カシコラ『earth meal feat.asmi-Rin音」
歌詞のコラム『カシコラ』第二弾です。
Tiktokで過去に流行っていた曲に
後からハマるということがとても多い。
いつも思うけれど、流行るものの
センスが毎回良すぎると思います。
キャッチーなモチーフが大衆の心を
掴むのは言うまでもないけれど
少しギョッとしてしまうような
ストレンジャーすら尖った魅力を持っていて
その尖りをみんなが見逃さないのは
間違いなく個性が重んじられる時代だからだと言えます。
本作はRin音×asmiの初コラボ作品。
ちなみにearth meal(アースミール)と
asmiさんを掛けているわけではないらしい。
曲調はとてもメロウでキャッチーなんだけれど
根底に"世界滅亡"のオケージョンがあるおかげで
こんな幸せな日々もいずれは…と
作品に通奏低音のようなもの悲しさが漂う一曲。
Aメロが可愛すぎてめっちゃ好きなんですよね。
大事も大事なんだけど、寝坊って…と
肩透かしを喰らうのが気持ちいい。
歌い出しの状況説明をオペレーターに
させるところが、自然かつお洒落でいいですね。
Rin音さんは映画好きなのだろうか。
世紀末なのだから震える夜を
男女で過ごすことはごく自然だけど
こうなっちゃうと大事件である。
ここもマジで好きなんだよなぁ。
悪いことの裏には、良い側面が必ずあって
主人公はその部分にフォーカスして羅列している。
特に悪とヤンキーなんて
並列のチョイスがユニークで素敵。
楽曲のリリース時期が2020年最初の方
だったから、その頃はまさにコロナが猛威を
振るいだした時期。
開放的なシチュエーションは
願望であり希望だったのかなとも思います。
ラスサビを抜粋。
一番から通しでサビは女性口調ということは
彼女側が歌っているということでしょうね。
隕石〜良い天気の頭韻が気持ちいい。
こう見ると取り残されたことへの
心残りがある描写が最後の最後まで
書かれてあるのがリアルでいい。
馬鹿だなのフレーズでポジティブに
対して抗うことで空気がピリッとするのは
よく考えられている。
そりゃそうですよね。家族、友達と別離して
彼氏と地球にふたりぼっち。
そう簡単に納得いくわけがない。
ただ、お寝坊な彼を置いて彼女だけ
惑星移住をしたとも考えにくい。
結局、正解などないのだ。
悲惨な状況の中でも綺麗なものは綺麗と
喜ぶことができる。そんな考えにさせてくれる
絶妙なバランスを保った曲だと思います。最高。