ネパール山行記録 vol.4
最終日。
ありがたいことに、今回の目的地だったマルディヒマールベースキャンプで天気に恵まれ大満足。
やり切った気持ちの私は、この後まだ6時間下ることなんて他人事のように ゆっくりと山小屋の庭で朝ごはん
右膝の痛みは昨日より気持ち回復した気がする。
ブバンさんに、今日は自分でザックを背負うと伝えた。
この山小屋の近くにブバンさんのトレッキングポールを預けていたらしく 取りに行ってくれて貸してくれた。
今はシディンという標高1880mの村にいて、今日はここからルワンという村まで下る。
そこからはローカルバスでポカラの町に行く予定だ。
シディンからルワンまでもjeepで行けるのだが ブバンさんが歩いて行こうと。
うん、私もそうしたい。
よし、最終日スタートだ。
天気は晴れ
標高も下がり、歩き始めると暑いくらいだ。
昨日までは足元は雪で ダウンにレインコートも着ていたのに、なんだか季節が一気に変わったみたい
今日の道は比較的平らなので歩きやすい。
よかった! 昨日の倍のスピードで歩ける
黙々と歩き カーブを曲がったらブバンさんが口笛を吹いて、タバコを吸って座ってた。
ここで休憩しようと。
カンカンと何かを打つ音が聞こえてくる
近くで何か 作っている音がする。
ここでは建築も草刈りも稲刈りも 全て手作業だそうだ。
機械の音は一切しない
カンカンと響く音と カランカランと鳴る きっとどこかにいるロバの鐘の音を聞きながら棚田を眺めていたら、すごい数の山羊たちが…!
再び出発。
小さな村を抜け 再び棚田から棚田へ
棚田の間の階段はそれなりに急で、ポールのおかげで右膝を支え なんとか下りられた。
石段の細道の先に、コンクリートの道が見えた。
わ、カラフルなバス!
ブバンさんにバス!と言うと どうやらこのバスでポカラに戻るらしい。
ということは、ここがゴール
まだまだかと思っていたので、あっという間に山行が終わった。
ブバンさんとハイタッチ!ありがとう。
無事、下ることができました。
バスの出発時刻まで、近くの食堂で昼ごはん
また、犬がやってきた。みんな、ブバンさんがビスケット持ってるって知ってるのかな。
ブバンさんは、もうビスケットはないよって言う
もうすぐバスが出発しそうだからと、バスのすぐ近くの商店の前で待つことに。
また、犬たちが来た
バスが来た。
ポカラの町まではここから1時間くらい
ルワンの村を窓から眺める
よく歩いたなぁ。
雨が降ってきた。
ローカルなバスは特にバス停などなさそうで
人がいれば停まって 降りる時はバンバンと壁を叩いて知らせる
数分行くごとに、停車した
途中、遠くの方の川沿いで炎が上がっているのが見えた
ブバンさんが、人が死んだと言っていた。
火葬場だけでなく ヒンドゥー教の方の暮らしの中にあるんだ
川を見つめながら だんだんと透明だった川が濁ってきて 町に近付いている気がした
途中、小さなバンに乗り換えた
また少し歩いて、もう一台乗り継いだ
3台?と聞く私に、行きしも3台だったよ、あかりは寝てたからね と笑うブバンさん
たしかに、行きしも3台だった。
そうだ、カトマンズからポカラへの渋滞で15時間に渡る移動に疲れ 登山口まで私はずっと寝てたんだった。
ブバンさんに最初からお世話になりっぱなしだなぁ。
ポカラの町に着いた。
湖がある町だ
ブバンさんと、夜ご飯を食べてお別れすることになった。
食堂を出た帰り道
ブバンさんがちょっと待ってて と、ビールを一本買ってくれて
道端の椅子に誰かが演奏してたであろうギターが置いてあって、ちょっと借りるね、と 山の曲を一曲演奏して歌ってくれた。
何度も山でブバンさんが口ずさんでた歌
この曲を聞くと思い出すんだろうなぁ。
ブバンさんが thank you とギターに言って そっと置いた
濃い、4日間が終わった。
沢山ありがとう ブバンさん。
私はきっとまた、来るだろうな
すっかりネパールの山に魅了されてしまった。
そして、長野の山にも帰ったら登ろうと
いつも見ていた山や共に山を歩いた友人が恋しくなった。
2023.5.4〜5.7 ネパール山行記録