見出し画像

親に買ってもらったステレオコンポ

中学入学と同時に自分の部屋を与えられ、四畳半程度の狭い空間に「自由な世界」を作ることができるようになった。その時、母か祖母からのプレゼントとして、CD・カセットテープ・ラジオが聴けるシャープ製のステレオコンポをもらった。部活や塾で忙しいながらも自分の空間で好きな音楽を聴くことができるのはこの上ない贅沢だった。

ステレオコンポではラジオを聴くことができた。紐みたいなラジオアンテナを伸ばして受信した。今のようなradikoなんてなかった時代なので地元の山陽放送とお隣の県の西日本放送を聴くことが多かった。インドア派の私にとって、ステレオコンポは少し大きめの魔法の箱だった。

ある日、自宅付近に雷が落ち、電流が逆流したためステレオコンポが故障してしまった。修理は不可能と聴いて絶望したが、雷か何かの保険が下りたのと、地元の「かかりつけ家電店」のおっちゃんが「うちで買ってくれたら安くするわ」という言葉で新品のステレオコンポが2代目としてやってきた。結局、このコンポが高校卒業までの受験勉強を支えてくれた相棒となったのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?