産休と34週以上働きたかった女の反省
体調や経過は千差万別である。人によっては妊娠後期も動けないほど体調が悪くなったり気分が落ち込むこともあるという。産休取得ギリギリまで元気だった私は超ラッキーだった。
そんな体調に恵まれた私は「34週いっぱいまで、なんなら超えてタイミーで仕事振ってくださいよガハハ!」と豪語していたが、35週目の現在、この産休をありがたく、本当にありがたく享受している。
私のように産前休業を舐めている人たちはそこまで多くないと思うが、後学のために私の浅はかさと経緯を記す。
産休開始日の決定
妊娠したら出産予定日の42日前から産前休業を取得しなければならない。
おおよその日本人がそうであるように、特に理由がなければ有休取得をしてこなかった私はこの産前休業制度に戸惑っていた。
夏頃、妊娠報告と手続きをした後に「じゃあいつからお休みを取るかは部署内で相談して決めてくださいね」と人事から連絡があった。
私の出産予定日は12月末だったので42日前はおよそ11月中旬過ぎであるが、人によっては安全を見て早めにお休みを取ることも可能だという。
この頃の私の体調はかなり落ち着いており、つわりの反動もあってか食欲も働く意欲も満々だった私は法定の産休日ギリギリまで働くつもりであった。
が、上司や同僚らにやんわり止められた。
「何が起こるか分かんないし体最優先でね」
「俺らの方が気遣うから早く休み入ってくれ」
我が部署には子育て経験者が多く、そうでない人も寄り添ってくれる人がめちゃくちゃ多い。我が部署のことが大好きなのはこういうところで、だからこそもうちょっと長く働きたい!と思ってしまう。経験豊かで余裕のある環境に身を置くことの大切さ、所属していることの有り難さを感じた。
若干脱線したが、そういった意見もあって11月頭から休みを取るよう予定を仮置きし、最終的には42日と7日ほど前に産休入りとなった。
突然の虚無時間
さて、実際産休に入ってみたが直後は案の定めちゃくちゃに暇だった。
そりゃあ前日までフルタイムで出勤してスケジュールによっては時たま残業し、帰宅後はオンライン英会話やUdemyを受講する生活が一気に消えたら暇である。休みに入ってからは主婦よろしく家の掃除炊事買い出しをしたがそれでも暇で、小銭稼ぎできないかという気持ちでクラウドソーシングサイトに複数登録したり、スキルアップのリサーチをした。
出産後も即行で保育園に入れて戻ってやらぁ!という気持ちだった(書いている今も基本的にはそう)なので将来への変化という点では何も悩んでいなかった。
34週という節目
基本的には健康で暇だと思っていた私だが、34週頃から体調に変化が出てきた。
1つは腹の存在感の大きさ。
お腹が大きくなってきたことで、気付けば足の爪切りはほとんど無理になり、むくみ対策用のタイツはどれだけ頑張っても1人で履けずに諦めた。一度ヨギボーなんかに座った日にはマジで一生起き上がれない気がする。
2つめは睡眠不足。
逆子矯正のため不慣れな寝方に強制したり、子が腹の中で運動会を始めたりして、朝までぐっすり寝るのが少しずつ難しくなることが増えた。おかげで日中すっきりしないことが増え、適宜昼寝をすることにしている。ちなみに努力虚しく現在も未だ逆子は直っていない。
3つめは胃袋の収縮。
逆子である影響もあるのだろうが、ご飯の量が食べられなくなった。それでも栄養や水分は取らないといけないので、小分けにしたりスープ状にしたりと工夫している。現在は人に合わせることなく時間をかけて少しずつ食事を取れるのでそこまで困っていないが、職場のように決められた環境にはついていけないなと思う。
極めつけは腹痛。
重さも子だけで2300gに増えていて、10分も歩けば重みでお腹が冷えた時のようにジワジワ痛くなってくる。妊婦がお腹をさするのは我が子が可愛いからではなく普通に腹が痛いのだと分かった。(おそらく個人差はある)
そしてもはや歩いてなどいなくとも、というか生きているだけで便秘やそれに伴うガスによる腹痛や下痢による腹痛が起きる。どうやらホルモンバランスの変化によるものだから、ヨーグルトを食べようがサツマイモを食べようが回避できるものではく午前中ずっと布団の中でイーテテテと格闘する日も増えた。
ここでようやく私は”34週”を自分なりに理解した。
いつ生まれてもおかしくないとか、出産準備をするためにとか色んな理由は挙げられるだろうが、普通の生活すらままならなくなる程の体調の変化がやはりこの頃からあるのだ。誰だタイミーで仕事受けますとか言った奴は。
産前休業は余暇ではなく待機時間
35週目の現在も、2日に1度は運動のため1~2時間程度は歩いて外出するようにしている。無理に距離を増やさず途中途中しっかり休んでいるのもあって比較的元気ではあるが、今日も突然お腹が痛くなってトイレに駆け込むのを3度ほどした。たった1週間前の体とも既に違っている。
そりゃ産前休業は、会社員として働いていた頃と比較すれば時間はある。
しかしこの時間は決して何か成果を上げるための時間ではない。たまたま今は健康で問題がないように見えるだけで、出産予定日はあくまで予定日。私は無自覚なだけで、いつでも病院に駆け込む可能性がある状態の人間なのだというのを腹痛の度に実感するようになった。
産前の体調変化を舐めていた生意気な私は女でよかったのかもしれない。