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ピクセルフォントを用いてドット絵の漫画を描いてみて感じたこと
本記事は「端ドット絵Advent Calendar2024」
参加記事です
「端ドット絵Advent Calendar2024」
初めまして、そうでない方はお久しぶりです。
モノズキと申します。
昨年、端ドット絵Advent Calendar2023にて
「ピクセルフォントを用いたドット絵の漫画が描きた〜い!!!」という記事を書かせてもらい、
それから1年経って、変わらずピクセルフォントとドット絵の漫画を描き続けてみたら色々感じたことがあったので書いていこうと思います。
↑1年前に書いた記事はこちら
(こちらではピクセルフォントとドット絵の技法を用いた漫画の書き方について書いています
良かったらこちらも読んでみてね)
本文
自己紹介
改めまして
モノズキ(@monozukihurenzu)と申します。
普段はXちほー(旧Twitter)で美少女動物園の皮を被った濃厚SF「けものフレンズ」(以下けもフレ)が生き甲斐な箱推しのフレンズとして
活動しています。創作もけもフレの二次創作を
メインに取り組んでいます。
そもそもどんな漫画を描いたのか
と思う方がいるかもしれないので自慢も兼ねて
私が描いたけもフレ二次創作漫画を
いくつか紹介します。
(ここからけもフレ要素強めの話になってきます。けもフレを全く知らない興味がないって人はこの項目を読み飛ばしてください。)
「撮るぞぴかぴか!ふたりの火山冒険譚」
(全8話 完結済 大体250ページ位)
アライさんとフェネックは火山の噴火を映像に収めるためカメラを持って山に向かった。だが
一筋縄ではいかない問題が待っていて…?
という話です。
この作品が長編処女作で話が完結した時には
脳汁が止まりませんでした。BOOTHで販売もしているのでPixivFactoryでドット絵を製本したらどんな感じになるかとか興味のある人は手に取ってみてください。
結構高いです。
ヘッダーの気合いの入った見開きページも
この漫画に入っています。
あの見開き描くのに3日くらいかかりました。
「燃やせよ闘魂!開催!ジャパリプロレス!」
(2024年12月時点で全1話、16ページ)
平和なジャパリパークで突如プロレスの試合が開催されることになった!ちからくらべ大好きなオオカワウソは名乗りをあげるが主催の
ディアトリマには何か思惑があるようで…?
というお話です。
この話の参考にするためにYouTubeでプロレスの動画を観るようにしているんですが、初代タイガーマスクがカッコよすぎると私の中でちょっとしたマイブームになっています(脱線)
ドット絵で漫画描いたら
ドット絵画力が超上がった件について
結論から言いますが、漫画を描いたら画力が上がります。まず、漫画を描こうと思うと、1ページの中のコマひとつひとつに絵を描くことになります。その際同じ構図ばかりであったり、背景がなくキャラクターの似たようなポーズの絵ばかりだとマンネリを引き起こし、読み手が飽きやすくなるほか、話がいまどういう場面なのかをを上手く伝えられない事があります。ですので読み手に伝わりやすくするために、状況に合わせた構図でキャラクターや背景を描く必要があるのです。
このため、様々な構図に挑戦し、描きあげる事で、結果的に画力が上がっていくのです。
でも構図っていってもどんなのがあるんだよ?
という方に向けていくつか紹介します。
例を挙げるなら
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一番オーソドックスで使いやすい構図。
キャラクターがその場所に立っていること、何かを持っていることをさりげなく表現出来ます。
また背景を描くことでそのキャラの背後で何が起こっているかを伝えることが出来ます。
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↑遠景の構図は全体図を表現しやすいため、
キャラクターが今どこにいるか、キャラクター
同士の距離感などを示す時に便利です。
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何かを持っている。何かの作業をしている。
手を使った何かしらの動作をしている
(手を挙げるなど)事を表現するのに便利です。
また、特定の方向を指差すように描けば、読み手に対する視線誘導としての効果も期待できます。
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手があれば当然足もあります。
歩いている、歩みを止める。蹴る。などの
足を用いた描写を表現する時に便利です。
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背景のドット絵です。
常に白背景ではキャラクターがどんな場所にいるかが伝わりにくいのでたまに背景を用意できると🙆♀️です。
しかし、キャラクターが何処にいるかが伝わっており、変化がない場合↑のような背景のみのコマは効果が薄いので、背景のみのコマを描く場合には場面が変化した。または何か背景に意味を持たせる事を意識してください。
(↑のコマは森を進んでいたが、道が別れている、という事を表現する為のコマになっています。)

見開きであるため、読み手に強い印象を与えることが出来ます。ここぞ!という
漫画の見せ場で活用しましょう。大きい分大変ではありますが、それだけ完成した時には達成感を感じられるはずです。
上で紹介したように、構図や描くものを都度変える事で、読み手に伝わりやすい漫画を描くことができます。
と、このままでは普通の漫画描きの話になって
しまうので、ここからはドット絵の話をします。
ペンやペイントツールで描く漫画と違い、ドット絵の場合はピクセル数の制限があるため、普通の漫画のようにはいきません。見開きページや1ページまるまる使った大コマには大きなピクセルでのびのび描ける場合もありますが、小さなコマの場合は32×32ピクセルや16×16ピクセルといった少ないピクセル数でそれらの構図を描かないといけない場合もあります。
またピクセルフォントを用いた場合、ピクセルフォントには字の大きさが読みやすさに直結するため、読みやすくすると漫画のスペースを文字で圧迫してしまうという弱点があります。
そのため、ドット絵で漫画を描く場合文字を極力使わず、絵のみで状況を説明する事が求められます。上で構図を練り、状況を説明することに拘っていたのはこのためです。
つまりはなにがいいたいかというと、
ドット絵とピクセルフォントを
用いて漫画を描くということは、
ドット絵の練習にぴったり!!
