見出し画像

NHK-FM「クラシック コンサート」〈ヘルシンキ・ビエンナーレ(3)/スティーヴ・ライヒの音楽〉(1986年2月26日放送)

NHK-FM「クラシック コンサート」〈ヘルシンキ・ビエンナーレ(3)/スティーヴ・ライヒの音楽〉(1985年3月10日・3月11日、ヘルシンキ・シベリウス アカデミーにて収録)

Helsinki Biennial/Music Of Steve Reich
Recorded live at The Sibelius Academy, Helsinki, March 10th & 11th, 1985

放送曲目:
1. ピアノ・フェイズ Piano Phase (1967) [12'42"]**
2. 手拍子の音楽 Clapping Music (1972) [4'17"]*
3. ドラミング・パート1 Drumming, Part I (1970-71) [15'32"]*
4. ドラミング・パート3 Drumming, Part III (1970-71) [9'11"]**
5. バーモント・カウンターポイント Vermont Counterpoint (1982) [9'22"]**
6. 木片のための音楽 Music For Pieces Of Wood (1973) [8'49"]*
7. 六重奏曲 Sextet (1984) [25'55"]**

演奏:
スティーヴ・ライヒ楽団 Steve Reich and Musicians

収録日:
1985年3月10日*
1985年3月11日**


 エアチェックしたカセットテープの内容は、カセット添付のインデクスラベルには書かないで、別に用意した曲目ノートにつけていました。完全を期す余り、間違えたくなかったし、そもそも不完全な情報では書けなかった。綴りがわからない、邦題しかわからない、題名が聞き取れないといったことから、のちにきちんと書き直すための仮の情報として、ノートにつけていたのでした。

 1985年3月10日、11日に収録されたスティーヴ・ライヒ楽団の演奏については、曲目(邦題と作曲年)、録音した日(放送日)、収録日時、収録場所は、ノートにつけていましたが、放送局、番組は記していませんでした。うっすらとした記憶はありましたが、この日を含むFM情報誌「FM fan」1986年第5号 通巻519号(2月24日~3月9日)が残っており、確認できました(冒頭の画像を参照)。いまでは簡単に確認できるようになった原題とともに、情報を整理、追記しておくことにしました。

 「クラシック コンサート」は、NHK-FMで、月曜日から金曜日の7時20分から9時に放送されていた番組です。1986年2月24日(月)から2月28日(金)は、「フィンランド放送協会提供の録音テープ」と近藤譲さんの案内による「ヘルシンキ・ビエンナーレ」特集でした。
 驚いたことに、第3夜の番組表を見てみると、曲順が、手元のカセットテープと異なっていました。実際の放送が、番組表と異なっていたのか、番組を通しで録音してから、90分テープに収まるように、曲順を変えてコピーしたのか、いまとなっては記憶がありません。実際の放送がどちらであるか迷いましたが、ここでは手元のエアチェックテープのとおりだったとして記載し、番組表の曲順は補足として記しておきます。1. ピアノ・フェイズ、2. 手拍子の音楽、3. バーモント・カウンターポイント、4. 木片のための音楽、5. ドラミング・パート3、6. 同パート1、7. 六重奏曲。「ドラミング」がパート3、パート1の順になっていることに目がいきますが、収録日が異なっており、もともと順に続けて演奏された訳ではなさそうです。

 曲目ノートには、作曲年を記していました。番組表には記載がないので、放送で話されたことを書き留めたのだと思います。原題とともに、公式サイト「stevereich.com」の「Works」ページでも確認しました。「ドラミング」については、曲目ノートには 1970 とありましたが、公式サイトにもとづいて、1970-71 としました。番組表にあった演奏時間は、曲目ノートにはありませんでしたが、譜面要望標準時間と異なるものもあるようなので、参考に添えています。

 初めて聞いたスティーヴ・ライヒ作品は、1979年6月6日(水)のNHK-FM「クロスオーバーイレブン」でかかった "Music For 18 Musicians" ECM版(1978年6月発売)のA面(Pulse - Sections I - IV)。60分近い曲ですが、LPでは半分に切るしかなかったのでした。それ以降、ECM、Nonesuchからの作品は、日本国内配給盤が出て、ラジオでもかかったので、折に触れて聞いていましたが、初期の作品は聞くことができなかったので、この放送はとてもありがたかったです。改めて聞き直しても、ぐっとくるところがたくさんあります。

