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志村けんの木、私の白木蓮

志村けんさんが、お無くになられた。テレビで、多分何回は観てたけど、彼について詳しくはなく、ただ初主演作のはずだった映画が、間も無くクランクインする予定だった。菅田将暉とのダブル主演。山田洋次監督の、松竹100周年記念作品、’キネマの神’。菅田のラジオを聞いてその悲しみを尚更知らされる。私は、映画一本でも、ほんの少しの共通点でも、すぐ感情移入しちゃう人間で、その切なさが、なぜかよくわかる気がする。咲かずに散る花、見つからず消えていく夕日、そして作業は終わったものの、何らかの理由でまだ出版の目処が立たないままの私の本。

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いつの間にか四月に入り、新しい季節が始まるべきのこの街に、私は今日も、昨日も、明日も、また明後日も、多分二千歩ぐらい歩いて、ゴミを捨て、タバコを吸い、家の周りをぐるぐるするだろう。コロナのせいか、私の怠けさのせいか、もう分からなくなる。東村山には、’志村けんの木’があるらしいんだけど、これからその木は、きっと違う意味をもたらしてくれるだろう。志村さんは多分、そういう映画みたいなラストシーンをここに残してくれたと思った。ただ、そう思いたいから。

昨日、家でゴロゴロしながら、マークジェイコブスのインタビューなんか読んで、やはり成功したゲイデザイナーはみんな瞑想をするのかなとか考えたり、彼には’夫’がいるんだとか羨ましく思ったりして、昨日はやったことが本当それぐらいしかないんだけど、また感情移入なんかしちゃって、彼の言葉を借り、言い訳をしてみる。

”現実以外のものにとり付かれて恐れを抱くこともなければ、「未来はすべてよくなる」みたいな風にも考えない。”

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そして、コロナが始まってもう三ヶ月、どの季節もそれ以上は続かない!!



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