見出し画像

【すごい博物館006】明治大学博物館:ギロチンや絞首刑など死刑制度の解説も!

考古学好きにオススメ インパクトあり 大学関連施設 無料


■明治大学博物館とは

2023年9月に訪問

JR御茶ノ水駅の南にある、明治大学駿河台キャンパスの「アカデミーコモン」という校舎ビルの地下に「明治大学博物館」があり、大学が所有する45万点以上の収集品を収蔵しているそうです。

昭和4年(1929年)に「刑事博物館」、昭和26年(1951年)に「商品博物館」、昭和27年(1952年)に「考古学博物館」が設立され、平成16年(2004年)に現在の博物館へと統合されたのだそうです。

ビルの地下1階には大学の歴史を紹介するコーナーや企画展示室があり、地下2階に降りると広いフロア全体が常設展示室になっていました。

■常設展示室(地下2階)

常設展示室は、「刑事」、「考古」、「商品」の3つの部門に区分されていて、それぞれに豊富な資料が展示されていて、各資料には日本語と英語の丁寧な解説キャプションが付けられていました。

刑事部門

刑事部門には、拷問や処刑道具など、犯罪人の処罰に関する道具のコレクションが展示されていました。

左側は江戸時代に行われていた火あぶりの刑、右側は張り付けにして槍で突く刑の状況を再現したものです。

江戸時代に最も重い死刑であった、首をのこぎりで切り落とす「鋸引き」のための道具だそうです。

江戸時代に行われていた、自白をうながすための拷問の様子ですが、容疑者は三角形の木の台に座らされ、膝の上には重い石を置かれたのだそうです、これは痛い。

明治時代になると、囚人が死ぬまで長時間苦しみ続けるのを防ぐために、死刑は絞首刑で行われるようになったのだそうです。

ヨーロッパの刑罰の考え方を紹介するコーナーには、フランスの死刑道具「ギロチン」と、中世ドイツの「ニュルンベルクの鉄の処女」のレプリカも展示されていました、怖い。

考古部門

日本の考古学の発展に貢献した、明治大学の遺跡研究の数々の成果が紹介されていました。

こちらは茨城県の玉里舟塚古墳(6世紀)から出土した大型埴輪たちですが、どれも美しく整えられていて、当時の生活に少し思いを馳せることができました。

弥生時代(紀元前800年頃~紀元250年頃)に朝鮮半島から日本に伝来した青銅製祭祀刀が展示され、その形が地域によってどのように変化していったかについての解説がありました。

銅鐸は弥生時代の祭りに使われていたもので、全国で約600個が発見されているということです。

こちらは、横浜南部の貝塚を再現した模型ですが、ここの出土品から、縄文時代(紀元前1万3千年頃~紀元前800年頃)の人々が、貝類以外にもシカやイノシシなどを食べていたことが推測されているということです。

商品部門

漆器、染織品、陶磁器など、伝統工芸品がズラリと並べられていました。

日本各地に伝わる工芸品の原材料や製造工程について、歴史や文化とともに詳しく解説されていました。

■企画展(地下1階)

地下1階の企画展示室では、一定期間ごとにテーマを変えた企画展が行われていて、訪問時には「メディアにのった資料たち-知っている資料を見つけよう!-」が開催していました。

日本の教科書や雑誌に掲載されたことで有名になった、「本物」の資料の数々が展示されていました。

これは、江戸幕府が大名を統制するために慶長20年(1615年)に公布した「武家諸法度」、日本史で習った有名な文書が目の前にあり興奮。

歴史の本に掲載された写真と本物が並べてあり、明治大学が長年にわたって貴重な資料を数多く収集してきたことを改めて納得できました。

■大学史展示室(地下1階)

明治14年(1881年)に設立された明治法律学校が、明治大学となり、各地にキャンパスを開いて現在に至るまでの歴史やが紹介されていました。

政治や芸能など、各界で活躍した卒業生たちを紹介するコーナーもありました。

多くのヒット曲を生み出した作曲家・古賀政男さんのギターや、世界初の五大陸最高峰登頂を成し遂げた冒険家・植村直己さんの色紙などが目を引きました。

■関連:阿久悠記念館(地下1階)

作詞家・小説家・放送作家として活躍した阿久悠さん(昭和12年~平成19年・1937年~2007年)の功績をたたえる記念館には、直筆原稿や受賞トロフィー、そして再現された書斎などが展示されていました(写真撮影はできませんでした)。

■まとめ

明治大学が明治14年(1881年)に法科大学院として設立されて以来、幅広い分野で研究成果を上げ、日本の教育にも多大な貢献をしてきたことを理解することができました。

なお、明治大学博物館では開館20年を機に常設展のリニューアルを実施しているそうで、より学びが深くインパクトのある展示にバージョンアップすることを期待したいです。

なお、この記事は展示の解説やホームページ等を参照して記載しました。

<良かった点・いまひとつだった点>

〇刑事部門の残虐な展示は他の博物館にはないインパクト。
〇日本史に登場する有名な資料が豊富に展示されている。
〇日本語と英語での解説パネルが端的でわかりやすい。
△問題点は特にありませんでした。

<明治大学関連施設の記事>

明治大学平和教育登戸研究所資料館

<明治大学卒業生関連施設の記事>

植村冒険館 ※執筆中※
古賀政男音楽博物館 ※執筆中※

■インフォメーション

詳細はホームページで確認を

開館日・時間(日曜日は休館)
 月~金曜日 10:00 - 17:00 (入場は16:30まで)
 土曜日 10:00 - 16:00 (入場は15:30まで)
料金
 無料
アクセス
 JR中央線・総武線または
 東京メトロ丸ノ内線の御茶ノ水駅 徒歩約5~8分
 東京メトロ半蔵門線の神保町駅 徒歩約10分
住所
 101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 アカデミーコモン地階

以上です、ご覧いただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!