そして画力が上がる!!!
というわけです。ドット絵で漫画を描くと
様々なピクセル数のドット絵、また様々な構図のドット絵を描くことになり結果画力が爆上がりします。ソースは私。
私も、ドット絵で漫画を描きあげてからというもの、画力が爆上がりした彼氏までできて人生バラ色です!(20代 Mさん)
漫画描く時
別にドット絵に拘ることが
個性にはなれど作品の評価に
直結する訳ではないんだなあという気づき
ここからはドット絵で漫画を描いたからSNSに投稿してみた!時の話をします。
のでSNSに興味のない方は読み飛ばすことを
お勧めします。
結論から言いますが、ドット絵という個性溢れる画風の、こだわりのピクセルフォントで漫画を描いた!これは評価される!という事は基本ありません。
し、実際Xに投稿された拘りMAXの私のドット絵漫画「撮るぞぴかぴか!ふたりの火山冒険譚!」(以下撮るぞぴかぴか!)は1話目のみそこそこ伸びましたが、2話目以降は落ち目、各話20~80位のいいね数を保持したまま最終回まで突き抜けて行きました。
(作品にコメントくれた方、まじで嬉しかったです。本当にありがとうございました。)
(けもフレという作品の二次創作であることも伸び悩んだ理由の一つではあるのですが今回はドット絵という表現技法に搾って話していきたいと思います。)
さて、
ドット絵を描く事が大好きでSNSをされている聡明な皆様ならもう既にお気づきの事だと思いますが、
嬉しい事にドット絵という画法は既に表現技法として地位を確立している…!
まあ本当に嬉しい事なんですが、今やドット絵は昔のゲームのグラフィック専用の表現、言わば過去の異物、などという扱いではなく、立派な表現技法のひとつであり、日々色々な方がドット絵の制作に勤しんでいることは上記のアドベントカレンダーを見て頂ければわかると思います。
つまり、ドット絵である事は現在ある程度の個性にこそなるがその個性だけで評価されるってほどSNSと漫画の世界は甘くないぞ!!!
という話です。
大事な事なので2回言いました。
あと、ドット絵漫画は個性だと言いましたがSNSで評価されるのが目的ならドット絵という形式に対しての過剰な拘りは不要だと思います。私は漫画を描く時はピクセルフォントも全て手打ちで打ち込んでいますが、あくまで私がその方がしっかりドット絵してる気がして自分の漫画を好きになれるからそうしているだけであって、ネットからピクセルフォントのフリーフォントを拾ってきて上から合成しても大衆的にはドット絵と判断されるはずです。私はそういうのをドット絵とは認めたくないしそれをドット絵って言われるとうーん…ってなるけどそう思わない人が大半だよね。
てゆーか、私ってドット絵警察?
ドット絵で漫画を描きました!といってSNSに投稿した際、ドット絵が正確であるか、をいいねを押す押さないの基準にしてる人って思ったより少ないんだっていうのが実際にドット絵漫画描いてSNSに投稿してみた私の気づきです。
いいものなら評価されるという
ナイーブな考え方は捨てろ、というやつですね。
ではSNSにおいて漫画を読んだ時、いいね!を押す押さないの基準になっているものはなんだ…?
という話を次の項目でしたいと思います。
話を作る。という楽しみ方が増える幸せ。
SNSで漫画が評価される基準とは何か!
それはずばり、絵ではなく、話の質!
漫画を読む時、読み手は絵ではなく物語を読みに来ているのです。例えば絵が下手であろうと話の面白い漫画はいい作品だと思いますし、逆に絵がすごく上手くとも話を作るのが下手ではよく分からない話だったな、と一蹴されてしまうものです。
私がこれに気づいたのは「撮るぞぴかぴか!」が完結した時でした。読み返してみると「撮るぞぴかぴか!」は話の作り方がイマイチだったから次の話を作る時はしっかり話を考えてから取り掛かろうと思いました。その結果…
話作るのクソ楽しい!!!!
という事に気づいてしまったのです。
漫画を描く時初めに「話を作る」をしますが、
絵にも「物語性を持たせる」という要素があります。キャラクターがどの方向を向いている。何をしている。どのような場所であるかで、見る側に絵の世界観を想像させるものです。
所謂「エモい」というやつですね。
背景をよく描き込まれたドット絵はこういう要素は強く、大好きです。
しかし、漫画は1枚絵の100倍くらい物語性を持たせることが出来ます!私の主観ですがこれはマジです。あなたも一度好きなキャラクターで二次創作を作ってみてください。きっとこの沼から抜け出せなくなります。
私は話作りの楽しさに気づいた事でSNSのいいね中毒から脱却出来ました
あとがき
ピクセルフォントとドット絵の漫画を描いていて気付いたことを思うまま書かせてもらいました。
あと1年描き続けたらまた違う事に気づける気がします。また来年もドット絵アドベントカレンダーあったら参加したいなあ!
みんなもドット絵漫画、描こう!