第4弾 Monsieur Aのフランス留学体験記
■まえがき
この記事を手にとって頂き、ありがとうございます。購入していただいた方は、おそらくこれからフランス留学を考えられている方か、フランス留学に既に行ったという方でしょうか。
noteを開始して、今回で第4弾の発行となります。何時もご購読頂き、ありがとうございます。3年ほど前にツイッターから始まり、ブログ、そして、このnoteを開始致しました。皆様の励ましなしには、何年も仕事を続けながら、空き時間を利用して継続は出来ていなかったことでしょう。
さて、フランス留学を決めるまでに様々な準備が必要となります。私は、2010から2011年に1年間フランスのアンジェに留学経験がありますが、行く前にこうしておけばよかった、こんなものを持って行っていたらもっと有意義に過ごせていたということが沢山ありました。フランス留学に行く前にもっとたくさんの情報があれば、もっとスムーズに手配を終え、もっと楽に効率的にフランス生活を過ごせていたと思います。そんな思いから、これからフランスへ行く方に、私の経験を通し、よかったこと、悪かったこと、様々なフランス留学に関する情報をこの記事を通じて記したいと思います。勿論フランス語を上達させるヒントも折り込んでいます。
フランス留学中に、フランス国内もそうですが、ヨーロッパは陸続きなので、ヨーロッパの様々な国への旅行情報も合わせて入れてみました。大学時代も、フランスと日本の比較というテーマで卒業論文を書いていたので、その時に学んだ情報も入れて、できる限り皆様の役に立つ理想の本を手がけることに着手致しました。
第4弾も皆さまの目指している道を開けるような記事になればと思いを込めて執筆しましたので是非一読頂きたいと思っている次第で御座います。
目次
■まえがき
1)そもそもなぜフランス?〜留学体験記〜
2)バカンスはヨーロッパ各地へ
3)フランス留学に持って行くと便利なもの、買ってくればよかったもの
4)留学の経験をどう生かすか
■あとがき
1)そもそもなぜフランス?〜留学体験記〜
フランス語を勉強すると決めたのはなぜでしょうか。色々な人からその理由を聞かれることがあると思います。しかし、好きを説明するのは、非常に難しいことです。もちろん、フランスという国は、日本人にとって理想的なイメージがあり、その漠然とした理由からフランス語を勉強し、そこからのめり込んでいくというパターンが多い気がしています。私自身もその内の1人です。
大学卒業後もフランス語を勉強していると、本当になぜフランスと聞かれることがあり、上手く返答を返せず模索しています。本当はこのグローバル化の中、英語以外に何かも一つ言語を話せると、将来仕事をした時に役立つのではないかと思い、様々ある言語の中から、フランス語ってオシャレそうだし一度授業を取ってみようかなとミーハーな考えで始めたのがきっかけです。正直なところ、中国語やスペイン語を勉強する事が合理的ですが、最後の未開拓地アアフリカが発展すると、状況は一転するでしょう。
フランス語を勉強すると決めたのはいいのですが、大学のフランス語の授業を受ける中で、フランス語文法の大きな壁にぶち当たりました。1つの単語になぜ男性名詞と女性名詞がある?なぜ姓数を一致させるの?代名詞の位置が主語と動詞の間に入る?接続法って何?など慣れないフランス語に戸惑い、フランス語の勉強なんて後回しにして、バイトや遊びに時間を費やしていました。そんなある日、大学2年の春に大学の国際センターが主催するフランス1ヶ月間のセミナーがあることを知りました。大学入学後、2年間フランス語の授業を中心にカリキュラムを組み立てていたものの、実際にフランスに行ったことがありませんでした。この機会を利用して是非フランスに行きたいと思い、親に相談すると快諾してくれたので1ヶ月間のフランスセミナーに参加することになりました。そもそも海外に行く機会なんて殆どなかったので、何もわからない状態で、もちろんフランス語も英語もほとんど話せませんでした。
