【FaB】シングル価格から考えるアーセナルの価値【初心者導入録①】
Flesh and Blood には<アーセナル/格納庫>というシステムが存在する
自分のターン終了時に余った手札を伏せカードにできる仕組みで、
簡単に言えば手札上限を超えた「5枚目の手札」を保持できる
手札が増えれば強いのはなんとなくわかるけど、その価値を実感するためにお金の力を借りてみたいと思う
シングル価格を参考にアーセナルの強い使い方を考えてみよう
Command and Conquer 編
1例目は<Command and Conquer>
再録の白枠でも安くて16,000円~18,000円で取引されている、メインデッキに入る汎用カードとしては最高級の1枚だ
対するは<Wreck Havoc>(赤)
一見ほぼ同じ性能と効果を持つカードだが、なんとこいつは1枚あたり80円~100円で取引されているのだ
この価格差の理由とは? 両者の違いを見ていこう
「アーセナルのカードを何でも破壊できる」
と
「Defence Reactionしか破壊できない」
その違いをより感じるために、具体的な場面を想定してみよう
ケース1:相手のアーセナルにカードがない場合
手札からDefense Reactionを使用できないこと以外は普通の攻撃になるので、打点が同じ両者の働きは同等と言える
ケース2:相手のアーセナルにDefence Reactionが入っていた場合
相手はどちらで攻撃されても、大人しくアーセナルを破壊されるか、
使えないDefense Reactionを手札を使って守るかを選ぶことになるので、この場合も両者の働きは同等と言える
ケース3:相手のアーセナルにDefence Reaction以外のカードが入っていた場合
この時に<Command and Conquer>で殴られるとどうだろうか
Defense Reaction以外のカードが伏せられているなら、大抵の場合は次の自分のターンに使いたかったカードだろう
実質5枚の手札をフルに使って攻めたかったのに、素通ししてアーセナルを割られるか、手札を2枚以上使って完全に防ぐかの2択を強要される
実質的にハンデスを強制しているのだ
一方<Wreck Havoc>で殴られた場合はどうか
ライフが大事ならば防御してもいいが、素通しでもなんら問題はない
返しのターンに実質5枚の手札からそれ以上の火力で殴り返せばいいだけだ
こちらでは相手の攻め手を弱めることは全くできないということになる
両者の価格差を鑑みるに、ここに本質がある
<Command and Conquer>は「攻撃は最大の防御」を実現しているのだ
防御を抜いてダメージを通したいのではなく、絶対に返しの攻撃を弱められる、相手の準備と計画をご破産にできるのが最大の強みというわけだ
Defence Reactionにしか効果がないのでは、期待される役割の半分も満たせていないのである
逆に考えると、アーセナルは防御的に使うよりも攻撃的に使うことに大きな価値がありそうだといえる
普段4枚の手札では実現できない、より強力な攻撃のために使いたいシステムということだ
たとえアーセナルに防御的なカードを入れた場合でも、いつもと同じ枚数で守っていつもより1枚多くの手札で攻撃できたなら同じことである
考察①
・アーセナルは手札をより攻撃的に使えることに価値がある
Codex of XX 編
2例目は
<Codex of Bloodrot>
<Codex of Frailty>
<Codex of Inertia>
Outsiders に収録されているMajesticレア、Codex サイクルの3枚を見ていこう
赤黃青と見慣れた3色だが、これらの市場価格にはかなりの開きがある
<Codex of Bloodrot>:1,400~1,500円
<Codex of Frailty>:16,000円~18,000円
<Codex of Inertia>:500~600円
一体どうしてなのか
この3種は後半の効果はほぼ同じなので、前半の効果に絞って違いを見ていきたい
全ての効果に共通する要素としては以下の2点
・お互いのプレイヤーは(可能なら)アーセナルにカードを1枚置く
・(この効果の中では)手札総数が変化しないようになっている
2点目の縛りを鑑みるに、アーセナルというシステムにおいて手札総数が増えること自体にかなりの価値が見出されていそうだが、一旦置いておこう
違い1:置くカードの出どころ
手札・墓地・山札とそれぞれアーセナルに置くカードの出どころが異なる
墓地からだけ、ゲーム内で使える総カードが1枚増えている点は注目だ
違い2:置くカードを選択できるか
手札・墓地から置くカードは選択できるが、山札の1番上のカードは選択できない
他のカードとのコンボを前提にすればトップは固定できるとはいえひと手間かかるし、ResourceやBlockなどのプレイできないカードを引き当てるとアーセナルが機能停止してしまう裏目も怖い
