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食欲をかきたてる薬味に、イワシと相性抜群の梅干しの「イワシ梅だし茶漬け」

この記事はcakesに2019年7月13日に掲載されたものです。

ポルトガル料理をつくっていると、ときどき思わぬ仕事が舞い込みます。以前、イワシ缶、つまりオイルサーディンを使った料理レシピの依頼がありました。オイルサーディンを使って、つまみから麺類、ご飯ものまで、思いつくものを考えてくださいというもの。雑誌掲載後の反響が良かったようで、最近『さば缶&イワシ缶5分でうまい!やみつきレシピ』(日経BP)という書籍にもなりました。今回は、そのレシピの中から、とくに気に入っている夏に食べたいものをいくつかご紹介します。

それにしても、なぜ私にイワシだったのか。担当編集者さんに聞くと、ポルトガル人はイワシが大好きだし(彼らのソウルフードは塩を振ったイワシの炭火焼)、ポルトガルは魚の缶詰が豊富だからです、とのお答え。確かにそう。それにしてもあなた、ポルトガルの食文化にやけに詳しい。詳しすぎる。不思議に思って聞いてみたら、なんと編集者さん、ポルトガル語学科の出身でした。

そういえばと思い、ふと家にあるポルトガルの缶詰を集めてみたのですが、結構ありました。もしかして私、缶詰マニアなのかな……。

ちなみにこの写真の中に1つだけお菓子が混じってます、分かるかなー(正解は最後に)。

ところで、食品としてのオイルサーディンは何がウリなのか。ぱっと思いつくのは、買ったらその辺にほったらかしておいても大丈夫なぐらい保存が簡単とか、賞味期限が長いとか。普段は気にも留めないんだけど、忙しいとか天気が悪いとかで買い物に行けない日々が続いたとき、棚の奥でじっとしていた缶詰めに助けられたりしたことも、私は結構ある。ほかにも、旬の脂の乗った状態の魚を缶に封じ込めるから、実は生魚より栄養が豊富だったりする。EPAやDHA、たんぱく質、さらには骨も丸ごと入るのでカルシウムも豊富。ざっと調べてみても、イワシ缶、地味に実力がある食材です。

じゃあ実際にどんな風に食べたいかというと、私の場合、お酒がすすむつまみか、あるいは食事としてボリュームのあるもの。お酒を呼ぶ味ならなお良し。あれこれ料理を作ってみて分かったのですが、オイルサーディンは、魚のわりに実はそれほどクセのない素材。だから、酸味や辛味などパンチのある味を加えると、酒も食もすすむ一品になります。

たとえば、梅干しと薬味をたっぷり加えただし茶漬け風とか、

みそとしょうがを加えた冷や汁とか、

ニラたっぷりのピリ辛麺とか。

こんな感じで、結構楽しめるのです。

というわけでこれから夏の間は、食欲が出るオイルサーディンメニューをご紹介していきます。まずは梅干しと薬味を加えただけのだし茶漬けから。そもそもお茶漬けなのでポイントも何もないのですが、しいて言えば薬味の準備ぐらい。今回は、薬味を数種類刻んで混ぜておく薬味ミックスを、少し詳しく解説します。この薬味ミックス、夏場に最高に活躍してくれます。

では、オイルサーディンを使ってパパッと作っていきましょう。

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本日のメニュー「イワシ梅だし茶漬け」

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