JVC HA-MX10-B ※2020.02.09追記あり
今回はモニターヘッドフォンのJVC HA-MX10-Bをご紹介。ビクタースタジオのラージモニター(GENELEC)をリファレンスとして開発されたという、正真正銘のスタジオモデルです。
発売は2011年2月なので、発売からもう8年(2019年1/31現在)!僕は発売と同時に買ったので、おそらく最初期のロットです。買った当初、ボーカル録音時のモニターに使ったところ、口の開閉に合わせてスイベル部分がギシギシと軋み音を発してしまい、「スタジオモデルでこの不具合ってどういうことよ?」と思ったんですが、メーカーに報告したら「改良したいので、是非現物を送ってください!」と言われ、スイベル部分に緩衝材的な何かを入れられて(恐らくですが…)返ってきました。こういう迅速かつ丁寧な対応は業務機として安心できますね。その後の製品開発に活かされてるといいな。ちなみに装着感は、側圧はあまり強くないので耳たぶが痛くなることはあまりないかと。それよりもヘッドバンドで頭頂部が痛くなることの方が多いかもです。まぁそこまで長時間ヘッドフォンを使うことも稀なので(基本的に音の作業はスピーカーでするため)、そんなに気にしてないですが(笑)。
さて、肝心の音について。フラット傾向のスタジオモニター然とした鳴りなんですが、中域に若干のキャラがあって、そのお陰で声の聴き取りやすさが抜群に良いです!日本の音楽スタジオで標準となっているSONY MDR-900STと比べると、本機の方が高域の鳴り方が自然で、耳が痛いと感じることはありません。解像度も十分に高く、細かい音までよく聴き取れます。低域の量感は900STよりも僅かにスッキリしてる気がするけど、演奏時のモニターとしてはまったく不足はないです。過多な低音は上の帯域をマスキングしてしまって音程が取りにくくなったりするので。総じて900STよりもバランスが良く、現代的なスタジオモニターだと思います。まぁ900STが業界標準の音なのは間違いないので、ミュージシャンやエンジニアを目指すならその音を知っておいて損はないですけどね。僕は他にもいくつかヘッドフォンを持っていますが(今後紹介予定)、自宅スタジオでのマイク録音やシンセの音作り、オーバーダブ、外部ホールでの楽器録音、MA仕事でのノイズチェックや声のエディットなどで本機を重用してます。とは言っても、もう少しレンジが広くてもいいかな・・・と思う人もいるでしょう。そういった場合は、後発のHA-MX100-Zがオススメ!
こちらは所有してませんが、何度となく試聴した感じでは、本機の周波数レンジを上下に広げた感じで、中域の立ったキャラは健在でした。仕事の道具として信頼できる逸品ですね。もし買い替えるなら筆頭候補となること間違いなし!
ここ数年はヘッドフォンに限らず、こういった製品は「ハイレゾ対応かどうか」ってのを気にする方も多くいらっしゃるとは思うんですが、正直どうでもいいですね、そんなことは(笑)。結局は出音がすべて!実際、5万、10万するような高級機でもハイレゾを意識しすぎて不自然にハイ上がりでバランス悪いなと思う製品も多々見受けられます。一方で「20Hz〜20kHz」でも周波数バランスが良くて即仕事に使えそうなもの結構ありますね。ヘッドフォンやスピーカーを購入するときは、スペックに惑わされず、実際の音で判断することを強くオススメします!!
2020.02.09 追記
長年の使用でヘッドバンドの合皮がボロボロになってきてしまったので、応急処置としてパーマセルで補修しました。その結果、補修テープに引っ張らて側圧が強くなり、スッキリ気味だった低域が少し量感を増して好みのバランスに!!他のヘッドフォンに買い替えようかとも思ってたんですが、もうしばらくはメインのヘッドフォンとして働いてもらいます(笑)