ストーブ列車から考える
今から40年くらい前になるだろうか。冬になると「青森県の津軽鉄道にストーブ列車が走る季節になりました」とか、ニュースのミニコーナーでやっていたものだ。
その頃の話では、朝夕の通学客の多い時間帯に、一度に沢山の学生を運ぶ為に、日中に使われているようなディーゼルカーでは足りずに、昭和の始めに作られた客車が駆り出されるのだと言う。
機関車からは暖房が供給できないので、車両に個別にストーブが付いているのだと聞いていた。
主に乗客は学生なのだが、たまに物好きな観光客も混じっているとの事だった。
この「ストーブ列車」は今でも走っているが、すっかり様変わりしたようだ。
乗車するには「ストーブ列車料金」が必要で、車内販売でスルメを売りに来たりするらしい。
もはや地元の人の為の物ではないだろう。観光客を呼び込む為に残る伝統芸能のような物だ。
そこまでして残す必要があるのだろうか。
追記
以前、五能線に「ノスタルジックビュートレイン」という列車が走っており、観光列車なのだが、普通列車の料金で乗れた為に、車内に地元のおばあちゃんとかが普通にいて、なかなかにシュールな光景だったらしい。やっぱり鉄道は地元の人の為の物であって欲しい。
五能線と言えば、かつては混合列車で知られていただけに、同じ塗装の貨車(沿線で駅舎として使われた)をぶら下げたら面白そうだとも思ったものだ。
追記2
通学時間帯の列車として、ディーゼルカー2両に元西武(これも昭和の始めの製造)の電車を改造した客車2両を牽かせるという物があり、こっちの方が北辺の鉄道のイメージを強く感じさせる列車だったらしい。
追記3
自分が行った頃には津軽鉄道の列車には素朴なゆるいヘッドマークが付いていた。「太宰」とか。今は普通の「ストーブ列車」になってしまって残念。