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#03 競争を手放して成功をつかむ方法

編集担当した堀越です

「戦わない戦略」――皆さんは、どんな戦略を思い浮かべますか?

世の中には「競争」や「勝ち負け」にこだわる企業が多い中、MONOVATEは少し違った視点を大切にしています。67年にわたり赤字を出さずに歩んできた背景には、独自の哲学と戦略がありました。

今回は、その「戦わない戦略」に込められた考え方と、それがMONOVATEでどう実践されているのかを、社長自らが語ります。

それでは、どうぞお楽しみください。



前回の話 #2

「そこそこ」の概念で生き抜く

大山です。

前回、「そこそこ」の概念についてお話しました。

しかし、そんなこと(「そこそこ」の概念)で、会社って、仕事って、利益を出して生き残っていけるのか?という疑問が思い浮かぶのは無理もありません。

今回はそんな「そこそこ」の概念を持ちながら、どうやって、MONOVATEが67年もの間(日東金属時代より)、「赤字なし」で経営してこれたか、その戦略をお伝えしたいと思います。

そもそも私がお話する、「そこそこ」とか「適当」というのは実はとても「生産性が高い」戦略です。
多くの人は、「最高」「究極」「こだわり」などがお好きなようですが、完璧を求める姿勢は全く効率的ではありません。
「俺なりのこだわりっつうの」
という人がいたら速やかに距離をとることをオススメしています。

テンピン理論:お客様のストライクを的確に捉える

大事なのは、「お客様にとって」のストライクの部分をとらえること(これをテンピン理論と呼んでいます)。
それ以外はある程度、適当でいい、ということです。
これがわからない人は一生仕事に追われることになるのでよく覚えておきましょう。
ほとんどの場合、こだわり、とは自分のためであって、仕事(仕事は人のためにするものです)とは関係がない。

67年赤字なし経営を支える「差異性」戦略

しかし、生産性だけで利益を67年間も上げ続けることはできません。

企業が利益を上げ続ける秘訣は実は一つしかありません。
それは「差異性(違い)」です。

ガソリンスタンドを例にあげてみましょう。

ガソリンスタンドを選ぶ際の決め手とはなんでしょうか?
それは「価格(安さ)」と「ロケーション」しかありません。
リッター160円とリッター170円のスタンドが並んでいた場合、170円のスタンドを選ぶ人はまずいないでしょう。
また、東京に住んでいる人が、茨城県のスタンドがリッター150円だから、毎回そこに入れに行く、ということもおこりません。
消費者は、価格とロケーションという、ほぼ「運命的・決定的」な違いでしかスタンドを選ぶ理由がありません。
なかなか厳しそうなビジネスモデルですね。
自らは違いをつくることができない。

ニッチ市場で唯一無二の存在に

MONOVATEは、「液体・粉体・スラリー(どろどろしたもの)を扱う産業の現場」をターゲットとし、そこでの課題を解決することを自分たちのビジネスと定義しています。
サイズも数リットル~数百リットルと限定していますので、市場規模としてはあまり大きくありません。
いわゆるニッチ(すきま)市場というやつです。
お客様の課題を日々解決していく中で、新製品・サービスを開発し続けています。
しかし客層は幅広く、近くのはちみつ屋さんからアメリカの大手製薬研究所まで、です。

ニッチな市場で、オンリーワンの製品を提供し続ける。
というのが我々のビジネスモデルです。

「戦わない戦略」で目指す唯一の存在

どうでしょうか?なんとなくMONOVATEって「差異性」に優れた会社だと思いませんか?

人ができないことをやる。人がこない場所(市場)に行く。これは言い換えると、「みんながやることはやらない」ということです。

なんとなく、私が最初のnoteで語った「天邪鬼(あまのじゃく)」という性格に当てはまらないでしょうか。

みんながやることはやらない=戦わない
です。

MONOVATEの戦略は「戦わない戦略」

勝ち負けとか、しんどいし。

世界一になりたいのではない。
世界唯一になりたい。

ではまた。