アメリカで生き抜いた日系アメリカ人におもいを馳せる
今日11月25日はサンクスギビングデーです。
今回の記事は先週訪れたロサンゼルスにある全米日系人博物館の訪問記録にしようと思います。
現代とは違う社会的状況の中で、アメリカ社会と向き合った日系人の存在があるからこそ、私は今アメリカ社会の隅っこで居場所を見つけられつつあるのかなぁと思っています。感謝です。
日系アメリカ人に興味を持ったきっかけ
遡ること約10年前、TBSで日系アメリカ人を題材としたドラマが放送されました。
当時高校生でしたが、この時に初めて「日系アメリカ人」という言葉と存在を認識しました。
「アメリカにいる日本人」のポジションとは違う、日系アメリカ人が歩んだ歴史をドラマを通して少し垣間見たことで興味が湧きました。
その後、ハワイにおける日系コミュニティに関する本を読んだり、ニューヨーク時代はエリス島の移民博物館へ行ったり、日本語教育を勉強する上で継承語について学んだり等、日系アメリカ人に繋がるポイントを細々と学んでいます。
博物館のロケーションと展示内容
この博物館はロサンゼルスのユニオンステーション近くにあるリトル東京の中にあります。建物自体は新しく、映像資料も豊富でした。私が訪問した際は音声ガイドはありませんでしたが、もともとないのか、それともコロナ禍の影響なのかは不明です。
展示は2階に分かれており、下の階はとある日系アメリカ人2世の足跡を辿る展示でした。自身が持つアメリカ人としてのアイデンティティと親やコミュニティから感じる日本人としての空気感との間で葛藤があったのではないかな、と個人的に思いました。
上の階では、太平洋戦争中における日系アメリカ人の収容所生活がよくわかる展示でした。バラックが再現されていたり、収容所という特異な空間の中で営まれた日系アメリカ人の生活を学びました。
雑感
江戸末期から日本人のアメリカ渡航が始まり、明治時代以降の移民事業で多くの人々がアメリカに渡ってきました。時代の流れ、排日運動の激化、そして太平洋戦争...と言語や異文化以外の厳しさのなかでアメリカ社会のなかで居場所を作り、構成員となった日系アメリカ人の足跡が、現代の日系アメリカ人の心の支えになっていると(勝手に)思っています。
受けた差別や収容所生活のことを考えると、「困難を乗り越えてすごい!」という一言では表現できない、色々な思いが出てきます。それに私はアメリカで生活する日本人であって日系アメリカ人ではないのでアイデンティティもバックグラウンドも、本当の意味では完全に彼らと共感できない部分もあると思います。
個人的には継承語教育に興味があるので、今後はこのトピックを中心に日系アメリカ人についての理解を深めていきたいと考えています。親子間での言語の継承は私の研究とも関係がありそうです。親の言語を押し付けるのではなく、継承していくというのは家庭内コミュニケーションの上で大事だと考えています。その言語で紡がれる家族のエピソードは、子供たちのアイデンティティとなり精神的な発達面で重要な役割を果たしていると思います。
日系アメリカ人関連の書籍やリソースについて情報募集中です。何かご存知の方は教えていただけますと幸いです。
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