FM大阪「ゴールデン・ライヴ・ステージ」ミカド コンサート(1985年5月19日放送)
FM大阪「ゴールデン・ライヴ・ステージ」ミカド コンサート(1985年3月16日、東京・日本青年館 大ホールにて収録)
Mikado (Grégori Czerkinsky et Pascale Borel)
Enregistré live au Nippon Seinenkan Hall, le 16 mars 1985
放送曲目:
1. Anita
2. Par Hasard
3. Les Enfants du Pirée
4. La Fille du Soleil
5. Trois Beaux Soldats
6. D'Accord, D'Accord
7. Si tu m'aimes
8. Noël Sous le Soleil
9. Un Naufrage en Hiver
FM大阪(番組制作はFM東京)「ゴールデン・ライヴ・ステージ」(日曜日、21時00分~21時55分)で放送されたフランスのデュオ、ミカド Mikado の来日コンサートの録音です。細野晴臣氏の主宰によるレーベル、ノンスタンダード Non Standard からのアルバム "MIKADO"(1985年1月21日発売)リリースに合わせて企画された来日コンサートでした。
放送された9曲のうち、"Anita"、"Trois Beaux Soldats"、"D'Accord, D'Accord"、"Si tu m'aimes"、"Un Naufrage en Hiver" の5曲は、その最初の、結果として唯一のアルバム "MIKADO" から。"Un Naufrage en Hiver" は、"Si tu m'aimes" をB面に、先行12インチシングルとして、1984年11月21日に発売されています。その頃、低カロリー甘味料「パルスイートスリム」のCMに使用されていました(当時のCM集エアチェックカセットでは、佐久間正英「Theodore #1」を使った1985年の年賀状のCMのあとに入っているので、「その頃」だと思われます)。「パルスイートスリム」CM版(33秒)は、ノンスタンダードレーベルの回顧展的4枚組ボックスセット『ノンスタンダードの響き Non STANDARD COLLECTION』(2019年3月27日発売)に収められています。
"Par Hasard" は、1982年10月に、クレプスキュール Les Disques Du Crépuscule からリリースされたデビューシングルで、囁くような柔らかな歌、シンプルなリズムボックスとキーボードで奏でられる、この曲の人気により、広く聞かれるようになったと記憶しています。"Par Hasard" を収録した手元のメモ代りのエアチェックテープには、アズテック・カメラ Aztec Camera "High Land, Hard Rain"(1983年3月発売)、フランク・ザッパ "The Man from Utopia"(1983年3月発売)、マイク・オールドフィールド Mike Oldfield "Crisis"(1983年5月発売)、ピーター・ゲイブリエル Peter Gabriel "Plays Live"(1983年6月発売)といったレコードからの曲が一緒に入っているので、1983年夏あたりにエアチェックしたのだと思います。
"Les Enfants du Pirée" は、メリナ・メルクーリ Μελίνα Μερκούρη が歌った、ジュールズ・ダッシン Jules Dassin 監督作品『日曜はダメよ Ποτέ Την Κυριακή/Never on Sunday』の主題歌(Τα παιδιά του Πειραιά)のカバー。"Les Enfants du Pirée" は、ダリダ Dalida によるカバーに付けられた仏語訳タイトルです。放送当時は、コンサートでのみ披露されるカバー曲として聞いていましたが、1998年発売のベスト盤 "MIKADO FOREVER" に、リリースされなかった第2作のためのデモ録音として収録されました。
"La Fille du Soleil" は、のちにリリースされるシングル "Carnaval"(1985年10月21日発売)のカップリング曲で、この時点では未発表曲でした。のちに、前述の "MIKADO FOREVER" に収録されました。ちなみに、A面の "Carnaval" は、"MIKADO FOREVER" 1998年版には未収録でしたが、2017年発売の2枚組拡張版に収録されました。
"Noël Sous le Soleil" は、クレプスキュールからのオムニバス企画アルバム "Ghost Of Christmas Past" の1982年12月版に収録されていたアルバム未収録曲。"MIKADO FOREVER" にも収録されています。「1982年12月版」と妙な特定のしかたをしたのは、このアルバムに限らず、クレプスキュールのオムニバス企画アルバムは、たびたび「改訂」されるからです。1981年12月版にはミカドは収録されていません。ミカドは、1982年12月版 "Ghost Of Christmas Past (Remake)" に登場しますが、1986年版には未収録です。近年(2007年以降)の再発盤は各版を集大成したものになっており、そこにはミカドも収録されています。この曲については、さらに、複数の曲名があるという困った事情があります。"Noël Sous le Soleil"、"Message De Noël"(1982年12月版LP)、"Un Noël Ensoleille"(1982年12月版カセット)、どれも同じ曲です。"MIKADO FOREVER" 2017年版に収められています。
1985年3月の来日は、ミカドにとって、二度目の来日でした。一度目は、1984年4月に行われた「MUSIQUE Epave 漂う音楽」と題された、ドゥルティ・コラム The Durutti Column、ウィンストン・トン Winston Tongとの合同ツアーで、1984年4月28日(東京・渋谷公会堂)、5月3日(東京・インクスティック)での演奏が、映像作品としてリリースされました。ミカドは、"Ce Garçon-là"、"Au Jeu du Mikado"、"Par Hasard"、"Quand Viendras-tu?" の4曲が収録されています。