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インディフィニト・ノート 8話
<前話までのあらすじ>
安藤は普段なら絶対頼まないであろうメニューを注文している間、昔の
就業制度を懐かしいんだり、昨今の事情に若干の疑問を抱きながら人事部との必要な人材の話を思い出していた。料理を堪能して職場に戻ると今も勤める続けている仕事を思い返していた。
1話は<1~5P>こちらから
7話は<31~35P>こちらから
8話<36~40P>
再度、神永の欠席理由を思い出そうとするも頭の中はモヤが掛かったみたいに何一つ、出て来なかった。ここまでくると逆に清々しい程だったので、
思い出す作業を止めて親しくしているであろう女子社員に飲みの席で、こ
っそりと聞けば良いという結論が出ていた。
飲み会の開始まで時間に余裕があったので別の事を考えていたのにも関わらず勃起しているイチモツを鎮める為に男子用のシャワールームを借りる事にした。自慢じゃないが、お酒を飲んでホテルで行為した時で勃起できずに女性に恥をかかすこともなかったし、中折れを経験した事もなかった。
独立遊軍とでもいうような。気持ちが落ち込んでいても好みの女性が要れば、いつでも戦闘準備完了と言わんばかりの最敬礼の角度よりムスコが下
がる事は無かった。メンタルに一切影響しない別の生物と共存してるというタイプに分類されるのでワンナイトで出会った女性達からは尊敬の眼差しで観られることも多かった。
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本人に自覚は無いが峠でナンパしてた遊び人の仲間内から夜の武勇伝(誰よりもイチモツが黒くて長かったから)より、ブラックパンサーとして呼ばれていた。
特に女性達は、その名が出る度に驚異の八割の出席率だった事も本人には何故か知らされていない。もちろん車を乗り替えた時に、峠のナンパを引退していたという理由もある。
この全ての情報を押さえていたのは一人の女性だった。安藤と肉体関係はなく、女性の一方的な片思いだった。女遊びに夢中になってた時期でも好きという行為が冷める事は一切無かった。唯一、ライバルだと認めた相手は、かおりだった。
どこにでもいるような。かおりではなく元カレの親友がジュエリー職人であること。その人が作った100tハンマーのイヤリングを身に着けている人物だった。詳しく調査して分かった事だが18金で作った作品は世界に一つだけで気分屋の彼が唯一、特注で受注しているのにも驚いた。
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髪の毛を洗い終えて徐々に首から下を丁寧に洗い出す。逆三角形を思わせる肉体美は、学生時代に水泳で鍛えた賜物ではあったが、競技としての魅力を感じられず大事な大会では、遅刻したりして出場停止になった事も多々あり、次第に顧問からレギュラーを外されて幽霊部員として誰からも相手にされる事もなくなっていた。
しかしながら、その実力は、本物である事も誰の目からも明らかであり、エースや部長ですら、本気で勝負したら勝てないと理解していた。
そんな一切のやる気を見せなかった学生時代の安藤が、高校時時代一度だけ、水泳の名門から転入してきた後輩くんに対してブチ切れだ事があった。
我が物顔で部室に入るなり、気に入ったロッカーの中身を床にぶちまけ、大好きなアイドルのステッカーを貼り付け。プール場では好きなコースを独占し。先輩に、対して高圧的な態度を繰り返していた。
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安藤は幽霊部員になっていたとはいえ、出禁になった訳ではなかったのでロッカーの荷物は自由に置いて良い事になっていた。
部室の床に散らばっていた荷物が自分の物だという事を知ったのは翌日の事だった。しかも後輩だ。名門だか何だか知らんが世の中には、やって良い事と悪いことがあるって事を、そいつに教える必要があると血管が浮き出た両方の握り拳が物語っていた。
床に散乱していたのは自分の趣味ではなく友人から借りた大量のHビデオ(DVD)だったのだ。丁度返すタイミングだった所を転校生に暴露されたんだから誰だって腹が立つってもんだ。しかも運悪く新聞部の奴らに見付かって写真付きの記事を掲示板に貼られてしまい。穴が合ったら入りたい気持ちになっていた。
号外と書かれた記事の内容は水泳部の幽霊部員、童顔巨乳ものにハマる‼と書かれており、中央で鮮明に写っているのはスクール水着を来た女性だ。
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しかもツインテールなので更に目を引いてしまう。おわん型の乳房が片方、丸出しになっており、ブーメランパンツを履いた男性の股間が異様に
膨らんでいるツーショットであった。過激な内容となっているのは誰の目
からも明らかだった。
他の作品の表紙は何故かボカシが入っており、好みが一つしかないみた
いな印象操作を男子達は感じていた。
女子は問答無用というスタンスなので、とても言い訳できる雰囲気では
なかった。何が辛いって水泳部の女子の後輩からの冷たい視線にこの世の
終わりを感じたのだ。
まるで汚物を見るかのような態度で心臓が貫かれているのではないかと
思うような息苦しさを感じていた。この時こそ、共学ではなく男子校だっ
たら、どれだけ良かった事かと心の底から思っていた。
変態の烙印は甘んじて受けるとして、こっから先の学校生活への不安は
計り知れないものがあったので原因を作った張本人と直接会って話合う事
にした。
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8話<36~40P>
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1話は<1~5P>こちらから