もちろん使うならデッキ構築段階で対策するのだろうが、ここに<Codex of Inertia>が一番安い理由がありそうだ
また手札から選ぶ場合、選択肢は多くて4種類に限られる
対して墓地から選ぶ場合、終盤に使えれば無限の選択肢に化ける点は見逃せない
当然序盤では腐ってしまうが、都合が悪いときはピッチして先送りにできるのはどれも同じであり、先送りにすればより強力に使えるという点でもゲームシステムとの相性がいいのだ
違い3:置くカードの種類
3種のうち<Codex of Frailty>だけは、アーセナルに置けるカードが「Attack Actionカード」に限定されている
墓地から何でも選んで戻せたら強すぎるのが要因かもしれないが、結果的にこれが最も大きな違いだろう
お互いに行う効果なので一見平等に見えるが、Attack Actionカードはターンプレイヤーのみが使用できるカードである
つまり、置いたターン中は自分だけがアーセナルを有効に使えるのだ
相手がDefense Reactionを置いていない前提で、自分で選んだ有効な攻撃をぶつけられる
しかもターン中にアーセナルを破壊してしまえば相手には一切得がない
そうだね、<Command and Conquer>だね
実際、相手のアーセナルに守りたいカードがあるとわかっていて使えるのだから冗談抜きで強力無比だ
悪夢のハンデス攻勢で存分に手札をボロボロにしてもらおう
ともあれ、違いは出揃った
・ゲーム中に使える総カードが1枚増える
・アーセナルに置くカードを自分が選択でき、かつその選択肢が多い
・使ったターンは自分だけがアーセナルに置いたカードを有効に使える
上記3点を兼ね備えるのが<Codex of Frailty>で、他にはそれがないのだ
価格差はこのいずれか、あるいは全てを加味した結果発生していて、つまるところそこがこのカードの強みなのだろう
再び逆に考えると、アーセナルに有効でないカードは置くのは弱い使い方と言えるのではないだろうか?
もう少し細かく表現するなら「有効に使える場面が少ないカードをアーセナルに置くのは良い選択肢ではない」となるか
当たり前のことに聞こえるし常にそれができれば苦労はしないのだろうが、例えば高コストのAttack Reactionを置くと、自分のターンまでAttack Actionカードとピッチコストにできるカードが手札に残っていなければ使えないので、アーセナルが数ターンにわたって腐ってしまう可能性がある
置いておくターンが長引くほど使う前に相手に破壊されるリスクが上がっていくことも考えれば、「有効札が置けなかったアーセナル」の価値は無視できないレベルで下がっているのではないだろうか
「このカードはアーセナルからでも防御に使用できる」としか効果が書いていない、数値だけ見れば平凡なAttack Actionカードである<Down and Dirty>がなぜか3000円近くすることもこの考えを裏付けてくれる
アーセナルで腐らないことにはきっとそれだけの価値があるのだ
ただ使い切れなかったカードを置くのではなく、いつでもアーセナルを空けられて、常に有効なカードを置ける状態をなるべく維持しておくのが理想の使い方になりそうだ
手札を1枚残してターン終了を迎えたとしても、それがアーセナルから使いにくいカードなのであれば、伏せずにそのまま手札に抱えておく勇気も時には必要なのだろう
もちろん相手がアーセナルに触れないヒーローであれば、ここぞという時までずっと対策カードを伏せておくのも強い使い方と言えるはずだ
考察②
・常に有効なカードを置ける状態をなるべく維持しておくのが強い
まとめ
今回の考察をまとめよう
・アーセナルは手札をより攻撃的に使えることに価値がある
・常に有効なカードを置ける状態をなるべく維持しておくのが強い
改めて当たり前っぽいことしか書いていないと感じるが、
「強いアーセナルの使い方には金額に現れるほどの価値がある」と考えると、少し意識が変わる気がする
この考察が本当に正しいのか、実際にそれほどの価値を生み出せるのか、
今後のプレイを通して検証していきたいと思う
最後に
・初心者導入録とは?
日本語版発売を機にFaBを始めた初心者(筆者)が、素人なりにこのゲームについて考えた内容を自分のために言語化して残すものです
独学なのでカード能力すら合っている保証はなく、内容に間違いがあれば後学のためにも指摘してほしいと思っています
不定期連載で、そもそも②以降が続くかは不明
・今どんな感じ?
Blitz:Riptide
CC:Nuu
でプレイ中
元々Uzuriが気になってAssassinでのプレイを考えていたが、そちらのパーツを引き当てる前にNuuが完成してしまった
その都合でカードの学習がAssassinに偏っていて、他のクラスのカードをまだ全然知らない
・最後の最後に
薄い内容に対して文章が長くなりすぎて、ここまで読んでくれた人には申し訳ないと思っています
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