【短編小説】永遠のモーニングムーン〜love each other〜
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毎月1日は小説の日という事で、
今月も短・短編小説を掲載いたします。
今月はこの曲に合わせてお送りしますね。
若い人は知らない曲でしょうね。
でも、とっても心に入ってくるんですよね。
久保田利伸さんがまだ有名になる前の、
デュエットソング・・二人の恋にピッタリです。
本日は約1000字となります。
お時間のある時に、曲を聞きながら
お読みください。
永遠のモーニングムーン
胸がはち切れ、息ができないほどに、
会いたいはずなのに。
電話で話すとなぜか沈黙になってしまう。
トシヒコは私より3歳若かった。
<若い女性の方が良いんでしょ>
という言葉をいつも飲み込んでいる。
そんな自分を感じ、そんな自分が嫌いだった。
「ねぇ、せっかく電話してるんだから
何か話してよ」
だから、ついつい年下の彼に
私はつっかかってしまう。
そんな私の挑発にもトシヒコは冷静に
うなづきながら、なにか話すタイミングを
待っているようだった。
いつかは年下の彼に捨てられる。
そんな不安と予感ばかりが頭をよぎり、
心を揺さぶっていた。
「今から行くから」
トシヒコの突然の言葉に
嬉しさと、別れ話かもという二つの心が
錯綜していた。
私は・・
「だって300kmはあるわよ・・」
私の言葉を遮るように、電話が切れた。
3時間40分後
もう一度スマホの着信が鳴った。
「ユミ・・下に居るから降りてきて」
あまり呼び捨てにしないトシヒコの声に、
私は黙ったままうなづいて、
マンションの下に降りて行った。
俊彦は車のドアを開けてまっていた。
「何・・突然・・」
「会いたいから会いに来た。
会わないと、
どんどんすれ違ってしまいそうだから」
そう言うと私を車の助手席に乗せて、
走り出した。
夜の高速を150㎞程走った。
もうすぐ朝になりそうだった。
「会社は・・どうするの」
ユミの言葉に少し黙ったままでいた
トシヒコが
「君より大切なものなんてないよ」
そういうと高速走路を降りて
海沿いの道に入った。
幾重にも入り組んだ入り江を抜けて、
パーキングスペースのある入り江の前に
車を止めた。
もうすぐ夜が明ける。
「私・・すっぴんだ」
そういう私の腰に手を回して
体を抱き寄せて、トシヒコは私にキスをした。
「そのままの君が一番きれいだ」
空が朝焼けに染まり始めていた。
そして、西の海に月が出ていた。
私とトシヒコはもう一度キスをした。
私の中に溜まっていた不安が
抜けていくように、溶けていくように、
涙が流れていた。
トシヒコは黙って涙を指でぬぐい
「一生君の隣にいるから
永遠のモーニングムーンに誓うよ
君を幸せにしたい・・
君を幸せにするから」
そう言って、もう一度、私を強く抱きしめた。
私の涙はしばらく乾かないままだった。
終わり
編集後記
なんかね・・・
「永遠のモーニングムーン」書いていたら、
ふとこんな歌が頭をよぎりました。
昔昔の歌です。
でも、なんか、ロマンチックな恋がしたいよね。
心がそう欲しているのかもしれません。
人は何時でも輝ける。人は死ぬまで現役だ!
そう信じて生きて活きたいですね。
本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。
皆様に感謝いたします。
サポートいただいた方へ、いつもありがとうございます。あなたが幸せになるよう最大限の応援をさせていただきます。