フランス1ヶ月間のセミナー当日、関空へ参加者の同期の生徒約20名ほどと大学の仏文の教授でエールフランスの飛行機に乗る際、荷物の重量制限に私だけ引っかかり、いきなり大恥をかいてしまいます。飛行機の中では、爆睡し、フランスについた時には、寝ぼけていました。シャルル・ド・ゴール空港に到着しても、フランスに着いたという実感が全然持てず、そのまま手配して頂いたバスにみんなで乗り込みパリの中心地に向かいました。みんなでワイワイ騒ぎながらバスでパリに向かっているとあっという間に、「オペラ座前に着きました。」とバスのアナウンスが流れました。バスから降りると目の前に、「ドンッ!」とオペラ座が目に写り込み、その瞬間、ドキっという音が聞こえるぐらいの衝撃を受けました。あの時の感覚は今でも忘れられません。今でもなぜかその時の衝動を思い起こす時があり、そのたびにまたフランス語を頑張れば、フランスに住めるチャンスがあるのではと考えてしまいます。
パリでの観光を終えた後、ブルターニュ地方にあるフランス17番目の経済都市であるアンジェに向かいました。ブルターニュ地方の県庁所在地はナントであり、そのナントからアンジェは、電車(TGV)で約30から40分ぐらいで行けます。ロワール川の辺りに位置しているので、お城やワイン、リエットなどが有名な街で、人も親切でとても良い街でした。また、この地方はあまり方言がないので標準語を学ぶのに適していました。
実際に約3週間アンジェにある私立大学西カトリック大学でフランス語を勉強しました。西カトリック大学には、外国人がフランス語を学べる語学学校が併設されており日本のフランス語学科のある大学と協定を結んでいます。そんな縁もありアンジェという小さな街で3週間、ホームステイを経験しました。この経験が後々フランス語にのめり込んでいく大きな経験となりました。
語学学校では授業を受ける前に、クラス分けテストが行われました。私は、一番下のクラスになりました。ここの学校は、ヨーロッパの語学基準である、C2・C1・B2・B1・A2・A1のクラスに分かれており、各レベルの中でも2から6ぐらいまでクラスが細分化されており、レベルに合わせてフランス語が勉強できる点が良いと思いました。ただ一番下のクラスに割り当てられたことは凄く落ち込みました。
フランス語がわからない私にとってホームステイ先でももちろん、多くの苦難を経験しました。私のホームステイ先の方は、80歳のおばあちゃんでした。元々、おばあちゃんの方が、優しくフランス語を教えてくれるのではないか思い、希望した通りになりました。しかし、話たいことが伝えられない、何を言っているかさえわからないという困難の連続でした。その時に、なぜ日本にいるときに、勉強をしてこなっかったのだろうと大きく後悔しました。当たり前ですが、フランス語が話せれば話せるほど、フランスの文化に溶け込める可能性が高くなり、生活も楽しくなります。クラスでもいろいろな国籍の人がいたのですが、コミュニケーションが取れない。毎日が悔しい思いで凄くしんどかったです。セミナーで集まった生徒の中でも、フランスに関する知識が少なく、これほど悔しいと思うことがないくらいに歯を食い縛ることの多い3週間でした。このときにもう一度ここに1年間リベンジするために留学に来ると決めました。もちろんその3週間の間にもフランス語を本気で勉強しましたが、付け焼き刃の勉強では、すぐに効果が出るはずはありません。そんな悔しい3週間は、今もフランス語を勉強する理由の一つかも知れません。しかし、悔しいことばかりではありません。語学セミナーなので、様々なエクスカーション(遠足)のプログラムがありました。ほぼ毎週土日は、ロワール川周辺の城を訪れたり、サン・マロとモンサンミッシェルへのツアーに行ったり、アンジェ城やアンジェで有名なタピストリーの博物館や瓦を作る工場へ見学に行ったりしました。街を歩くだけで本当にウキウキしたのを覚えています。3週間のアンジェでの授業の後は、パリに戻り、有名どころをツアーのような形で訪れました。当時、ルーブル美術館やオルセー美術館に行ったのですが、全くといって良さがわかりませんでした。今となればそれを目的にフランスに行っても良いくらい好きになりました。
フランス1ヶ月間のセミナーもあっという間に終了し、日本に帰国した後は、悔しい気持ちを崩すためにずっと図書館でフランス語を勉強しました。まずは、フランス語検定3級から勉強を始めました。加えて、セミナー期間中にフランス語が話せなかったことと同様に英語も話せないことに気づきTOEICの勉強も半年間同時並行で行いました。セミナー後の半年間は、1日8時間以上は、勉強していた記憶があります。電車や寝る前の隙間時間を大いに利用したことが功を奏したと思います。TOEICの点数も半年で、375点から690点まで上げ、フランス語検定も3級に受かり、フランス語検定2級の模擬テストを受けても合格点を取れるレベルにまで成長していました。