示では、時代を飾ったヒロインたちの笑顔が目を引いていました。
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平成19年(2007年)の大河ドラマ「風林火山」に使われたセットのミニチュアがあり、カメラを操作して映り具合を確認できるようになっていました。
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ドラマに出てくる衣裳選ぶと、自分の顔と合成してくれるコーナーもありました。
オリンピックの感動を伝える
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こちらは、昭和39年(1964年)の東京オリンピックの開会式で使用された、カラー放送用のカメラです。
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オリンピック大会はテレビ映像にとっても新たな表現を生み出す機会になっていたようで、多元中継、スピードカメラ、水中映像、バードカムなどの技術開発についての解説がありました。
こども番組がいっぱい
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教育テレビ(現在のEテレ)に登場していた「じゃじゃまる・ぴっころ・ころり」や「ゴン太くん」などの人気キャラクターが並んでいて、その前で写真を撮ることができるようになっていました、懐かしい。
NHKと音楽
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「のど自慢」や「紅白歌合戦」をはじめとした音楽番組の歴史を紹介するとともに、放送に使われた歌や曲を検索して聞くことができるコーナーです。
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「のど自慢」は昭和21年(1946年)にラジオで始まり、現在まで約70年間続いている番組で、展示の中央にはチャンピオンに贈られる「マイク型トロフィー」が飾られていました。
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大みそかの「紅白歌合戦」の舞台の仕組みを紹介する模型と、優勝旗(本物で年末には博物館から持ち出している)が展示されていました。
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NHK交響楽団の歴史や、NHKが海外の指揮者や交響楽団を招いた公演のパンフレットなども紹介されていました。
放送文化賞コーナー
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放送事業の発展や放送文化の向上に貢献された方たちのプロフィールが、関連の書類や楽器、化粧まわしなどとともに紹介されていました。
■2階:放送体験スタジオ
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ブルーバックの背景の前に立って、GCと映像を合成する仕組みなどを体験することができるスタジオです。
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ニュースキャスターや気象予報士の仕事を疑似体験することができましたが、カメラの前で原稿を読むのはとても緊張しました。
■2階:愛宕山8Kシアター
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高解像度・高音質の8K番組を200インチのスクリーンで上映するシアターがあり、訪問時にはジャズライブを堪能することができ、ライブ会場にいるかのような臨場感を楽しむことができました(写真手前の黒い球体は4KVRシアターです)。
■1階:ウエルカムゾーン
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入口の脇には、昔使われていたラジオやテレビなどが、芸術的なレイアウトで美しく並べられていました。
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放送の歴史を彩ってきた施設などが絵図で表現されていて、絵にタッチすると詳しい解説が飛び出てくるようになっていました。
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令和5年(2023年)にドラマ10で放送されていた、「大奥」で使用された衣装や小道具なども間近で見られるようになっていました。
■屋外
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入口の脇には、かつて東京タワーの最上部に設置され、テレビ放送のために使用されていたアンテナたちが並んでいました。
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約半世紀にわたってテレビ放送に使われていた東京タワーですが、地上デジタル放送の開始以降は、その役割を「東京スカイツリー」に譲っているということです。
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そして入口の脇には、昭和43年(1968年)に現在の建物が建築された際に、当時NHK会長だった前田義徳さんが記した碑があり、「日本の放送は今やけんらん多彩な生成を遂げた」などの文字が印象的でした。
■まとめ
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情報やエンターテインメントを伝える身近なメディアである「放送」の歴史的・技術的な背景について、ノスタルジックな雰囲気に浸ったり、スタジオで仕事を体験しながら、理解を深めることができる博物館でした。
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この博物館のある愛宕山の山頂には愛宕神社があるほか、10分ほど歩いたところには「気象博物館」や「港区立みなと科学館」もあるので、散策と合わせて訪問されることをお勧めしたいです。
なお、この記事は展示の解説やホームページ等を参照して記載しました。
<良かった点・いまひとつだった点>
〇古いテレビ・ラジオの機器や思い出の番組記録で懐かしさに浸れる。
〇麓からのエレベーターや駐車場があり山の上でもアクセスが容易。
△かつてのスタジオパークのような体験型展示が増えると楽しい。
△スマホで解説を見たり聞いたりできるシステムがあると嬉しい。
■インフォメーション
詳細はホームページで確認を
開館日・時間
火~日曜日(月曜日は休館)
09:30 - 16:30
料金
無料
アクセス
東京メトロ日比谷線の神谷町駅 徒歩約8分
東京メトロ日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅 徒歩約10分
東京メトロ銀座線の虎ノ門駅 徒歩約13分
都営地下鉄三田線の御成門駅 徒歩約10分
住所
105-0002 東京都港区愛宕2-1-1
以上です、ご覧いただきありがとうございました。