辞めれりゃ苦労しねえって話
「もういい歳なんだからアイドル追うのなんてやめなさい!」
そう母さんに本気(と書いてマジと読む)でブチ切れられたのは数ヶ月前のことです。
いい歳って何なんだよ、Myojoを買うのでさえ精一杯でファンクラブにも入れなかった頃の私が、今となってはブラック職場で心を擦り減らしながらも自担のために稼いでるんだぞ。
正直言って、私たちみたいな世代がアイドルの活動を支えてるんじゃないのか。それはおごりでしょうか。マウントってやつでしょうか(別に茶の間オタクを否定するつもりはない)。
物心がついたときから私はセーラームーンが大好きで、将来の夢はタキシード仮面のお嫁さん。その頃は母さんも「まもちゃんのお嫁さんになれたらいいね」なんて言ってたじゃないか。
ちなみに同担のうさぎちゃんのことはあんまりよく思ってなかった記憶がある。まもちゃんとうさぎちゃんの距離が近付く度にハンカチをギーッと噛み締めたくなるような、そんな感情。恋愛の愛しさと切なさと心強さを教えてくれたのはセーラームーンでした。
そんな私は根っからの同担拒否系夢女という最悪のオタクとして、すくすくと育ちました。もちろん小中高は超隠キャ。大学から普通の隠キャになりました。
長いことオタクをやっていると生理周期みたいな感じで、「あっ今ならオタク辞められるかも」って思う時期がくる。でも何をきっかけに結局はまた火が点いて、「やっぱり推し続けたい」ってなるんだよね。
そのきっかけって、新譜リリースとか、歌番組やバラエティ番組の出演とか、そういうでっかいタイミングじゃなくて、とりあえずチェックのために立ち読みしたドル誌での推しの小さなワンカットがめちゃくちゃ好きな表情をしてたからとか、そんな些細なこと。
「こんなに可愛い顔で笑う彼を手放せるはずがない」そんな錯覚に陥るのだ。このタイミングで立ち読みしたのって運命ですか?推しが私を呼んでた?みたいな感情になる。まあべつに彼は私だけのものではないんですけど、私の世界線では私だけのものなので。
オタ卒なんて言葉、私は信じてない。卒業するのは義務教育だけでいいんじゃない?好きな時に追って、ちょっと息切れしたら休めばいいし、ただ推しは私のことなんて待ってくれないけどね。体力と財力だけは蓄えておかないと。
というわけで、私はお勤めをするようになり、自分のために使えるお金を稼げるようになってから、オタク活動は拍車をかけた。ジャニーズやべえ。なんでこの世界と、私は距離をとっていたんだろう。
そのきっかけはオタク友達にSexy ZoneのSTAGEコンに連れて行ってもらってからです。感動した。やっぱりジャニーズすげえ、やべえ。
それから、円盤やドル誌はもちろん、手に入るものはとことん集めた。するとね、新しく、「お? この子達気になるな?」っていう現象が起こるんです。まあ、その感情を生み出させるのは主にザ少年倶楽部なんですけど。
そうして、いろんなグループに手を出しては金を出す。もう、茶の間でいられなくなった私は、ジャニーズの現場にたった一人で行った。行ったこともない福岡に。キャリーバッグにうちわを詰めて。しかも自分の誕生日に。
私、一生オタクでいたいなと思った。1月のクソ寒い海沿いでグッズを買うために一時間も二時間も待った。一人で。楽しかった。孤独とか全然ない。好きな人に会うためならここまでできちゃうんだ、私!って発見。感動。私にはこんなにすごい行動力があったんだ、って、あの現場で最強のオタクだと思い込むくらいだった。
それからは3か月に1回の現場。遠征したり、地元だったり。それが毎月1回、二週に1回、とどんどん活動的になっていった。一人だったり、友達と一緒だったり、現地でフォロワーに会ったり。
特に自分でもいかれてたなと思うのが2019年。サマパラ時期が特にピークで、他の遠征や、BTSのスタジアム公演もあり(今でも鮮明に覚えているあの地獄)、週に2回、札幌から東京に通ったり、札幌から大阪に行き、新幹線で東京に行って、最終の飛行機で帰ってきて、翌日朝から仕事したり。日帰りで東京行ったこともあったし。すっげー楽しかったな。
でも、冬の現場がぱったりと無くなり、仕事しかやることの無かった私は燃え尽きたかのようにメンタル的な病気にかかってしまった。でも2020年になれば、また現場がある。現場のお知らせがいっぱい来る。大丈夫だ、年を越せばまた、活動的になれる。
それなのに、まさかこんなことになるとは思わなかったよね、新型コロナウイルス。
Snow Manのデビューがあり、まさかの札幌でもデビューイベントをやるというんだから、積むしかない。いつもはよくある3形態を揃えれば満足だったけど、これは。積んだ枚数は言わないけど、嬉しかった。あー、自分、オタクやってるなあ、って。
でも、イベントは延期。ほんとにやるのかわかんない。もう一周年になっちゃいましたね。あの面倒なコード入力をウン十枚やったというのに。公式、覚えてる???????
いやでも、SixTONESの現場あるし!オーラスだし!と思っていたら延期→再抽選→結局中止。セクゾもWESTも全部、延期やら再抽選やら何やらかんやら振り回されて結局中止。2020年、現場行ってないんですよ!?そりゃ病気は治りません。
しかも、現場がないならお金が貯まると思っていたけど、貯まらんのだ、これが。今まで現場で使えなかった分をバカにみたいにジャニショで使ったり、今まで無料もしくは1500円だった無観客配信もだんだん値上げしてくるじゃん。グッズも現場でしか買えなかったのに通販するじゃん。買うじゃん!!!?!?!?!??!使いもしないヘアゴムでさえ買うじゃん!!!!??!!!!!???????
なんか、去年よりお金使ってる気がする。デジチケを読み込んで、座席表貰って、わくわくしながら座席に向かうあの感動を、今年は一度も味わうことができていないのに、お金だけは飛んでいく。
っていうか、無観客配信ライブって、結局キャパなんてないから、やろうと思えば全ステできちゃうわけじゃないですか。一度はやってみたい全ステ。これが茶の間でできてしまう。嬉しいのやら、悲しいのやら。まあ、どちらにせよお金はかかるんだけど。
新しい生活様式、とかいうおかげで、オタクも新しいオタク生活様式になってんだよなあ。なんか、昔のオタク心を思い出してほしい。昔は振込用紙に希望公演と枚数を書いて、郵便局に行ったんだよ。ペイジーなんてない時代だ。チケットが届くと「幸せの青封筒」と舞い上がったもんだ。
今なんてもはやペイジー通り越してクレジット決済までできるようになってしまった。全部電子!デジチケってなんやねん。いつか入場も指紋認証やら顔認証みたいなシステムに変わっていって、今の若い子達が「昔は会場で座席が印刷された紙を渡されたもんだよ」と未来で語っているんだろうか。
話は戻りますけど、もうね、生まれ落ちた時から私はオタクになるって決まってたんですよ。オタクのコウノトリがうっかりオタクの世界に私を落としてしまったんですよ。そりゃいい歳になってもオタクやるしかないじゃないですか。
この話の終わりが見えない。このご時世が元に戻るまで私は同じことを延々と話続ける気がする。またあの言葉で終わりましょう。
No IDOL, No LIFE………………♡
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