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【すごい博物館010】東京理科大学近代科学資料館:歴史的な実験装置が並びノーベル賞の解説も!
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■東京理科大学近代科学資料館とは
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東京の中心部にある東京理科大学・神楽坂キャンパスに、日本の近代科学研究に関する機器や論文などを展示している「近代科学資料館」があります。
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かつて明治時代に使われていた木造校舎の外観を復元する形で平成3年(1991年)にオープンし、令和2年(2020年)には創立140年を記念したリニューアルが行われています。
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東京理科大学は明治14年(1881年)に設立された「東京物理学校」を前身とする歴史ある私立の理科専門大学で、日本の近代工業化や経済成長を支えた研究者たちを輩出し、平成27年(2015年)には大村智さんがノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
■常設展
1.東京理科大学の歩み
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入口を入った最初のコーナーでは、明治時代に創立された東京物理学校時代から現代に至るまでの沿革について、年表や卒業アルバムなどから振り返ることができるようになっていました。
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ガラスケースには最新の研究成果が並んでいた、この大学が開発した小型高性能カメラが人工衛星や探査機に搭載され宇宙空間で活躍している成果なども紹介されていました。
2.東京物理学校の創立
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明治14年(1881年)に東京大学・理学部仏語物理学科が廃止されることになった際に、卒業生や中退者21名が物理を学べる学校を作ろうと「東京物理講習所」が創立されたのですが、当初は資金繰りが苦しく、小学校の校舎を借りながら先生たちも無給で授業を行っていたのだそうです。
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夏目漱石が明治39年(1906年)に発表した「坊ちゃん」の原稿(複製)には、主人公の坊ちゃんが東京物理学校の卒業生だったという記述部分が示されていました。
3.奎運(けいうん)ホール
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美しいステンドグラスのある空間は、イベントや講演会などに使用されていて、この部屋の左右の壁面にも歴史的な科学資料が置かれていました。
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明治8年(1899年)頃に国内で製造された教育用実験機械の「水準器」は、管内に液体を入れて水平を保ち、土地の高低を測量するために使用されていたそうです。
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この箱型のものは、明治20年(1890年)頃に、東京物理学校の卒業生である尾井先蔵さんが発明して特許を取得した「乾電池」です。
4.近代の科学技術
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この大学の実験室で使用されていた、歴史的な機器のコレクションが紹介されていました。
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写真左の「化学天秤」は昭和時代に試料と分銅を載せて重さを量っていたもので、右のガラス瓶内の金属は「日本国キログラム原器(複製)」です。
5.日本の黎明期の科学教育
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このコーナーでは、江戸時代から明治時代にかけて使われていた本や教科書などが紹介されていました。
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こちらはフランス・パリのソルボンヌ大学の教授が記した「物理学」で、これを日本語に翻訳して教科書として使用していたということです。
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お隣がミュージアムショップになっていて、「TIS」ブランドのTシャツやタオルなどが販売されていました。
6.サロン
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エジソンが発明した蓄音機などのコレクションが展示されていましたが、蓄音機を収集していた医学博士から寄贈されたものだそうです。
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こちらは1915年製のエジソン蓄音機「アンベローラ75型」で、円筒型のシリンダーに音を記録するタイプでした。
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訪問時にはスタッフの方が数台の蓄音機でレコードを再生してくれて、ホーンから出てくる音楽の低音から高温までを楽しむことができましたが、電気を使わないアナログの機械でこれほどの高音質を再現していたのかと、当時の技術の高さにびっくりしました。
■大野智 記念展示室(2階)
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東京理科大学の大学院で研究にいそしみ、平成27年(2015年)にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智さんの功績を伝える展示室です。
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大野さんは静岡県の土壌から発見した微生物が造る物質を研究・改良することで、「イベルメクチン」という薬を開発したのだそうです。
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「イベルメクチン」は寄生虫による感染症を防ぐ特効薬となり、世界中の多くの人たちを失明の危機から救ったということです。
■関連:数学体験館(地下1階)
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この大学の卒業生である数学者の秋山仁名誉教授の監修のもとにオープンした「数学体験館」では、主に子供たちを対象に数学や算数を学ぶ教室が開かれていて、専門スタッフの指導の下で工作や実験を行うことで、数学の「美」を五感で感じるアクティビティを行っているということです。
■まとめ
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日本の科学技術の進歩のためにこの大学が果たしてきた役割について理解することができ、数々の実験器具から研究にいそしんだ科学者たちの努力や工夫を感じることができました。
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東京理科大学は千葉県の野田キャンパスにも「なるほど科学体験館」を設けて、歴史的なコンピュータなどを展示(近代科学資料館から移設)していますので、機会があればあわせて訪問することをお勧めしたいです。
なお、この記事は展示の解説やホームページ等を参照して記載しました。
<良かった点・いまひとつだった点>
〇日本の科学技術の向上に東京理科大学が果たしてきた役割がわかった。
〇古い蓄音機の演奏を聴くことができて音楽を楽しむことができた。
〇土曜日にも開館していて仕事休みの日に行きやすかった。
△コンピューター類が野田に移設されたためか機器の見どころが少ない。
<東京理科大学の関連施設の記事>
なるほど科学体験館 ※行く予定※
■インフォメーション
詳細はホームページで確認を
開館日・時間
水~土曜日(日~火曜日は休館)
12:00 - 16:00(水~金曜日)
10:00 - 16:00(土曜日)
料金
無料
アクセス
JR中央線・総武線または
東京メトロ東西線・有楽町線・南北線の飯田橋駅 徒歩約3~4分
住所
162-8601 東京都新宿区神楽坂1-3 東京理科大学近代科学資料館
以上です、ご覧いただきありがとうございました。