【React + TS徹底フォーカス:TypeScriptマスター with React】(三好アキ著)
はじめに
本書のねらい
2020年ごろまで、TypeScriptはオプション的なスキル、いわば「知っていたらベター」という扱いでしたが、近年ではフロントエンド・エンジニアならば知っておかなければならない必須スキルとなりました。これはReact開発において特に顕著で、企業案件や商業目的のReactアプリはTypeScriptで書くのが今はデフォルトになっています。
TypeScriptだけ、あるいはReactだけにフォーカスした書籍はいくつもありますが、本書では特に「TypeScriptをReactで使う」という点に重点を置いています。TypeScriptの機能の中には、「Reactでよく使うもの」と「Reactではほとんど使わないもの」があるからです。
これまでJavaScriptでしかReactを書いたことのなかったビギナーの方でも、TypeScriptの基礎から発展的内容まで幅広くカバーしている本書を使えば、自信をもってTypeScriptでReactアプリを開発できるようになれるでしょう。
本書の対象読者
本書を読む上でTypeScriptの知識や経験は必要ありません。Reactの深い知識や高度なスキルも必要ありません。しかし、Reactアプリを少なくとも数回は作ったことのある人が本書の対象としている読者です。具体的な知識としては以下のものになります。
• Reactアプリの構造
• state
• props
• イベント
• APIからのデータ取得
• レンダリング
• コンポーネント/function
最後の「コンポーネント/function」は非常に重要なので、次章で簡単に復習します。上記のReactの知識に自信のない人や、React自体の理解をもっと深めたい人は、JavaScriptの基礎の基礎からReactの発展的内容までカバーした拙著「Reactマスター Zero To Hero」を参考にしてください。
https://note.com/monotein/n/nc8a5768fcc27
本書の構成
第1章では、TypeScriptが使われる理由や特徴、そしてビギナーがTypeScriptをむずかしく感じる理由を紹介します。章の後半は、Reactコンポーネントとfunctionの記法についての復習です。
第2章ではシンプルなReactアプリをTypeScriptで開発します。
第3章はコラム的な短い章です。TypeScriptだけにフォーカスして、TypeScriptのベーシックな事項を紹介します。
第4章では、2つ目のReact + TypeScriptアプリを開発します。難易度は第2章よりも上がっており、やや高度なTypeScriptのテクニックについても解説しています。
最後の第5章では、それまでにカバーできなかった事項を紹介します。
本書のメインは第2章と第4章です。この2つの章では実際にアプリ開発をしながら、React + TypeScriptの基礎から発展的内容までを解説していきます。
なお、TypeScriptだけを扱う章(第3章)が、React + TypeScriptの2つを扱う章(第2章)よりも後ろに置かれていることには理由があります。本書を読む読者の目標は、「TypeScriptだけを使って開発したい」ではなく「TypeScriptとReactを使って開発したい」という点にあると思います。「React + TypeScript」という目標地点の高さを先に確認しておけば、それが思っていたほどは高くはないことに気がつけ、その道のりの途中にある「TypeScript」にも心に余裕を持った状態でアプローチできるでしょう。
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