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値段を聞くたび笑う外国人のお客様

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最近、林伸次にお店に来る外国からのお客様が、ワインの値段を聞くたびに笑い出すことがあるんだとか。なぜ彼らは笑うのでしょうか。そして、そのことがから今の日本人が考えるべきこととは?

反省しなければいけない過去の日本人

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

先日、海外からのお客さまが、「フルボディの赤ワインをボトルで何か」と注文されました。お席に数本もっていき、「こちらがボルドーのオーメドックで、6600円。こちらが南フランスの◯◯で△△円で……」って説明していると、僕が値段を言うたびに笑うんです。

お気づきかと思いますが、今、日本の飲食店が、日本を旅行中の外国人にとっては安すぎるんです。もう安すぎて、ついつい笑っちゃったというわけです。まだ日本の景気が良かった頃、僕たちも物価が安い国に行って、「えええ! これだけ食べて500円!?」「安ー!!」みたいに大騒ぎしたことがありましたよね。あれと同じ感覚で、「ボルドーが6600円って!!」って感じで、ついつい笑っちゃうんだと思います。

この話を、bar bossa常連のお客さまにしたところ、「いやほんと、自分たちも海外で安い安いって笑ってた。あのとき、安いって思っているのに値切ったりしていたよね。ほんと反省しなきゃ」って仰いました。

そう言われてみれば、僕にもそういう経験があります。30年くらい前にブラジルに2ヶ月滞在したことがあるのですが、当時ブラジルの物価って、日本の半分くらいだったんです。安いなあって支払うたびに感じていたのに、ある市場みたいなところで、もしかしてぼったくられているのかもって思って、値切って値切って、100円くらい安くしてもらったことがありました。

今僕のお店で、「日本安ーい! ボルドーワインが6600円って安すぎー!」って思っているらしい外国からのお客様が、「そのワイン、あと300円安くしてくれない?」って言ってくることを想像すると、なんだか腹が立ってしまいそうです。本当に僕も反省しなければいけません。

チップとノブレスオブリージュ

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