タイタンというのがいるドラえもん
(この問題、難しくて分からないな…)
ねえジャイアン、これ分かる?
「うーん?分からねえな…」
そっか…
ねえ、タイタンは?これわかる?
タイタン(動かなくて、大きい)
タイタン?
「なあ、タイタンも分からないらしいぜ。先生に聞きに行こう」
でも…
「いいから行けって」
でもまだ、タイタンが何も
「タイタンはもういいだろ!!!」
ごっ…!ごめん…
「………悪りぃ、大きい声だして」
ううん、大丈夫
ぼく、先生に聞きに行ってくるよ
(タッタッタッ)
「剛田さん…」
「ああ、ごめん。おれ、疲れてるみたいだな」
「そうね、今日は早退させてもらったら?」
「………ああ、そうする」
(窓の外は、梅雨の始まりを感じさせるような、重たく、冷たい雨が降っている。タイタンはどこかを見ているようで、どこも見ていないような目をしていた)
(木造の校舎は湿った空気を吸い込んでしまったかのようで、蛍光灯の切れかけた教室は鬱屈とした空気を纏っていた)
「のび太さん…タイタンさん…」
(点滅していた蛍光灯が、プツンと音を立てて消えた)
続く
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