パワハラ問題が難しいポイントと根本的な間違い
前回、
植草歩選手におけるオリンピック空手道競技パワハラ被害問題
という投稿をあげた。
あれから動きがあり、パワハラは全面的に認められ、植草歩選手は刑事告訴を取り下げた。
植草歩選手はパワハラが認められなければ、刑事告訴も辞さない覚悟で挑んでいたのであろう。恐らく全日本空手道連盟だけがこの問題に当たっていたら揉み消されていたと思う。
その結果刑事告訴は取り下げず、泥沼だっただろう。
しかし、今回はJOCがパワハラ問題に対応したので、パワハラが認められた。
その結果、刑事告訴を取り下げるという形になった。
刑事告訴は植草歩選手にとっても不本意だったのだろう。パワハラさえ認められれば、戦うつもりのポイントではなかったと思われる。
そういった意味で、植草歩選手は非常に筋の通った強い女性だと僕は感じている。
しかし、それに伴ってここ数日でインスタグラムでは、香川氏と友好的な写真を上げる選手が多くいる。いい指導者の一面があるのだろう。
ある意味では植草選手の敵にあたる人物になるかもしれないが、恐らく帝京大学の選手になるので、先輩や後輩、もしくは同級生にもなる。
これがパワハラ問題の難しい点だ。
ある一方ではパワハラ問題を抱えているが、多くのいい選手を排出している指導者という面もあるのだ。
もっと極端な例でいうと、一方ではすごく名医だが、一方で家族に暴力をふるっていたらどうだろうか?
一方でひとの命を救っているひとが、家族からは恐怖の対象であったりするということだ。
見るひとによってはいいひとに見える悪いひとがいるのだ!
そしてここに根本的な間違いが生じる。
どんなにいい人でも犯罪を犯していたら罰せられなければならないのだ。
例えば、暴力団の組長がいるとして、子分からは非常に慕われているが、世の中的には犯罪者ということがありえるのだ。
香川氏を擁護するひとはいるだろう。それは恩があってのことだと思う。しかし、犯罪は犯罪として、擁護してはいけないのだ。
少なくとも竹刀で選手を突いていい理由にはならないだろう。
亀田家ですら、棒の先にグローブをつけていた。
ましてや、選手を骨折させていたなら言い訳はないのだ。
オリンピック空手道競技に限らず、多くの武道系競技の高齢指導者は自分のあり方を考えるべきだと僕は思う。