自宅スタジオのモニター環境を改善してみた
昨年末(2023年)にメインモニターをIK MULTIMEDIA iLoud Precision MTMに、今年(2024年)5月にスモールモニターをYAMAHA HS3に入れ替え、仕事に実践投入しながら気になるところを細々と調整してきたことは、既に投稿したそれぞれの記事に書いてきましたが、今回は置き方を変えるなどして最終的な調整を行いました。
◉HS3を横置きに!
導入時から縦置きで使っていたHS3を横置きに変えました。理由は、スピーカー自体を耳の方向に向くようにすると、どうしても高さを上げなければならず、奥側に置いているメインスピーカーからの出音を多少なりとも遮ってしまってるような気がしたので。
これを横置きにするとともに、高さを稼ぐために導入当初から使っていたウレタンパッドの下にレンガブロックを置いて高さを稼ぎつつ、百均で買ったドアストッパーなどを使って仰角の調整を行いました。
ツィーターは外側にして設置。スピーカー間の距離や内振りの角度は耳で聴きながら何度か変更。これが結構大変で、メインスピーカーのスウィートスポットと同じ位置で正しく聴けるように何度も微調整しました。最終的には縦置き時よりも間隔は広く、内振り角も少し大きめになりました。
同時に、本体背面の補正用EQの設定も見直し。これもものすごく悩みましたが、いろいろなソースの再生やメインモニターとの聴き比べなどを数日にわたって行った結果、「HIGH TRIM」が0dB、「ROOM CONTROL」が-2dBに落ち着きました。ほんのちょっと中低域に膨らみを感じますが、許容範囲ですかね。とにかく、声の質感や音像の大きさを損なわないことを一番に考えました。
結果、以前よりも広がり感と奥行き感が確実に向上しました!もともと定位感の良いスピーカーだとは思ってましたが、そこに奥行き感もプラスされて、より立体的な出音になりましたね。縦置き時は中低域の膨らみが大きかったので背面EQでガッツリ削ってましたが、スピーカー間隔を広げたことによりその辺りが緩和されたので、一段引き上げることができました。周波数バランス的にはフラット寄りではあるけれど、中低域の存在感が少し強めなので、センター定位の声なんかが少し太めで前に出てくるような感じ。これはこれで声のモニターがしやすく、メインモニターとは違うキャラのサブモニターとして充分な働きをしてくれます!
◉iLoud Precision MTMの高さを下げる!
次に手をつけたのが、メインモニターの高さ調整。導入当初からスモールモニターを3インチクラスのものに入れ替えるつもりだったので、それを見越してインシュレーターには高さを稼げるIsoAcoustics Apertaを充てがってました。けど、実はこれだとリスニングポイントよりもやや高めになってしまい、センター定位の声などがスピーカーよりも高い位置に定位してしまうという問題出てしまって……。これはスピーカーを設置してる部屋の形状なども影響してるかもしれません。なので、できれば耳と並行の高さに設置したいなと思ってたので実行した感じです。
実は、前述のHS3を横置きにしたのは、このためでもあったのです。で、入れ替えに使用したのはiLoudに付属していた純正のインシュレーター。
素材は金属とゴム系でしょうか?今回、初めて箱を空けましたが(笑)、思ったよりもしっかりとした代物でした。というワケで、早速リプレース。
これでちょうど耳の高さにユニットが来ることになり、気になってた定位のズレ感もバッチリ解消されて、ちゃんとスピーカーの間にセンター定位が来るように♪
ちなみに、IK MULTIMEDIAの売りでもある音響補正機能、ARCも測定し直しました。本機内臓のARCは、各スピーカーごとにリスニングポイント付近の指定された4ヵ所を1回ずつ測定するのですが、これをど真ん中1ヵ所を4回測定した方が精度が良いという情報を目にしたので試してみました(マイクを4ヵ所にセッティングし直すのが面倒だったというのはここだけの話w)。結果、問題なく補正されました。測定結果のグラフはスクショ撮ってないですが、パッと見はほぼ同じ感じでした。
最終的な出音ですが、以前よりも定位感が改善されたのは前述の通り。目の前にボーカルやダイアログがバシッと実体感を持って定位するので、とても気持ちがいい!!
◉まとめ
これにて今回の調整は終了。現状でもっとも納得できるモニター環境になりました♪
それにしても、HS3はレンジは広くないけど、定位感がいい上に立体感もあって、音楽はもちろん、映画やドラマ、アニメなんかを見ても声が聴き取りやすいし、BGMやSEが立体的に展開されるのにはビックリしますね!オーディオ的にすごく良い音かと言われると全然そんなことはないんですが💦、僕がサブモニターに求めている要素をすべて満たしてくれているのでまったく不満はありません。
これをiLoud Precision MTMに切り替えると、もう別次元ですね🤣情報量、レンジ感、音像、音場、すべてにおいて段違いです。僕はシネアド(映画館で流すCM)のMAも手がけたりするので、サブウーファーなしでここまで超低域を再生してくれるのはホントに助かります!まぁサイズも違うし、価格も10倍以上の差があるので当たり前ではありますが。
とにかく、音楽制作でもMAでも、まずはこのメインモニターを83dB-Cで作業して、ミックスの段階でスモールの方に切り替えて、より小音量でチェックして、またメインに戻って……というのが僕の使い方。今回の再調整で、より精度の高い仕事ができるようになったと思います♪
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