プララ 備忘録
プララ備忘録
プララ plala are
野村円香 madoka nomura: うたとピアノ
高橋直紀 naoki takahashi: フレットレスベース
田中良太 ryota tanaka: ドラムス、パーカッション
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ワカメウドン: イラストレーション
プララ 『ヤネノウエ』(CD-R、2001年3月23日発売)
1. やねのうえ
2. 椅子
3. コトバ
4. 冬眠ララビィ
プララ『コレラ コレラ コレラ』(CD、ポヤポ屋 POYA-0002、2003年7月31日発売)
1. 椅子
2. アプリケ
3. バブルース
4. 言葉
5. frozen sky
6. かたつむり
7. やねのうえ
8. カナリア
9. 冬眠ララビィ
10. コレラ コレラ コレラ
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11. 空が凍った日 (frozen sky ver. 2)
MD(ミニディスク)の整理をしていたら、曲目などが何も書かれていないものが出てきました。聞いてみると、入っていたのは、青山陽一、新居昭乃、Maju、Bossa Bosa featuring Satanicpornocultshop、PSY・S、Spiritual Vibes。手持ちのレコード/CDの好きな曲を、持ち歩いて聞くためにコピーしたものでした。内容について何も書いていなかったのは、自分が聞くためだけのものだからです。ところが、その中で、演奏者も曲名もわからないものが一組ありました。ピアノ主体の女性ヴォーカル。突飛さと壊れそうな繊細さを感じさせる歌、それに対して、バンドは力のこもった、振り切れたグルーヴを奏でる。つい、楽曲識別アプリ「Shazam」にかけてしまいましたが、「結果なし 認識できませんでした」。手持ちの盤から、好きな曲を選って入れているはずなのに。記憶をたぐって、なんとか思い出しました。プララ、でした。面目ない。
プララを初めて聞いたのは、2001年12月18日、旧毎日新聞社京都支局であったビルの地下にある「カフェ・アンデパンダン」でのライヴ(共演:水中ショウ)で。キーボード&ヴォーカル、フレットレスベース、ドラムのトリオということは聞いていて、楽しみにしていたのですが、変幻自在のメロディとファンキーな演奏にとても感銘を受けました。その日に物販で購入したのが、2001年3月23日発売の4曲入りCD-R 『ヤネノウエ』。前述のMDに入れていたのも、このミニアルバムでした。
プララについては、紹介やインタビューなどの記事を見たことがありません。いつ結成され、いつまで活動していたのか。わたしが聞いたライヴは、2003年6月29日、扇町「DICE」での『コレラ コレラ コレラ』発売記念ライヴ(共演:ラ・ソラネコ!、カンガルノート)が結局最後になってしまいました。その後、何度か予定していながら行けずにいて、2004年には、ピアノ&ヴォーカルの野村円香さんソロの告知を見る(2004年3月14日、京都「陰陽(ネガポジ)」)。ソロの演奏も聞けないまま、次に見たのは2年半後、野村さんのソロユニットというポテンポーテの告知(2006年9月17日、大阪「ムジカジャポニカ」)。それを最後に見失ってしまいました。
『コレラ コレラ コレラ』発売記念ライヴでは、収録曲の全曲が演奏されましたが、それに加えて、アンコールで、アルバムに入っていない「機械仕掛け」という曲が演奏されました。いまとなってはどのような曲だったか思い出せませんが、当日の日記に、よい曲であること、持ち帰ったアルバムを聞いて収録されていないことを知って残念に思ったこと、を記しています。
いま、音楽配信サービスになく、動画投稿サイトでも見つけられないことを思えば、予想させる参照対象をあげたほうがよいと思うのですが、知り合いに雑談で話すのではないので、心苦しい。言い訳がましくて、すみません。強いてあげれば、矢野顕子やクラムボンを思い浮かべるひとがいるかもしれない、そんな音楽です。
ひとつひとつの音は引き締まったビシっとしたもの(ジャズロックと言っていい)なのに、歌として聞くと、泡立つようなイキモノの感触があります。おもちゃ箱をひっくり返したような音と躍動的なリズムが特徴になっている曲が多いけど、静的な曲でも、じわっと汗ばんだり、血管がきゅっと痛くなります。背景描写ではない、フィジカルな音とともにあることで、呪文のような詞が、物語の中のセリフではなく、ほんとうに呪文のように響いています。
メンバーではないのですが、作品の重要な要素を担っていたのが、イラストレーションのワカメウドンさんです。録音物のカバー(表紙)、チラシのイラストを担当されていました。
アルバム『コレラ コレラ コレラ』の発売に際して、コメントが寄せられています。行川和彦、押尾コータロー、木村ひさし(クリンゴン)、はたさとみ(ラ・ソラネコ!)(敬称略、順不同)。その中から、木村ひさしさんのコメントが、帯にも掲載されています。下の画像は、『コレラ コレラ コレラ』に寄せられたコメントを掲載したチラシです。表は、アルバムブックレットに掲載されているイラストや写真を組み合わせたものになっています。異空間につながっている穴を野村円香さんが覗き込んでいる、この記事の冒頭の画像は、チラシ右下にあるカバー裏の写真とその裏面(バックインレイ)の写真を組み合わせたものです。
『コレラ コレラ コレラ』発売元の「ポヤポ屋」は、関西を拠点に活動していたバンド、ソラネコ関連のCDをリリースしていたレーベルです。わかる範囲で、作品リストをメモしておきます。
ソラネコ『ケモノちゃん』(POYA-0001)、2002年8月24日
プララ『コレラ コレラ コレラ』(POYA-0002)、2003年7月31日
ラ・ソラネコ『かみさま』(POYA-0003)、2004年4月1日
ソラネコ『ちょっぴりさま』(POYA-0004)、2007年2月22日
チエルーム『ウェルカム!』(POYA-0005)、2008年10月29日
月ネコ『オイシクテシアワセ』(POYA-0006)、2009年9月5日
ソラネコ『ポヤランカン』(POYA-0007)、2009年11月3日
ソラネコ『花子さんぼくは電車をおりますよ』(POYA-0008)、2014年12月6日
チエルーム『此処彼処』(POYA-0009)、2015年3月7日
チエルーム『僕らの未来を』(POYA-0010)、2015年3月7日