 「ヘルシンキ・ビエンナーレ Helsinki Biennial」は、現在も行われていますが、2021年が第1回となっており、別系統のようです。公式サイトには、過去の「ヘルシンキ・ビエンナーレ」への言及はなく、プログラムの記録もありません。その他でも、1985年3月10日、3月11日の演奏についての情報は見つけられませんでした。

 エアチェックはしていませんが、参考に、NHK-FM「クラシック コンサート」、「ヘルシンキ・ビエンナーレ」特集の他の回の内容を、「FM fan」1986年第5号 通巻519号をもとにメモします。

●〈ヘルシンキ・ビエンナーレ(1)/オーケストラ・コンサート〉(1986年2月24日放送)
1. マデルナ/アウラ [14'19"]
2. ベルント・アロイス・ツィマーマン/2台のピアノと大管弦楽のための協奏曲「対話」(ドビュッシーへのオマージュ) [18'07"]
3. ユッカ・ティエンスウ/MXPZKL [11'14"]
4. ブレーズ/リチュエル「マデルナの思い出に」 [27'21"]
1985年3月13日、ヘルシンキ・フィンランディアホールで収録
レイフ・セーゲルスタム指揮 フィンランド放響
5. クセナキス/ナーマ(洪水) [15'30"]
1985年3月9日、ヘルシンキ・シベリウス アカデミーで収録
エルジビエタ・ホイナツカ: チェンバロ独奏

●〈ヘルシンキ・ビエンナーレ(2)/フランコ・ドナトーニの音楽〉(1986年2月25日放送)
1. ドゥブル [7'52"]
エルジビエタ・ホイナツカ: チェンバロ独奏
1985年3月9日、ヘルシンキ・シベリウス アカデミーで収録
2. 階段の上の小川 [13'42"]
レア・ペッカラ: チェロ独奏
3. 最後の夜 [22'02"]
トゥーラ・マルヤ・トゥオメラ: ソプラノ
ポール・メファー指揮 アバンティ室内管弦楽団
4. アルゴ [11'48"]
エーヴァ・コスキネン: バイオリン独奏
5. まぢかに [4'11"]
トゥーラ・マルヤ・トゥオメラ: ソプラノ
ポール・メファー指揮 アバンティ室内管弦楽団
6. 光 [9'20"]
カリ・クリーイック: クラリネット独奏
7. 思い出 Op.18 [14'20"]
ポール・メファー指揮 アバンティ室内管弦楽団
1985年3月12日、ヘルシンキ・ユニバーシティ ホールで収録(2~7)

●〈ヘルシンキ・ビエンナーレ(4)/電子音楽の夕べ〉(1986年2月27日放送)
1. ヨーク・ヘラー/ホリゾント [10'43"]
2. 武満徹/スタンザ第2番 [6'12"]
3. リュック・フェラーリ/ほとんど何もなし第1番(海辺の日の出) [20'51"]
フィンランド放送実験スタジオ
1985年3月13日、ヘルシンキ・ユニバーシティ ホールで収録
4. リュック・フェラーリ/クラブサンとテープのための小品 [16'54"]
エルジビエタ・ホイナツカ: チェンバロ独奏
1985年3月9日、ヘルシンキ・シベリウス アカデミーで収録
5. カイヤ・サーリアホ/秘密の庭園 [10'33"]
6. パトリック・コスク/トラスミッションズ・イン・ア… [18'28"]
フィンランド放送実験スタジオ
1985年3月13日、ヘルシンキ・ユニバーシティ ホールで収録
※カイヤ・サーリアホ「秘密の庭園」は世界初演。

●〈ヘルシンキ・ビエンナーレ(5)/合唱曲の夕べ〉(1986年2月28日放送)
1. リゲティ/合唱のためのファンタジー [10'21"]
2. ベリオ/ロンドンの呼び声 [13'27"]
3. 武満徹/風の馬 [21'01"]
ジョン・オールディス指揮 フィンランド放送合唱団
1985年3月11日、ヘルシンキ・テンペリアウキオ教会で収録
※他に1985年9月1日(ルツェルン音楽週間)、ルツェルン・クンストハウスで収録した「ブレーズ/マルトー・サン・メートル(持ち主のない槌)」(ピエール・ブレーズ指揮 アンサンブル・アンテルコンタンポラン)が、スイス放送協会提供の録音テープで放送されました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?