
スマホも自動車も、金型なしではつくれない!?
毎日使うスマホの部品。どのようにつくられているか、知っていますか?
実は、ほとんどの工業製品は「金型(かながた)」と呼ばれる工具を使って大量生産されています。スマホのボディやノートパソコンのキーボード、自動車のドアパネルなど、身の回りの製品の多くは金型によって形づくられているのです。
では、金型とはどのようなものなのでしょうか?
金型とは?
金型とは、材料を決まった形に成形するための「型(かた)」のこと。
お菓子づくりのクッキー型をイメージするとわかりやすいでしょう。
例えば、スマホのプラスチックボディをつくる場合、溶かした樹脂を金型に流し込み、冷やして固めることで、同じ形のものを大量につくることができます。
この技術により、精密な部品を高い品質でつくることが可能になるのです。
金型の種類

金型には用途に応じたさまざまな種類があります。
それぞれの金型が、ものづくりの現場で重要な役割を果たしています。
プレス金型
金属板を強い力でプレスして、目的の形に加工する金型射出成形金型
溶かした樹脂を金型に流し込み、冷やして固めることで成形する金型ダイカスト金型
金属を高温で溶かし、金型に流し込んで成形する金型ゴム・シリコン成形金型
柔らかい素材を成形するための金型
金型が使われる製品
金型は、あらゆる製造業で活躍しています。
具体的な製品例を見てみましょう。
スマホや電化製品
スマホのボディ、内部の電子部品の基板など、多くのパーツが金型を使ってつくられています。デザイン性の高い電化製品も、精密な金型技術なしでは成り立ちません。
自動車のボディやエンジン部品
ドア、ボンネット、エンジン内部の金属部品などは、プレス金型やダイカスト金型を使って製造されます。軽量化や強度の向上を実現するため、金型技術の進化が欠かせません。
ペットボトルや食品容器
コンビニやスーパーで見かけるペットボトルや食品トレイも、金型を使って成形されています。ペットボトルのネジ部分や均一な形状は、金型の精度によるものです。
金型のすごさとは?

金型の最大の特長は、同じ形状の製品を高精度かつ大量に生産できること。また、製品のデザインや機能性を決定づける重要な役割も担っています。
例えば、スマホのデザインが進化するたびに、それに対応した新しい金型が必要になります。滑らかなカーブや極薄ボディを実現するためには、金型の精度が求められます。
近年では、3Dプリンタと組み合わせることで、より複雑な形状の金型を製作する技術も発展。これにより、これまで難しかったデザインや構造のパーツも製造できるようになっています。
もっと詳しく知りたいなら - はじめの工作機械
ものづくりに関わるなら、金型の知識は必須。製造業において、金型はなくてはならない存在です。
工場見学やインターンの機会があれば、ぜひ金型を意識して見てみましょう。スマホやPCのデザインがどのように実現されているのか、より深く理解できるはずです。
もし興味が湧いたら、はじめの工作機械でも詳しく解説しているので、のぞいてみてください!