そしてついに、フランス、アンジェに再度1年間の留学に旅立ちます。お金を払ってくれる親には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。というのは、交換留学でも行けていたのですが、就職活動を考え認定留学で行くことにしました。さらに、日仏文化協会を通して行ったので、2学期間でホームステイ先の滞在費、授業料、航空券、AIUの保険、現地でのサポート(日本人の方が銀行の口座を開いたり、何かあればサポートしてくれるサービスがありました。)を含めて150万円程でした。ここに、プラス食事代と教材費がかかるので、締めて2学期間の留学で200万円程かかりました。
ホームステイ先は、フランス1ヶ月間のセミナーの際に滞在していた80歳のおばあちゃんの家を希望すると日仏文化協会から連絡していただき、快諾してくれました。これで、滞在先も決まり、後はフランス語を勉強するのみです。大学の始めの頃からフランスに留学に行くとプランを立てていれば、交換留学の制度を使い、日仏文化協会のようなエージェントを通さずにすればもっと安く済むので、早い段階での情報収集は必須です。フランス留学を考えられている方は早めに準備をしておいた方が良いでしょう。最低でもフランス語検定2級レベルはほしいところですが、私はそうではなかったので苦しみました。
私にとっては1ヶ月セミナーでのリベンジである1年間の認定留学が始まります。セミナーの際に受けたクラス分けテストを受けるとB2の上の方のクラスになりました。この時は、セミナー以降日本に帰って図書館にこもり勉強してきて本当に良かったと思いました。これを継続して続けていけば、多くの可能性が広がるのではないかと期待しました。しかし、そんな期待も虚しく、授業に全くついていけませんでした。勉強の仕方に問題があったのです。日本では、フランス語検定を順に勉強していたのですが、実際の授業では、すべてフランス語オンリーで、聞くこと、話すことに関しては、フランス語検定を勉強をしているだけでは到底実力不足で、日本でしてきた勉強法も抜本的に変えなければならないと感じた時でした。話すことの前に、相手の言っていることを理解することが重要であり、とにかく、フランス語の生きたシャワーを浴び続けました。日本で英語も勉強してきたので、わからなければ最悪は英語を使えるという余裕も少しあり、ホームステイ先のおばあちゃんの息子さんがきた時は、プリペイド携帯の使い方は、すべて英語で教わりました。また、地元のサッカー好きが集まる公園へ、サッカーに参加したいという時もすべて英語でのやり取りでした。フランスにいるのだから、フランス語で話した方が良いのは、もちろん大切ですが、初めからうまく聞き取れないと自信のない方は、英語も勉強しましょう。国際人として英語は大切です。特に将来、フランス語を使った仕事をしたい方は、英語が話せることが第一条件になります。
2学期間のフランス留学であったので、初めの1学期は兎に角、授業について行くためにひたすら図書館に篭り勉強をしました。それでも、授業で理解できないことが多く、しんどい4ヶ月間でした。まず、教科書にある沢山のわからない単語を電子辞書で調べまくり日本語訳を書いていきました。沢山の単語を覚えるために必死に家に帰っても勉強しました。ホームスティ先のおばあちゃんにも、あんなはよく勉強すると言われたぐらいです。まぁ、今まで碌に勉強してこなかったのでその反動でしょう。厳しい4ヶ月間は、人生の中でも本当に長く感じました。このままずっとフランス留学が終わらないのではというぐらいに長く感じたのです。しんどい時間は長く感じ、楽しい時間はあっという間に過ぎるって儚いですね。地獄の4ヶ月間の後は、フランス語の理解度が格段に上がり、文法的にミスはあるものの言いたいことはある程度スラスラ言えるようになりました。しんどい事を経験するべきだと思った瞬間です。2学期目は、1学期の貯金があったので、何の不自由もなくクラスの友達やフランス人の友達と遊びに出かけました。ワイン畑を経営しているフランス人の友達の家で馬鹿騒ぎしたり、バーで日本人の友達と飲みに行ったり、最高に楽しかった時期でした。そんなこんなで1年間のフランス留学は、2学期目以降あっという間に過ぎ去り、最高の財産を作り日本に帰国しました。留学後にフランス語検定準1級に合格しました。
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